二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

†黒執事†[闇は果てしなく——……]
日時: 2010/09/12 12:02
名前: 夜琉 ◆nFgGo2zKeY (ID: CUrDDjil)
参照: 世界は果てしなく、何処までも、永遠に——…….....

最近、黒執事にはまり始めた夜琉[ヨル]です☆
呼名は特にありませんので、適当に呼んでくだs((ry
私の方も、呼び捨て・タメ口の許可を取らせていただきます。
まぁ、ここに来てくださった方には多分、全員に許可を取るでしょうケド。((笑
ではこの話のシエルやセバスチャンと同じく主人公となるオリキャラの紹介です。↓

†'*:.+;, オリキャラ ,;+.:*'†
名前[セシル・クライリンス]
性別[♀] 年齢[シエルと同年齢]
容姿[背はシエルと同じくらい。顔はシエルとそっくり。左目に眼帯をしていて、その瞳には悪魔との契約印(黒魔術の魔方陣のような模様)。おまけに左目だけが紫のオッドアイ。青く染められている髪に黒いメッシュが入っている。その髪を下の方で軽く結っている。解くと膝まで長さはある。服は一般的に白い服が多い。スカートでもロングやレースのものを穿くことはなく穿くとしてもミニスカート。どっちかというとズボンの方が比較的多い。ちなみに目の下に青い痣のようなものがある]
性格[クールで冷静、そして黒い心を持った人間が大大大嫌い。人間をこの世の誰よりも憎み、嫌っている。表情というものがなく、比較的無表情。礼儀やマナーはなっているが、寝起きは屋敷の誰よりも悪い。人間を嫌っているが、それ以上に自分の執事(悪魔)を嫌っている。それと同時に自分の操り人形としても扱っている。誰をも魅了するような態度。シエルとはまた違った大人っぽさを持っている。対談時は常に優しいお嬢様を保っている]
生い立ち[超能力という生まれ持った力が幼い頃暴走し家を放火してしまい、兄弟・両親達を亡くしてしまった。その後は親戚に引き取られたものの突然現れた悪魔との契約により優しく明るい性格が一変してしまった。悪魔との契約で得たのは、夢売りという人間の欲望を叶えるなんとも言えない力。事件から一年後、親切にしてくれた親戚が止めるのは振り切って、もう一度元の場所に屋敷を立て使用人を雇い、裏社会へと戻って来た。(ちなみにを言うと親戚や両親達がお金持ちなため生活に困らない)。実を言うと、シエル達とは生き別れた兄弟。
契約の証で手にした力は、“夢売り”という人間の欲望を叶える仕事に使われる。人間の欲望を叶えるとは言っても、最終的には依頼者(契約者)を闇に突き落とす]
備考[ファントムハイヴ家と同じく、玩具・製菓メーカー「クライリンス社」の社長を務めている。クライリンス社では、玩具・製菓以外にもリゾートも勤めている大手企業。世間一般で知らない者は数少ない。裏社会では黒百合・白百合などと呼ばれている]
サンボイ☆
「人とは哀れな者。闇に落ちてゆけばいい」
「さぁ、舞台の幕開けだ……」
「契約内容は何だ? さぁ言うんだ。自らのために……」
「ふざけるな! そんな話など、聞いてはいない!」
「あぁ、綺麗な“紅”だな。ん? “赤”ではない。“紅”だ」

「今日の対談、宜しくお願いいたします」
「えぇ、その話には同意させていただきます」
「そうだったのですか……。それはそれは、失礼を……」
「クラリアン。お茶のを用意して?」



名前[クラリアン・アルビート]
性別[♂] 年齢[不明]
容姿[顔はセバスチャンと瓜二つ。しかし髪は短く、茶色く染めている。服は一般的に白っぽいもの。背は高いものの、セバスチャンには及ばない。しかし、スタイルはスラッとしていてモデル並み。いつでもどこでもニコニコと笑っており、とにかく笑顔を絶やさない。しかし、主人を襲ってくる敵に対しては時々真剣な表情を見せることがある。右手の甲に黒魔術の魔方陣(契約印)がある]
契約内容[セシルの命が尽きようとするまで、セシルの手足となり“夢売り”を手伝い、出来る限り全力を果たし身を守りぬくこと]
決め台詞サンボイ
「イエス・マイロード」
「全ては貴方の思いのままに……」
「これくらいのこと、クライリンス家の執事としては当たり前のことですが?」
「情けない……。もう少し冷静になってください」

Page:1



Re: †黒執事†[闇は果てしなく——……] ( No.1 )
日時: 2010/09/14 17:48
名前: 夢樹 ◆1UoPRn3li6 (ID: 2bESk3K2)

がんばるんじゃよ^^

Re: †黒執事†[闇は果てしなく——……] ( No.2 )
日時: 2010/09/15 07:46
名前: 夜琉 ◆nFgGo2zKeY (ID: CUrDDjil)
参照: 世界は果てしなく、何処までも、永遠に——…….....

