二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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イナズマイレブン 夢渡り
日時: 2010/07/30 21:18
名前: 一之瀬桜 (ID: b5YHse7e)

イナズマイレブンの世界にトリップしてしまう子の話です。良かったら暇つぶしにでも読んでやって下さい。




プロローグ



 今年の夏は異常気象だなんだとテレビで騒がれるほどの猛暑が連日続いている。
 どんなに扇風機で対応しようとしていても室温が異常なら意味もなく、ただ生暖かいと言うよりは既に温風と言ってもいい温度の風が流れるだけ。
 親にグチグチと言われながらもこの温度なら仕方ないだろと悪態つきながらクーラーを起動する。

 外に出たくない。

 友人から遊びの誘いがメールや電話でくるが、すっかり夏バテしてしまったこの身体で何処に行く気にもなれずに部屋でゴロゴロする夏休みを過ごしていた。

 それは夏休みの間中変わる筈が無いと思っていたのに・・・・。

 「えっと・・・・どう言う状況だコレ?」

 思った事がそのまま口から出てしまった。
 それも仕方ないと思う。
 現在自分がいる場所は、真っ白な世界。
 そう、他に色のない無地と言う言葉がピッタリの何にもない白いだけの場所。

 自分は確かココで意識が戻る前は自室の部屋の中、クーラーで快適な部屋のベットでゴロゴロと朝からしていた筈だ。
 いつの間にか眠ってしまって・・・・現在にいたる。
 これは一体どういう事なんだ!?

 「やーやー、ようこそ私の世界へ」
 「・・・・・」
 「え?あれ??聞こえなかった?仕方ないな、やーやー」
 「いやいや、聞こえてた。けど、あんまりに胡散臭いから脳で聞いた瞬間に削除してたかも」
 「酷ッ!」
 「普通の反応と思うよ、見るからに・・・・怪しいし」
 「えー!気張って一押しの服選んで着てきたのに」

 唐突に現れたのはやたら南の島を連想させるアロハな服に身を包んだおっさんだった。
 ウクレレなんて持っていそうなそのおっさんは私の反応に一瞬項垂れたがすぐに立ちおなり微笑む。

 「まあいい!」
 「いいんだ・・・、で?ココは何処さ誘拐犯さん」
 「うーん、その誘拐犯っていうのは強ち間違ってはいないな」
 「出来れば否定してほしかったけど」
 「あはははは、まあまあ。えっと、おじさんは時間の神様って言うのをやってます!凄いでしょ!」
 「家さ、普通のサラリーマン家庭だからさ、お金ないよ?攫うなら他の子にしたほうがいいよ」
 「あれ?スルー??えー」
 「ってことで、おじさんの事はなかったことにして記憶から削除するから、家に帰してよ」
 「酷ッ・・・コホンッ。負けない!えー、今から色々説明するのでよく聞いてください」

 なんだか、涙目になりながらこちらに向かって話始めるおっさん。

 「ココは時間の狭間の世界です。君はこの世界に『私のミス』で落ちてきました!ココに落ちてきてしまうと二度と元の世界には戻れず、何処か別の世界に行くしか生きていく手段がありません!メンゴ!!普通ならば生きたい世界の希望を叶えてあげないといけないのですが、昨夜飲みすぎて暴れて力を無駄に使いまくってしまった為に選択肢が与えてあげられません!これまたメンゴ!更に、ココに長時間いるとなんと!存在までもが消えてしまうので今すぐに移動となりまーーーす!!イエイ!!」


 うん、もうアレだよね。
 何処から突っ込んだらいい??
 まあ、とりあえず。
 振り上げた拳は綺麗に目の前のおっさの脳天に落ちる。

 「痛っ!!!!!!!!!!!酷い!!!!」
 「思いっきり『私のミス』って言ったよね?」
 「イエス!」
 「・・・・・死んだら?」
 「ひぃぃぃ、ごめんなさい、ごめんなさい!本当にすみませんでしたっ」

 土下座しながら必死にあやまる自称神様。
 とりあえず、この神様が言った言葉が本当であった場合、かなり面倒っていうか最悪な事は間違いない。

 「神様なんて言うヤツが飲みすぎって・・・」
 「いやー、神様だって羽目を外したい時は・・・・すみませんでしたっ!!」
 「で?元の世界にとかなんとか言うのは何さ?マジで言っての?」
 「マジマジ♪・・・あ、はい、すみません。本当です。本当にすみませんっ」
 「何それ?本当に最悪なんだけど」
 「あ、時間残り5分だ・・・あ、どうぞ、話続けて下さい」
 「ちょっと待て、さっきこの場所にいるとなんとかって言ってなかった?その時間5分って言うのが関係してたら殺すぞ?」
 「ひぃぃぃっ、そうです。残り五分以内に移動しないと貴方死にます!」
 「ちょっ」
 「ってことで、こんな所で死なれたら気分悪いっていうか、他の神様にフルボッコされるので飛ばします!」
 「ちょっと!!」
 「本当にすみませんでした!!いってらっしゃい!!」
 「マジでぶっ殺す!!!!!!」

