二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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歌詞物語
日時: 2011/07/19 20:20
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: SLKx/CAW)

久しぶりにこちらで書きます、瑚雲です^^*
あまり更新しません、というかしないかm(((((死


ここでは私の好きな歌の歌詞を物語に書き変えてみる、という小説を書きます。
できればお勧めの歌を教えてほしいです、それを小説にしてみたい、という小さな願望もあります、はい。

では…意味分かんないかもしれませんが、宜しくお願いしますっ!!

※短編です。


【目次】

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Re: 歌詞物語 ( No.1 )
日時: 2011/07/19 20:57
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: SLKx/CAW)

 【secret base 〜君がくれたもの〜】 歌手:ZONE

 君と夏の終わり 将来の夢 大きな希望忘れない
 10年後の8月 また出会えるの信じて
 
 最高の思い出を……————————————。





 私、華架。桜野華架。ごく普通の中学2年生。
 つい最近新しい中学校に転入して、友達が1人もいない状況。
 そんな私は、とぼとぼと夏の夕暮れの中を歩いていた。
 車の音しか聞こえない、寂しげな交差点。
 私は俯いて、俯いて…前なんか、見たくない気持ちでいっぱいだった。

 でも。

 「ねぇねぇ、君こっちの家なのー!?」

 ふと、そんな声が聞こえた気がした。
 でも…地味な私は声なんて掛けられる訳ないし…あり得ないよ。
 
 「…ちょっとー?無視してるのー?」

 遂にはずいっと私の顔を覗き込みにきた。
 目大きくて、細くて、可愛くて…物凄く羨ましい。
 なんて目の前にいたご機嫌斜めの女の子に対して、そんな感情を抱いてた。

 「ねぇ…一緒に帰ろっ!!」

 可愛げな顔で、私にそう微笑んでくれた。
 その言葉が一瞬嘘のように聞こえて、私はとっさに持っていたカバンで顔を隠してしまった。
 真っ赤で真っ赤で…見せられない程恥ずかしかったから。
 
 でも、とても嬉しかった。

 
 あの子の名前は中井小夏。
 黒髪の二つ結びで、女子にも男子にも人気のある子だった。
 私なんかとは…天と地の差もある子なのに。
 
 なのに、休み時間になると私の席までいつも会いに来るの。

 「ねぇ華架ー?ちょっとノート見せて!」
 「え…ど、どうしたの?」
 「実はこの間眠くてノートとってないんだよーっ、…ほら、あの科学の先生怖いじゃん?」
 「はは、そうだね。はい、ノート」
 「ありがとうーっ!!華架ってやっぱやっさしぃーっ!」

 えへへ、と笑って私のノートをとっている小夏。
 …小夏。未だに下の名前で呼ぶのが少し恥ずかしかったりする。
 今まで…親しい友達なんていなかったから。

 

 「ねぇ華架、今度夏祭り行こうっ?」
 「夏…祭り……?」
 「そう、花火がぶわぁーっと上がってさ、すっごい綺麗なんだよ!!」

 そろそろ訪れる夏休み。
 私達は今後の予定に胸を膨らましていた。
 て言っても…宿題は待ってはくれないけどね。
 
 それでも、小夏は夏祭りに行こうって誘ってくれた。

 「…あれ?もしかして…嫌、だった?」
 「う、ううん!!全然そんな事ないよっ、寧ろ行きたいな」
 「そっかぁーっ良かったっ!」
 「夏祭りなんて行った事ないから…エスコートしてね?」
 「うえぇ!?そんなぁーっ!!」

 夏祭り、夏祭り!!
 友達と行った事なくて、親とも行かなくて…。
 だから、初めての友達で、初めての夏祭りはとても楽しみだった。




 「これで良し…っとっ」

 初めて着た、浴衣。
 ピンクの生地に、明るい黄色と赤が花火の模様をつくってる。
 何もかも初めてすぎて…自然に口元が緩んでた。

 「うっわぁーっ…!可愛いね、華架っ!!」
 「そ…そんな事ないよぉ…っ!」

 手をぶんぶんと振り回して、私は全否定した。
 顔が赤くなっている事にも気付かないまま。
 でも、そういった小夏の私服も可愛くって、元気らしさが出ていた。


 わたあめ、やきそば、射的、ヨーヨー釣り、くじ引き…。
 沢山の夏を経験した、実感した。
 こんなに夏祭りが楽しいなんて、知らなかった。
 もっと早く…小夏と出会いたかったな。

 「あ…っ、始まるよ、花火!!」

 片手にわたあめを持ったまま、私は頭上を見上げた。
 夜空に向かって一直線に伸びていく線。
 その線が空へ到達すると、ぱっ、と開いて、散っていった。
 とても短い間なのに…とても綺麗で、鮮やかで。
 素敵だな…って。自然に心に染み込んできた。

 「ちょっとだけ…切ないね」
 「…え?」
 「たった一瞬だけ美しく咲き誇って…一瞬で散って。…儚くて、セツナイ」
 「…そう、だね」

 時間が、風とともに流れている気がした。
 嬉しくて、楽しくて…。

 その後、土手の近くに小さな穴場を見つけた。
 秘密基地…なんていったら子供っぽいけど。
 それが良いんだろうなって思えた。
 本当は、小夏が隣にいたから、良いんだって思えたんだけどね。
 
 色んな冒険をした。この1日で。
 小さな穴の中で、私達は2人でずっと笑い合った。
 くだらない事も、大切な事も…全てが私達の一部となって。
 大きな思い出へと変わっていった。


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