零話 「その執事、悪魔」

暗い闇。黒い一羽の鴉。
その空間へと舞うのは、無数の白い羽だった。
闇・鴉という黒いものに、羽という白いもの。
吊り合わないものどうしが、退け合うことなく引き付けあう。

「何が目的だ! この悪魔め!」

一人の少女に、悪魔が笑う。
その笑いが止まることはなく、大きくなりゆくばかり。

___ワタシハナンノタメニイキテイルノ?———

不意に悪魔に問いかける。
だけど、そんな問いに悪魔はニッコリと笑うだけ。
どんどんと声が荒くなってゆく。

「何をしにきた!? 私はあんたに用はない!」

その声が合図だったかのように、ふと体が宙に舞う。それと同時に白い羽が渦を巻いた。
白い羽が少しずつ淡くスッと消えてゆく。
何が起こったのか。何が起こっているのか。
淡くて白い闇が悲しく黒い闇へと染まってゆく。
その現象に心が揺らぐ。

「私、は、お前、に、魂、を、預け、るつもり、は、ない……!」

途切れ途切れながらも言葉を発す。
少しずつ意識が薄れてゆく。
そして目の前に広がる世界が霞んでゆく。
そんな中、必死の声で訴える。

「私は! まだ、死なない! やり、残したことが、あるん、だから!」

薄れ行く意識。途切れる声。
そんな姿を見てか、哀れに思ってか。
一羽の黒い鴉が透き通る声で言った。

「殺.しはしない。……契約をしないか」
「え……?」

悪魔の声に少女は驚いた。
宙に浮いていた体が、地面へと足がつく。
そして目の前に咲いたのは一輪の百合だった。
それも真っ白の白百合。
何の疑いもなく、凛とした姿をしている一輪の華。

「私と契約……?」
「あぁ」

少女は一瞬、顔をしかめた。
だけどそれも束の間。少女は答えた。

「……契約、成立」

悪魔の声が闇の世界へと響く。
透き通る声がより一層透き通ったような気がした。
まるで今のが合図かのように、一厘の華が黒く染まった。
残酷で悲惨な真っ黒い百合。黒百合。
真っ白で何の色もなかった白百合が、黒に塗りつぶされてゆく。
少女は——……、黒く染まってゆく。
少しずつ、少しずつ。黒く、黒く。
憎しみと悲しみと罪悪感に飲まれてゆく。

「私は……もうあの頃には戻れない。いや、戻らない」

悪魔は笑う。少女も笑う。
その笑みに“白”はなく、“黒”一色で染まっていた。










“鏡に映る 黒い影
 
 笑う悪魔に 白い百合

 闇夜に舞い散る 紅桜

 消えて 消えて 迷路

 世界は想いのままに——……”










一つの言葉。一つの呪文。
それはあくまで、願いの呪文。
__アナタノネガイハナニ?__

Re: †黒執事†[闇は果てしなく——……] ( No.3 )
日時: 2010/09/18 09:34
名前: 夜琉 ◆nFgGo2zKeY (ID: CUrDDjil)
参照: 世界は果てしなく、何処までも、永遠に——…….....

壱話 「その執事、再会」

雲一つない空の下。小鳥の囀りが聞こえる。
屋敷のカーテンの隙間から、一人の男の顔が覗く。
彼の名前はクラリアン・アルビート。
この屋敷の主……ではなくその主の執事である。
180cmは軽く超えるだろう長身を白いスーツで纏っている。
クラリアンは屋敷内の使用人の誰よりも優秀だ。
そして誰よりも悪魔のように怖い。
というより実際に“悪魔”には違いないのだが。