 碌な説明も頭の整理も、そもそもこれが現実だと理解する間もなく身体が宙に浮いたと思った瞬間に遊園地のジェットコースターのように下に落下かる浮遊感を感じた。
 あんまりにもイライラした為に自分の履いていた靴を思いっきり遠くなっていく神様へとブン投げた。


 「痛ッ!!!」

 そんな声が聞こえて満足した瞬間に意識が遠のいていく。
 一体、私が何をしたというのだろうか。
 これからどうなるのか、そんな事を考えながら意識を手放した。



 プロローグでした。
 良かったら感想等下さると幸いです。

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Re: イナズマイレブン 夢渡り ( No.4 )
日時: 2010/08/01 18:26
名前: 一之瀬桜 (ID: b5YHse7e)

コメントありがとうございます。

なんとか楽しんで頂けるように頑張ります!

Re: イナズマイレブン 夢渡り ( No.5 )
日時: 2010/08/01 19:04
名前: 一之瀬桜 (ID: b5YHse7e)

 


 主人公の名前は 藤原優美 になります。
 年齢は豪炎寺さんと同じ年になってます。



 序章 始まり


 目が覚めたら全てが夢でした、そんな展開を望んでいたのに・・・。

 「冗談キツイって、マジで・・・・」

 目が覚めるとそこは少女趣味のフリフリ天国だった。
 やたらレースとファンシーな人形の飾られた部屋、今まで自分が寝ていたベットだって漫画やアニメなんかでしか見たことのないようなカーテン付きのお姫様ベット。
 これだけならまだ辛うじてギリギリ起こり得る事かもしれないが、流石に近くにあった鏡に映ったやたらアニメ顔の美少女がどうやら自分らしいことに気が付くと本気で凹んだ。

 いったいどんな世界に飛ばされたかと思えば、この姿はどうみても何かの漫画かアニメの世界だろう。
 できれば現代に近ければ良かったのにと思った。

 「何処よココ」

 有り得ないロングヘアーを靡かせながらベットから降りて室内を散策すれば、見なければ良かったと思わず後悔するアイテムがゾクゾクと見つかった。
 自分の名前の書かれた教科書やノート学生鞄に学生服。

 「コレで中学生!?ちょっと安心したような、認めたくないような・・・・」

 中学生にしては低すぎるような幼すぎるような気もしながらも色々確認する。
 そしてある事にが気が付いた。
 学生についている校章、何処かで見たことがある。

 つい最近、小学生に上がったばかりの弟の誕生日。
 バイトとかしているからそれなりにお金はあり、とりあえずリクエスを聞いた時だった。

 「イナズマイレブンのユニォームが欲しい!!」
 「は?」
 「豪炎寺のがいい!!」

 サッパリわからなくて困っていると苦笑しながらお母さんが教えてくれた。
 どうやらそれは、イナズマイレブンと言う名のアニメで、弟はそれに今滅茶苦茶ハマっていて最近入った少年サッカーチームにはそのアニメの影響からだという。

 「だからってなんで私がその世界に・・・・意味がわからないっ」

 動揺していると机の上に何時の間にか置かれていた一枚の紙が視界に入った。
 そっとそれを手にとって見る。

 「・・・あの野郎っ」

 『やーやー、目覚めはどうかな?コホンッ。君について説明しまーーす。まず、その世界は君の考えどおりアニメ『イナズマイレブン』の世界に間違いありません。本来なら移動者本人の好む世界に行く筈なのですが、君にはこう、『あの世界に行きたいっ!』みたいな夢がまったくなく、移動できる世界がありませんでした。なので、貴方の弟さんが夢見ている世界が選ばれました!素晴らしいね姉弟愛!君はその世界では、現代同様の名前だけど、家族は当然のことながらいません。資産家の叔父に面倒みてもらっている設定になってします。あ、叔父ってボク!宜しくな姪っ子よ!メインの主人公である少年と同じ中学で同じ学年だ。まあ好きに生きて欲しい。では、君にハッピーがあらんことを!!』

