二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケモン二次創作!
- 日時: 2010/11/13 10:07
- 名前: 光輝 ◆DuoCt8/SKk (ID: JP5iH4Hy)
はじめまして!ポケモン大好きの光輝です!
ポケモンBWの世界に似て非なる世界のお話です。
小説初心者なので、温かい目で見てください……。
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- Re: ポケモン二次創作! ( No.1 )
- 日時: 2010/11/13 10:21
- 名前: 光輝 ◆DuoCt8/SKk (ID: JP5iH4Hy)
プロローグ
ここは現実。
俺の大好きなゲームの世界に入れるのは、夜、ゲームをしているときだけ。
最近俺は、現実に嫌気が差してきた。
本当にゲームの中に入れたらいいのに……。
そう思ったときだった。
ピカッ!!
- Re: ポケモン二次創作! ( No.2 )
- 日時: 2010/11/13 11:02
- 名前: 光輝 ◆DuoCt8/SKk (ID: JP5iH4Hy)
1
気がつくと、俺は普通にベットの上で寝ていた。
昨日、布団の中でポケモンをやっていて、そのまま寝てしまったらしい。おそらく、DSの充電は切れている。せっかく進めたシナリオもパー。ついてない。
とりあえずDSを探す。あれ?布団の中にない……。
さては寝ぼけて落としたな。壊れていませんように。
そんなことを考えながら、俺は布団から顔を出した。
「あれ?」
……俺の部屋じゃない。
きちんと片付けられている室内。淡い水色のカーテンから、朝の日差しがもれている。
そして、ベットの脇には……
「……ブ、ブラッキー?」
俺が世界一好きなポケモン、ブラッキーがいた。
「……」
ブラッキーは俺が起きたのを見ると、無言で部屋から出て行った。
「おい、ちょっと待てよ! どうなってるんだ!」
俺がパニックに陥っていると、さっきのブラッキーが戻ってきた。
「……」
やっぱり無言。なんか怒ってる?
その後に続いて、女の人が入ってきた。
年は俺と同じくらい。綺麗な栗色の髪に、明るい茶色の目。
「目が覚めた? びっくりしたよ、草むらで倒れてるんだから」
「……えっと、ここはどこですか? あなたは誰ですか? 第一、なんでブラッキーが……」
「ストップ! 一気にいわれてもね。まず、最初の質問からね。ここはカノコタウン。次、私はツクヨって名前。この子はブラッキーのコウキ。ほら、首輪に書いてあるでしょ?」
確かに、このブラッキーは青い首輪をしている。黄色のローマ字で、「KOUKI]と書いてある。
いやいや、そんなことはどうでもいい。
「あの〜……ツクヨさん?」
「……この子はジョウトの知り合いからもらったタマゴから生まれて……」
「その話はとりあえずもういいです! いっちばん訊きたいことが!」
ツクヨさんはきょとんとした顔で言った。
「そういえば、君の名前きいてなかったね。なんていうの?」
がくっ。この人、ずいぶんマイペースだな。
「ヨウっていいます。……あの、ここはもしかして、イッシュですか?」
「そうだよ?」
うそだろ!
- Re: ポケモン二次創作! ( No.3 )
- 日時: 2010/11/13 12:09
- 名前: 光輝 ◆DuoCt8/SKk (ID: JP5iH4Hy)
2
どうやら、俺は昨晩やっていたゲーム、「ポケットモンスター ブラック」の世界に入ってしまったらしい。
それにしても、よく冷静でいられるな俺。普通、錯乱するだろうに。
とりあえず、ツクヨさん——ため口+呼び捨てでいいって言われたっけ——ツクヨに簡単に事情を説明した。
ポケモンのいない世界ってあるの? と、かなり驚いていたが、
「それなら、とりあえず家に住めばいいよ!」
と言ってくれた。
というわけで、コウキと一緒に買い物に行っている。居候だし、働かないと。
ちなみにコウキ、まだ不機嫌。そりゃあ、いきなり見知らぬ男が転がり込んできたんだからな。
しばらくコウキはそっぽを向いていたが、
いきなり、
『なんでお前と暮らさなきゃならないんだ。』
といった。
え?