「起床のお時間でございます。お嬢様」
「ん……。そう呼ぶなと言ってるだろう……」
「これは失礼いたしました」

熟睡中だった少女がゆっくりとベッドから体を起こす。
少女の顔はいかにも眠そうで。
青く染められた髪に黒いメッシュが入っており、その髪は膝のところまで伸びている。
その髪を窓から入ってきた風が靡かせた。
少女……彼女の名前はセシル・クライリンス。
玩具・製菓メーカー。それでもってリゾート建設で有名なあの「クライリンス社」の若社長だ。
過去に辛い過去を持ち今ではすっかり笑わなくなった。
つまり、無表情というわけである。
この二人には秘密にしていることがある。
クラリアンの秘密からにするとしよう。
その秘密というのは、さっき言ったように“悪魔”であるということ。
超能力が使えるのはもちろんのことだ。

「では、セシル様」
「何だ。まだ何かあるのか」
「昨日のことで疲れていらっしゃるのは分かりますが、今日も商談が四件ほど入っているのです」
「また四件も入っているのか」
「はい。それにいつ任務が入るかも分かりません」

セシルが重く溜息をつく。
クラリアンが言う“任務”というのは二つ目の秘密。
まずは一つ目の秘密からにするとしよう。
セシルの一つ目の秘密というのは、“超能力者エスパー”だということ。
これは生まれつきの力。
この力のせいで、辛い過去が生まれてしまった。
だけど、それが原因で悪魔とも出会った。
二つ目の秘密というのは、裏社会で“夢売り”という任務を行っているということ。
夢売りのことは後ほど紹介する。

「あぁ……そうだな」
「それでは一階の方でお待ちしております」
「分かった」

そう言ったきり、執事はその場を去った。
部屋に残ったのは一人の少女だけ。
開いた窓から冷たい空気が入り込んでくる。
少女はそっと目を閉じた。


























それから時は過ぎ、その日の夕方となった。
ある屋敷の前で馬車が止まった。

「ここがファントムハイヴ家のようですね」
「そうか」

そう言って少女は馬車から降りた。
目の前には一つの大きな屋敷が建っていた。
どうやらここがファントムファイヴ家らしい。
使用人が少ないのにも関わらず、かなりの広さがある。
まぁ使用人が少ないのはこちらも同じ話だが。
するとすぐ近くから声が聞こえてきた。
ふと横や後ろを見渡したが当たりには誰もいない。
不思議に思い目を前にやると人物が一人。

「ようこそ、セシル様。どうぞこちらへ」

どうやらここの執事らしい。
セシルは相手の執事に聞いた。

「貴方の名前は?」
「セバスチャンと申します」
「そう。セバスチャンさん、今日は宜しくお願いします」

セシルはそういって深々と頭を下げた。
これはあくまでも、“裏の性格”。
意味はそのまま。いつもとは違うお淑やかな性格。
口調も優しく気取っていない優等生。
商談時はそれを保つのがセシルの役目。
すると、クラリアンが一歩前へと歩み出た。

「私はセシル様の執事、クラリアンと申します」

クラリアンがセバスチャンに笑顔を仕向ける。
その笑みに嘘や罪悪感があるかどうかは別として。
相手も同じように笑顔を向ける。
……ただ、気になっていた。
二人が顔を見合わせた時、驚いた表情を見せた。
理由は分かる。
顔が、二人の顔が瓜二つだということ。
だけど二人は気にせず笑ってた。
本心はかなりいらついているのだろうケド。
それともう一つ。
セバスチャンがセシルの顔を見たときのこと。
二人の時と同じように驚いていた。
理由は……分からない。

「では、部屋へと案内いたします」
「えぇありがとう」

セシル達はセバスチャンの後に続いた。
階段を登って一番奥の部屋へとつく。
どうやらここが商談の場となるらしい。
他の部屋と特になにも変わらないドア。
セバスチャンがその部屋のドアを開いた。

「セシル・クライリンス様がご到着になりましたよ、坊ちゃん」
「あぁ、分かった」

こちらから見えるのは窓の外を見つめる一人の少年。
彼がシエル・ファントムハイヴのようだ。
セシルと同じように眼帯をしているように見える。
その少年が、こちらを振り返った。
シエルとセシルの目線がぶつかる。
……二人はその瞬間、絶句した。
目の前に居るのは同じ顔の少女と少年。

「……似ている……」

クラリアンがこの場にもっとも適応している言葉を発する。
似てるなんてものじゃない。
“似てる”ではない。“同じ”なのだ。
同じ目・鼻・口・輪郭。
偶然とは思えないほどに同じ顔。
誰もが言葉を失う。そして喋ろうとしない。
沈黙が数分間続く。
最初に口を開いたのは、セシル自身だった。


Page:1



この掲示板は過去ログ化されています。