 殺したい。
 どんな頭してんだあの神様!?
 意味わかんない!!
 ってか、ノリが軽い!!
 なんなんだアイツ!!!!!!!
 手にしていた紙が手の中でクジャクジャにして近くにあったゴミ箱に投げ捨てる。


 落ち着かないと駄目な事はわかるけど、こんな状況で落ち着けるわけも無くイライラしながら自室らしき部屋を出て見れば無駄に広くやたらゴージャスなリビングが目の前に広がっていた。

 「悪趣味だっつーの!!!何処の成金親父の家だよココ!?こんな所に私一人で住めって!?最悪!!あのおっさん趣味悪すぎだろ!!」

 人には夢がないやらなんやら言いたい放題書いてたけど、こんな部屋を好むあのおっさんの夢なんか恐ろしくて聞きたくも無い。
 やたら黒と金と豹柄の多いリビング。
 頭痛がしてきた。
 とにかく自宅らしい室内の間取り等を頭に入れようと歩き回る。
 マンションの最上階、有り得ない事に二階着きの6LDK。
 防音らしき部屋の真ん中には高級そうなグランドピアノ、その横は客間らしき10畳以上あるだろう和室と空き部屋らしきフローリングの部屋、二階には書庫らしき部屋とまたも客間。

 「果たしてこの広さが必要だったのか?頭悪すぎる」

 システムキッチンにやたら大きい新品の冷蔵庫、中には食材がギッシリ。
 空き部屋の中にあった金庫らしき中を確認してみれば絶句。

 「怖すぎる、本当アイツ馬鹿じゃんっ!!」

 見たこともない現金がギッシリ入っていて、他にも0がやたら多い通帳や小切手なんかも入っていた。
 恐ろしくてとりあえず素早く閉めて鍵かけた。
 なんかもう色々有り得なさすぎて頭が痛い。
 自分の自室に戻りベットへと倒れる。

 「イナズマなんたらの世界なんか知らないっちゅーの・・・・少年向けのアニメの世界に飛ばされる現役女子高生ってどうよ?ただ、家でゴロゴロしてただけなのにっ」

 どんなに嘆いても状況は変わらない、それは分かっていても納得なんて出来なかった。


 どれくらいそうしていたか、暗い気分で身体を起こせば時計の針は夜の七時を刺していた。
 こんな時でもお腹が空くんだと苦笑しながら何か食べようとキッチンに行った時だった。

 ピンポーン。

 ドキッとした。
 ゆっくりと振り返れば再度室内にインターホンが鳴り響く。

 「どっ、どちら様ですか?」

 緊張しながらインタホーンに対応する。
 小さなモニターには中年のおばさんと少年らしき子供が映っていた。

 『隣に越して来ました豪炎寺と申します』
 「は?」

 今なんて言った?
 一瞬ボーッとしたがすぐに慌てて玄関へ向かいドアを開ければそこには、弟の部屋に飾られたカレンダーに描かれていた少年がそのままそこにいた。
 何とも言えない気分。
 弟がココにいたらきっと泣いて喜ぶだろう。

 「あの、お家の方は?」
 「あー・・・家は基本的に私だけしかいないので」
 「あらそうでしたか、えっと」
 「あ、藤原優美と言います」
 「ご丁寧に、私達は」
 「豪炎寺修也だ」

 クールな子だったよね、確か。
 何となくしか覚えてないけど。
 素っ気無く挨拶した後去っていたメインキャラの豪炎寺。
 よりにもよってメインキャラとお隣同士なんて、面倒すぎる。
 本当に憂鬱だ。
 明日から、一体私はどうなるのだろう・・・・。





 中途半端になりましたが、とりあえずココまでです。
 

Re: イナズマイレブン 夢渡り ( No.6 )
日時: 2010/08/01 21:27
名前: 氷橙風 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)

また来ました!

優美ちゃんドンマイ! でも羨ましい……まあ一生は嫌ですけどね(´・ω・`)
おっさん悪趣味ですねーww
Goさんがメインとなるのですね。ということは優美ちゃんはだんだんGoさんのことがsry
すみません。

それでは!

