二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【APヘタリア】誰も知らない国
日時: 2011/04/07 10:48
名前: ゆうも ◆cNzqJV6Sg2 (ID: 5oJbC9FU)








 _______目が覚めたとき私は見知らぬ国だった。

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Re: 【APヘタリア】誰も知らない国 ( No.1 )
日時: 2011/04/07 11:48
名前: ゆうも ◆cNzqJV6Sg2 (ID: 5oJbC9FU)


 「××、起きたよ」

 「では私は××××を××して来ますね」

 「うん。 ・・・おはよ〜」

 うっすらと目を開けると、知らない男の子が笑顔で私を見ていた。
 うっすらと消毒液の匂いがした。

 「・・病院?」

 「保健室だよ〜。でも保健室にしては広いよね」

 男の子は何が嬉しいのか分からないが、笑顔で話をしている。
 私はそれを聞き流しながら、ゆっくりと体を起こした。

 少しだけいろんなところが痛いが、問題はなさそうだ。
 包帯がいろんなところに巻きつけられていたが、決してミイラの様に巻きつけられていたわけではない。

 「×××がね、すっごく心配してたよ〜×××や×××なんかもね・・・」

 たまに男の子の話が聞き取れない。
 雑音のような音や機械音が混じっているかのように、耳が痛くなり、聞こえにくい。

 ドアが開いて、黒髪の男の子と金髪の男の子が入ってきた。

 「お体の方はいかがですか?」
 「えと・・・問題ない、です、はい。」

 黒髪の男の子はすごく落ち着いていて、緊張してしまった。
 2人は近くからパイプ椅子を出して、笑顔の男の子の隣に座った。

 「ところで××××。×××××?」

 「え・・今、なんて?」

 急に雑音のような機械音が大きくなり、耳がすごく痛い。
 彼らは何を言っているか分からなくなった。

 「ですから×××。××××?」

 
 「こら君たちっ!面会禁止のはずだよ教室戻りなさいっ」

 思いっきりドアが開かれ、女の人が怒りながら彼らに言った。
 彼らはしぶしぶ立ち上がると、ドアの方へと歩いていく。

 「××××?」
 「×××!」

 「××〜♪」

 笑顔の男の子は私に手を振って、元気よく出て行った。
 怒られているのにいいのだろうか?

 先生はそれを見届けるとドアをしっかり閉めた。
 ついでに鍵もかけた。

 「具合はどう?変なことない?」
 「大丈夫です。あ、でも、耳鳴りみたいのが起きたりしてあの人たちの会話が一部聞き取れませんでした・・・」

 「そう・・・。耳痛い?」
 「少しだけ・・・」

 先生は薬箱のような箱から小さなカプセルと水が入ったコップを持ってきた。

 「痛み止めだけど、飲む?」
 「じゃぁ、いただきます」

 私はありがたくそれを貰った。
 薬を水で流し込むと、冷たいものが通っているのがすぐに分かった。

 「あの、さっき保健室って聞いたんですけど・・ここは学校なんですか?私は学生なんですか?」

 「そうよ。あなたは学生。ここは学校。ちょっと普通のとことは変わってる学校だけどね」

 「変わってる・・・?」

 先生は何かを知っているけど言わなかった。

 自分の名前は「マーテル」と言うらしい。
 まるで記憶喪失のような言い方だが、その通りだ。

 自分の事は分からない。
 思い出そうとすると、高いところから落ちるようなそんな怖さが体中を駆け巡り、何も思い出せない。


 そして私はこの学校に通う国のひとりらしい。

Re: 【APヘタリア】誰も知らない国 ( No.2 )
日時: 2011/04/07 16:10
名前: ゆうも ◆cNzqJV6Sg2 (ID: /WceXK1W)


 イギリス、日本、イタリアの3人は保健室から各教室へと移動していた。

 先ほど先生によって追い出されてしまったので、仕方なく教室で自習をするしかない。

 「では、私はこちらですので・・・」

 「俺も教室はあっちだから行くね〜」


 教室に入ると、自習はそっちのけで自分のやりたいことをそれぞれやっていた。
 喋っている人もいれば、黒板に落書きをして遊んでいる人もいる。

 「あ、イギリスずいぶんと早かったな」

 フランスはアメリカと一緒に黒板に絵を描いたりしている。
 アメリカが描いているのはマントを付けた男の人の絵だった。

 「まぁなって・・おいフランスこんな事かくのはお前だろ」

 黒板の右下には、日直まゆげと書かれていた。

 「え?お兄さんなんのことだがさっぱり分かんない」
 「とぼけんなこの野郎!!」

 「HAHAHA!くたばれイギリスーっ」
 「うわっアメリカ何かいてるんだよ」

 「お前らほんとセンスねぇなぁ」

 「何ってバーガーさ!!俺はヒーローなんだからな」

 アメリカはどんと胸を張った。
 よく意味が分からなかったが、何でもヒーローと言うわけにもいかないだろうと2人は思っていた。

 



 職員室は緊急会議を開いていた。

 議題は転入生についてとホワイトボードに書かれていた。

 「やはりあのときに壊していたほうがよかったんではないでしょうか」
 「しかしあの頃は彼がヨーロッパを支配していたといってもいいくらいだったからね。迂闊に手は出せなかったんだよ」

 「頃合を見計らってやるつもりが他の国に反感を買うかもしれなかったので仕方なかったんですよ」

 「ですが皆あの国なんて忘れていますよ」
 「ww1やww2の存在が大きすぎたせいですね。あの国だって自分の事を忘れていますし」

 「いっその事彼に任せたらどうだろうか?鈍感だしあまり気にしないと思うが・・・」

 「いくらなんでもそれぐらいは察知するでしょう。どんなに鈍くても国なんですから」

 空気は重くなる一方で、抱えている議題は解決にはならない。


 「ではあの子なんてどうですか。逆にいいと思いますが・・」
 「いや、反対に弱すぎてダメになる気もする・・・」
 
 「それもそうですね。では彼は?」
 「逆に強くなりすぎる気がするな・・・」

 「ふむ、では彼はどうでしょうか。一応、国を持ったことはありますが」
 「彼自身が嫌がっている。独立戦争もあったしな」

 「では間を取って彼は?」
 「うむ・・・。いいかもしれないが・・・」

 「が?」

 「何でも断りそうな気がするんだよなぁ・・・」
 「あぁ・・確かに・・・。引きこもりされたら大変ですね」

 「ひとまず今挙げた国は却下だ。あと、この2国もだめだ」
 「それは賛成ですね」

 「残るは彼と彼ですね・・」
 「あの子が恐怖症状が起きるかもしれませんので彼も外しましょう」
 「そうですね」

 授業の終わりをつげるチャイム音が鳴り響いた。
 先生達は深いため息をついた。

 「また放課後に話し合いましょう」
 「そうですね」

 「それまであの子は面会禁止ということでお願いしますよ」

 「分かっています。ではまた後で」

 先生達は次の授業の準備に取り掛かった。


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