しゃべった?
『コウキ、しゃべれるのか?』
普通の言葉で話したはずなのに、口から出たのは「ブラッキー、ブラッキー?」という、明らかな《ブラッキー語》。
コウキも目を丸くして、
『ヨウ、お前、おれの言葉が話せるのか?!』
と言った。
『そういえば、髪が黒くて眼が赤いし、なんか普通じゃないって感じだよな……。』
そう続ける。
実は、この世界では、俺は瞳が赤いのだ。向こうの世界……現実では、目も髪と同じ黒だったのに。
『ヨウ、他のポケモンとも話せるか?そこにミネズミがいるし、話しかけてみろよ』
よーし!
『こんにちは、ミネズミくん。』
出たのは、ミネズミの言葉。
『わ、わ、人間がしゃべった!』
ミネズミは驚いて、逃げていった……。
『すごいな、いろんなポケモンと話せるんだ!』
飛び跳ねて喜ぶコウキ。
そのときから、俺とコウキの間の壁はなくなった。
『早く、ツクヨに知らせよう! 絶対びっくりするぞ!』
家に向かってダッシュするコウキを、俺は笑いながら追いかけた。
家が大変なことになっていることも知らずに……。
「な、ん、で?」
目の前で、ツクヨの家が赤々と燃えている。
『ツクヨーー!!!』
コウキが泣き叫びながら炎に飛び込んでいこうとするが、
「こら、危ない!!」
『お前まで焼ける!!』
既に駆けつけていた消防隊員と、消防服を着たダゲキにおさえられた。
全焼。
ツクヨは、助からなかった。
「このブラッキーは、ここに住んでいた人のね?」
「はい……」
ジュンサーさんに訊かれて、俺はうなずいた。コウキは俺の腕の中で泣いている。
「モンスターボールはもっている?」
「はい……運良く持ち出してまして」
「それなら、君に引き取ってもらいましょう。いいわね?」
もちろん。さっきから考えていたことだ。
俺はこの世界では、いわば「初心者」だ。一人で生きていく自信はない。
ジュンサーさんがいなくなってから、俺はコウキに話しかけた。コウキの言葉で。
『なあ、ツクヨのポケモン図鑑が残っていたんだそうだ。家もなくなったし、旅に出よう。いつまでも悲しんでいたら、向こうも成仏できないと思うし。な?』
『……そうか。ああ、そうだな。確かにそうだ。わかった、そうしよう。』
コウキは涙を拭って、こちらを見た。
少し悲しそうに、それでも、しっかりと笑いながら。
こうして、俺らの旅が始まった。
- Re: ポケモン二次創作! ( No.4 )
- 日時: 2010/11/13 22:26
- 名前: 光輝 ◆DuoCt8/SKk (ID: JP5iH4Hy)
2
桜が咲き乱れる一番道路。
そこを抜けると、カラクサタウンがあった。
『カノコよりはにぎやかかもな?』
肩に乗っかっているコウキが言った。
『それに、このクラシック、どこから流れてくるんだろう? けっこういい曲だけど』
ポケモンにも音楽がわかるのか。ちなみに、俺はよくわからない。
『かなり高いところからだろうな。町の端っこの、あの家じゃないか?』
俺はそう答えた。
そのとき。
「皆さん、お集まりください!」
振り向くと、妙な集団がいた。周りに人とポケモンが集まっている。
その集団の下っ端らしい、銀色のフード(?)を被った二人が旗を立てる。
そこには、PとZの文字が書かれていた。
これは……
「プラズマ団?!」
俺は二番道路までゲームを進めていた。
だから、こいつらのことも少し知っていた。
プラズマ団の下っ端に囲まれている、立派な格好の中年……もしくはもっと年のいっている男性は、いきなり叫んだ俺を不思議そうに見た。が、すぐに、気を取り直したように演説を始めた。
内容はもちろん、ポケモンの解放について。
『何なんだ、あいつ。好き勝手言いやがって。ヨウみたいに、ポケモンと話したこともないくせに』
『俺もそう思う。あいつら、ほんとにそれがポケモンのためだと思ってんのかな』