Re: イナズマイレブン 夢渡り ( No.7 )
日時: 2010/08/08 04:24
名前: 一之瀬桜 (ID: b5YHse7e)


 第一話 動き出した物語


  どんなに寝て起きても状況は変わらない。
 気分転換にシャワーを浴びて自室に戻りクローゼットの中にある学生服を手にとる。

 「まさかアニメのキャラクターのコスプレをする日が来ようとは・・・・はぁ、へこむ」

 自分のサイズピッタリの制服に着替え鞄を持って重たい気分で玄関から外へと出る。
 粗同時に隣から同じ音を聞き振り返れば同じようにこちらを見ている豪炎寺がいた。

 「あ・・・おはようございます」
 「・・・・おはよう」

 えっと、どうしてこうなった?
 確かに同じ場所に向かっているのだから同じ時間に同じペースで歩けばこうなることはわかっているのだけど、だからと言ってペースを上げれば疲れるのはこっち。
 まるで一緒に並んで登校しているかのようだ。
 会話が無いって言うか沈黙が重い。

 「あ、あのさ・・・」
 「?」
 「いや、うーん・・・ゴメン、なんでもない」

 だからって何を話せって言うんだ。
 結局、話す話題もなく仕方なくまた無言で学校へと向かう。
 学校までの道は朝食を食べながら地図で確認したから、何とか無事にたどり着けたけど・・・・すげー名前の学校だよね、本当。
 今日会うのが初めての筈のクラスメート達、なのに長い付き合いのように親しく挨拶されると罪悪感を感じる。

  「ああああああああッ!」

 席は窓際で、初対面に近い友人達と会話をする気にもなれなくてずっと視線を窓の外へと向けていると何時の間にかHRが始まっていた。
 やたら大きな声がしたと思って声のしたほうを見ればギョッとした。
 教室に入って随分時間が経っている筈なのに今の今まで気が付かなかった。
 大きな声をあげて慌しく席を立ったのは唯一名前を覚えていたこのアニメの世界の主人公である円堂守だった。
 嘘でしょう!?何でよりにもよって主人公と同じクラスなのよ!しかもっ・・。
 円堂が驚き見つめる先には今朝一緒に登校してきたもう一人のメインキャラクターの豪炎寺修也がいた。
 冗談キツイ、何でコイツまで同じクラスに。

 「それじゃあ、豪炎寺の席は・・・おい藤原」
 「へ?」
 「へ?じゃない!豪炎寺、席は藤原の前の席だ」
 「!」

 こちらを見て驚いた顔を見せた豪炎寺がすぐにまた無表情になりこちらに向かって歩いてくる。

 「よ、宜しくお願いします」
 「宜しく」

 中学二年生の男子ってこんなもんだったけ?
 あの主人公が感情表現オープンすぎるだけ?
 やっぱりイケメンなのだろうか、先程が周辺の女子がチラチラ見ている気がする。 
 髪型まるっきりドラ○ンボールだけど・・・。
 HRが終わり転校生と言うだけでも注目なのにそれが美形ともなれば尚更仕方ないのだろうけど、周囲の視線を物凄く集めているのに当の本人はそれをガン無視してただ窓の方を向いている。
 まるで全てを拒絶しているような、そんな風に感じた。
 休憩時間になる度に何人かが話しかけるが簡単な受け答えだけしてまた豪炎寺は外へ視線を向ける、その繰り返しで給食の時間になる頃にはすっかり一匹狼的存在になっていた。
 そんな時だった。

 「豪炎寺、昨日ちゃんと自己紹介してなかったからさ!俺、円堂守サッカー部のキャプテンをやっているんだ。ポジションはキーパー!お前も入らないか!?木戸川清修ってサッカーの名門だもんな!どうりであのキック!凄い筈だぜ!!」
 「・・・・・」
 「ん?なんだよ?」
 「サッカーは・・・・もうやめたんだ」
 「やめたって・・・どうして?」
 「俺に構うな」

 なんていうか、凄いと思った。
 弟が見ていたアニメの映像を生で見るって言うのは凄く不思議な気分。
 校長室へと呼ばれて去っていく主人公の姿を横目で見送りながら視線を豪炎寺へと向ける。
 廃部がどうとか言う話が出た時に僅かに反応した所を見るとやっぱりサッカーはやりたいのだろう。
 だけど確かこの子っ手・・・・・。
 なんと言うか、こういうタイプは口でどうこう言っても無理だろうね。
 現場で見て心が動かされないと動けないタイプだ。

 「面倒な性格」
 「それは・・・俺の事か?」
 「そう取れたのならそうじゃない?」
 「!」

 確かTVアニメもこの辺りから始まっていた筈。
 私はこの世界に出来るだけ関わらない。
 面倒はゴメンだし、何より、この世界に染まりたくない。
 私はまだ元の世界に戻る事を諦めてはいないのだから。



 少しだけ書けました。
 短くてすみません><

Re: イナズマイレブン 夢渡り ( No.8 )
日時: 2010/08/09 09:51
名前: 吉瀬 来駕 (ID: TmxFvEgG)

初めまして!
ボクもイナズマ好きです。いいですね、こういう世界!神様には笑っちゃうけど。
原作沿いですか?
応援してます!頑張ってください!


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