二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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嘘物語【化物語】
日時: 2010/08/20 11:51
名前: 綾峰 ◆UJJPIME8p. (ID: wJQanU3q)

どうも、初めまして。アヤミネです。

二次がOKということなので、書いている化物語の小説をあげてみようとやってきました。

こういったところにうpするのは初めてなので、何度も読み返した後ですが、とてもオドオドしておりますw
何か間違いがありましたら、お手数おかけしますが指摘して頂けると助かります。

感想・アドバイスについては、頂けるのであればきついものでも構いません。皆さん、肥えた目でズバズバどうぞ

では、長くなりましたが。よろしくお願いします。

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Re: 嘘物語【化物語】 ( No.10 )
日時: 2010/12/15 14:52
名前: 綾峰 ◆bLXaSY2.Lg (ID: wJQanU3q)

 鬼、蟹、蝸牛、猿、蛇、猫。
 そして、志乃と言われる少女が出遭ったものが、『悪魔』。
 悪魔だ。
 怪異の専門家でもなく、ただの素人の憶測というか偏見というか、固定概念なのだが、なかなかに厄介そうな響きである。
 思い出すのは神原の時の『レイニー・デヴィル』だ。包帯をしていない、というか身体に異変が見えない辺り、悪魔といっても種類が違うのだろう。がしかし、種類は違っても分類は同じである。
 神原の時は、戦場ヶ原がいたから助かった。神原にとってウィークポイントとも言える戦場ヶ原が僕に味方をしてくれたから、助かった。もし、僕が戦場ヶ原となんの関係もなく、あの場所にあいつが居合わせなかったら……。いや、考えてみれば、戦場ヶ原と僕が何の関係もなければ、神原に怨まれることもなかったのか。忍野の言うように、物事というものは案外全て繋がっているのかもしれない。
 それならば、今回の志乃の件も、なんとかなるのではないだろうか。なんて思うのは、いささか楽観的だろうか。
「…………志乃って、誰ですか」
「お前のことだよ! なんだよ、気に食わなかったのか!?」
 始めに『言われる』と表記したのは、彼女自身が言ったわけではなかったからだ。何を隠そう、彼女を志乃と命名したのは他の誰でもない僕なのである。
 人生初の命名は、自身の子でなく、義理の子なんてこともなく、同世代の女の子だった。なんとも歯痒い。というよりも、もはや小さな子にお兄ちゃんと呼ばせているような気分である。
 僕だってしたくてしたわけではない。いつまでも呼称が無いのは不便なので彼女に聞いてみたところ、相変わらず数秒黙って、それから待っても待っても答えはでず、ついに僕が痺れを切らしても、やっぱり答えはでなかった。相変わっていた。
 なにより不可解なのが、彼女の名札である。制服を着ている以上、その胸元には苗字のかかれた名札がついているわけなのだが、どういうわけか彼女の名札には油性マジックのような黒く太い線が乱雑に書き込まれて、つまりは消されていた。ないわけではないらしいのだが、それを突いてみても彼女は相変わらず無言で、相変わっていつまでたっても答えなかった。
 将来子供が生まれたらこんな名前にしよう。なんて考えると色々候補が浮かんでくるものだが、いざ実際につけるとなると、どれも自信がなくなる。悩んだすえに僕が出した答えが、志乃だったというわけだ。忍野と忍のかぶった部分の音に漢字をあてただけだ。由来は最悪だった。
「それで、お前の怪異ってどういうものなんだ?」
 自殺をしようとした。そして、その理由が怪異。となれば、自分が遭ってしまった怪異がどのようなものか、正確には分からなくともそれによる被害については認識しているということになる。
「……………………」
 いつもの間なのか、それとも言うかどうかを悩んだ逡巡なのか。分からない。もしかすると、これも答えるつもりがないのかもしれない。
 生気のない眼を見つめ、それでも答えを待った。これだけは、答えないならいいやと済ますわけにはいかない。聞かなければならない。
「…………人を、襲ってしまうんです。…………今も、貴方を殺したいと思ってしまいます」
 僕の視線から逃げるように顔を横に向け、空に浮いた雲を数えているような表情で、彼女はようやく喋った。
 人を襲う。やはり、悪魔というからには神原のように他人に害を成してしまうものなのか。
「それは、無差別なのか? 何か関連性だとか、そういうのはあるのか?」
「……………………」
 答えない。多分、いつもの溜めではないと思う。 
 空を眺める目が少し潤んだように見えた。僕の気のせいだと言われればそうなのかもしれない。けれど、SEEからLOOKに変わったような。そんな気を覚えた。
 もしかすると、何か思い出しているのかもしれない。途端に罪悪感が芽生えてくる。
 人に言えないようなこと。それには僕も経験がある。痛感するほどに、痛みを伴うほどに。まあ、これは怪異に遭遇してしまった者特有のものでもないだろうが。誰しも、触れられたくないものというのはある。
 しかし、傷に触れなければ治療はできない。撃たれた人の傷口に手を突っ込み、激痛を感じている相手を無視して弾丸を取ってしまわないと、彼女の傷はいつまでたっても癒えない。
 雲を数え終わったのか、志乃はゆっくりとした動作で顔を僕の方へ向けた。
 ジッと、僕の方を見ている。その目には確かに僕が写っていて、ようやく僕は彼女に認識されたようだ。
「…………最初は、友人でした」
 そして、動作と同じくゆっくりした口調で、志乃は話を始めた。
「…………仲良く、楽しく遊んでいたんです。本当に……、楽しく遊んでいたはずなんです。ただ、気が付くと私は、彼女の首に手をかけていました」
「それは、もう殺すつもりでってことか」
「…………殺すつもりなんてあるわけないじゃないですか。ただ、周囲に偶々居た大人たちが血相を変えて私を抑える程度には、私の行動は友人を殺すつもりだったんでしょう」
「それで、どうなったんだ」
「…………母親が私を迎えに来て、色々と理由を聞かれたり怒られたりしました。…………理由なんて聞かれても、私にも分からないのに——」
 おかしい。何かがおかしい。強い違和感を感じる。
 強いて言うならば、表情だろうか。泣いているのか、怒っているのか、笑っているのか。どうとも読めない表情で、ジッと僕を見つめたまま淡々と話す。話の内容と、表情や口調が全く合わない。まるで長調の曲を単調で弾いているようにデタラメな。もはや別の曲とさえ言えるような話。
 楽器が悪いのか、それともわざとやっているのか。そんなデタラメな旋律を、彼女はなおも弾きつづける。
「…………感情が高ぶると、そうなってしまうみたいなんです」
 それこそ本当に、楽器が壊れてしまうまで。