人がいなくなってから、そんな話をしていた。すると、
「君も、ポケモンと話せるのかい?」
やけに早口。
あ……そうか。忘れてた。
プラズマ団が去った後、こんなことを話しかけてくるのは一人くらいしかいない。
振り返ってみる。やはり、そこに立っていたのは。
「N……」
淡いグリーンの、不思議な感じの髪。そういえば、プラズマ団のおじさんも似たような髪だった。
Nは訝しそうに俺を見た。
「なんで知っているんだい? 僕はまだ名乗っていないけれど」
しまった。慌てて話を逸らす。
「そ、それより、君もって……あなたも、ポケモンと話せるんですか?」
本当はもう知っているけど。
「そうさ。ただし、君のように会話するのではなく、ただ聞くだけだけれど。……君のブラッキー、さっき『勝手なことを言いやがって』と言っていたように聞こえたけれど。本当にそういったのかい?」
ポケモンは人間の言葉を、「なんとなく」で聞き取る。コウキにNの言葉は伝わったようで、
『そうだ。ポケモンと人は、友達なんだ。別れるのは辛い。……引き離すなんて、絶対に許せない!』
そうか。コウキはツクヨを思い出しているんだ。
「そんな……そんなことを言うポケモンがいるなんて……」
Nはショックを受けたように呻き、
「……君たちの名前は?」
と、訊ねてきた。
「俺はヨウ。そして、こいつはコウキ」
「覚えておこう。それから、よかったらポケモン勝負をしないか」
Nはそういい、モンスターボールを取り出した。
「出てきてくれ、チョロネコ」
ポン!と音をたてて、チョロネコが出てきた。
『は〜い、がんばります!」
やる気満々のチョロネコを見て、Nはため息をついた。
『なあ、コウキ。どんな技を覚えているんだ?』
『えっと……だまし討ちと電光石火と嫌な音、それからとっておきだな。』
レベル高!
とにかく、始めることにした。
ところが、なんとコウキ、負けてしまったのだ!
『俺の指示が悪かった……ごめんな、コウキ』
『いいさ、相手が強かったんだ。おれも強くならないと。ヨウは悪くない』
俺とコウキで慰めあっていると、
「いいね、ポケモンと人間の友情……」
Nは、どこかさびしそうにつぶやいた。
『な〜に言ってんの、あたしとN様もトモダチ、でしょ?』
チョロネコは陽気に言う。勝者の笑みを浮かべて。
そして調子に乗って、負けず嫌いの俺には許せないことを言った。
『あたしたちが特別、技術的にも、精神的にも、あのガキたちより上だったってこと!』
……
が、き?
これでも俺は大学一年だ〜!
そう思った瞬間、いきなり地面が近くなり……
『うわっと!
肩からコウキが転げ落ちた。
『……ヨウ?」
「どういうことだ?」
『え? なあに? あたしが……てゆーか、チョロネコがもう一人?』
俺は、チョロネコになっていた。
そのときはもう、頭に血が上っていて、
『きゃあ!』
相手のチョロネコに乱れ引っ掻き!
そして、
生意気なメス(だよな、間違いなく)のチョロネコは倒れた……。
「くっ……戻ってくれ、チョロネコ」
Nは目を回した彼女をボールに戻し、
「君はとても興味深い……科学をも超える、何かがある……」
そう言って、立ち去った。
……しっかし、俺は一体どうなってんだ?
戻んねーかなって思ったら、シュッと人間になった。
『ヨウ……ポケモンと話せるだけでなく、ポケモンにもなれるんだな。しかも、技まで。本当、不思議な奴だ……』
その日のうちに、旅の目的を決めた。
まず、俺がなぜここに来たのか、一体俺は何なのか、それを突き止めること。
普通のトレーナーと同じように、リーグを目指すこと。
俺が元の世界に戻る方法を見つけること。
もしも最後の目標が達成できったら、俺はコウキと別れることになる。
でも、
そのことは後で考えればいい。
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