Re: 嘘物語【化物語】 ( No.11 )
日時: 2010/12/23 23:15
名前: 夜兎 (ID: 9Gb.eK5t)

あげです

Re: 嘘物語【化物語】 ( No.12 )
日時: 2011/02/24 12:08
名前: 綾峰 ◆bLXaSY2.Lg (ID: wJQanU3q)

「なるほどね。そういうことかい」
「いや待て忍野。僕はまだ何も話してないぞ」
「おいおい阿良々木君。せっかく手間を省いてやろうってのに、君は気が利かないねぇ」
「いや、僕だって手間は省けるものなら省きたいが、省いたところでお前は分かってくれるのか?」
「そりゃ分かるわけないさ。けど、阿良々木君が何も言わなければ僕も何もしなくて済むかと思ってね」
 ああそうか、お前が省きたかったのはお前自信の手間か。お前は本当によく気が利いている。
 そんなこんなで、僕は忍野のところへ来ていた。
「ほう、僕の『そういうこと』にはダメ出しするくせに、阿良々木君の『そんなこんな』は通るのかい」
「いやいや。忍野の言うとおり省ける手間は省くべきかと思ってな。わざわざ僕の町の風景をダラダラ僕の歩く速度で語ってみたところで、とりたて新たな進展があるわけでないし、面白みもないだろう」
「ド素人はよく流れを切って場所移動をしたがるけど、ド素人の腕じゃ読者がついてこれないんじゃないかい」
「そんな時は一つ前の記事に目を通してくれ」
「あげです」
「やめろ! 彼はこの話におけるコメント率33・3%の優しい人だぞ。その一つ前だ」
「百分率的に言えばいい数字だけど、結局はそれ、3コメ中2コメってことだろ。総コメが少なすぎるよ総コメが」
 志乃に出会ったところから忍野のいる学習塾跡に行くまでの話を省くか省かないか、省いた方が読みやすいのか読みにくいのか、その話をすることが見事に一番の手間だった。僕らにとっても読者にとっても。
 まぁ簡単に書かせてもらうとすれば。
 戦場ヶ原の時と同じく、志乃の怪異について僕ではあまりに無知だったので、いつもどおり、まるで某便利タヌキ型ロボットに利己的な要求を述べるが如く、忍野のところへ行くことを勧めた。
 けれど、彼女は即座に、
「行かない」
 と言った。
 流暢な日本語で。
 いや、日本語に流暢という形容詞は日本人的にどうよと思われるのも分かるが、それこそ二つ以上前の記事に目を通して欲しい。
 あの御馴染みの間もなく、何を考えているのかを曖昧にさせる顔の動きも無く、会話文頭きれいに揃えられた三点リーダーもなしに。
 なんだお前、普通にしゃべれるのかよ。
 しかしそれから後は、今までどおりの無言をつらぬいた。理由を尋ねても、忍野の安全性を不安定ながら説いてみても。相変わらず数秒黙って、相変わって喋らない。
「毎回思うけど、どうして阿良々木君は他人に僕を紹介する際、不審がられることを前提にしているんだい。心外だなぁ。僕はこんなに心優しい紳士なのに」
「その発言について、どこから突っ込むべきか、さらにその突っ込みに回答をどのタイミングで付け加えるか悩むところだが。とりあえず順番に。僕はお前を心優しいと思ったことはない。それと、本当の紳士は自分のことを紳士とは言わないし、そもそもアロハシャツの紳士なんて聞いたことさえない。あと、お前が不審がられるだろうという憶測は僕の経験からだ」
「僕なんかより、不特定多数の女性を、しかも小学生を含めて、連れまわしている阿良々木君の方が不審がられると思うけどねぇ。今回も、どうせ女の子がらみの話だろ?」
「僕に女性を侍らせる趣味は無い」
「孕ませる趣味はあるくせに?」
「ねぇよ!!」

Re: 嘘物語【化物語】 ( No.13 )
日時: 2011/02/24 12:11
名前: 綾峰 ◆bLXaSY2.Lg (ID: wJQanU3q)

ちと次からまたかったーい話に入りそうなので、少し短いですがここまでの更新で。

勝手に夜兎さんをネタに使わせて頂きました。本当にスイマセン
もし不快でしたらすぐさま消しますので、言ってください。
いつもコメントありがとうございます、とても嬉しく読ませて頂いております

Re: 嘘物語【化物語】 ( No.14 )
日時: 2011/04/17 16:42
名前: 梨花 ◆AOEcfpPb/o (ID: qwjQ/00r)

おっおもしろすぎる…((((;゜Д゜))))

コレは…


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