二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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   ハロー、お元気ですか。  ( inzm )
日時: 2013/09/22 19:53
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: pvHn5xI8)




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[ 吹雪と彩音] ( No.68 )
日時: 2013/07/15 20:03
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: pvHn5xI8)

 ふつりと意識の途切れるまえに、決して濁ってはいない、綺麗な灰色の瞳が見えた。やさしい笑顔が見えた。あたしの名を呼ぶ、やさしいやさしい声が聴こえた。
 またね、彩音ちゃん。彼があたしに笑いかけたのは、それがはじめてだった。

 ——あたしはきっと、独り善がりだったのだろう。そして悲劇のヒロインぶって、泣き叫んでいた。今思い出せばあの頃のあたしは馬鹿馬鹿しくて、哀れでならない存在だったと思う。
 幼馴染が家族という存在に囚われて、あたしのことを見放したように感じて、ひとりぼっちになった気分で、叫んで! 救ってあげようと差し伸ばされた手でさえも、首を振って拒否をした。
 あの頃のあたしはきっと、孤独でいることが、悲劇のヒロインでいることが、正しいことなのだと思いこんでいたんだ。

 それが間違いだと気付いたのは大人になった今更で、かつての仲間と再会を果たしたときだった。


「彩音ちゃん、変わったよね。見てて心が温かくなるくらいに。良い変化だと思うよ」


 所謂癒し系、というのだろうか。やさしい声でそう言って、彼、——吹雪君はその声によく似合う、優しい笑みを浮かべた。
 いい風に変わったという吹雪君に首を傾げながら、自分でも変わったなあとは実感していた。それが良い風なのかどうなのかはよくわかっていないけれど、確かに自分は独り善がりなあの頃からずいぶんと成長したように思う。

 頼ることを知り、我慢しなくてもいいことを教えられて、何よりも、仲間がいるあたたかさを覚えた。
 自分だけが我慢すれば良いのだと思いこんでいたあの頃のあたしの、知らなかったことを、今のあたしは知っているのだ。

 それが良い変化だというのなら、これからもそれを忘れることなく生きていけばいいんだろう。小さく頷いて、吹雪君に笑いかける。
 吹雪君もにこりとしたまま、頷いた。


「彩音ちゃんはほんとうに柔らかくなったね。あの頃もたしかに柔らかかったけど、今の方が断然良いな。……いや、あの頃のキミを否定するわけじゃないよ?」
「うん、……でも、よかった。吹雪君、なんとはなしにあたしのこと苦手をしてたみたいだったから、蟠りがなくなったみたいで」
「あ、わかってた? 多少は苦手だったんだ。彩音ちゃん、優しそうなのに棘がある雰囲気で……。でも今は、そんなキミも素敵だったなあと思うよ。まああの頃はボクも子どもだし、優しい子ばかりに惹かれるのは仕方ないことだったんだけどね」


 苦笑する吹雪君に頷きながら、改めてあの頃を思い返す。今、このとき、この場所まで来られたのは、ほんとうに奇跡の連鎖だったんだと思う。嬉しくもあり、怖くもある。
 ——もしあのとき、あの瞬間に、あんなことが起こっていなかったら、と。
 今のあたしたちがいるのは奇跡が連鎖してこそであり、決して必然の運命にあったわけではない。今生きるこの世界こそ、偶然でできた世界なんだろうと思う。
 だって誰も思わないでしょう。部員が足りないとさえいっていた弱小サッカー部の部員が、全国大会どころか、世界にまで進出するなんて!


「でも、今日キミと会えてよかったよ。キミのこと、少し心配してたんだ。優勝以来、会ってなかったしね。でも、大丈夫そうでよかった」
「……ああ、あのことか」
「うん。でも、大丈夫。ボクは力になれないかもしれないけど——円堂君がきっと、キミの力になってくれる。絶対にそう思う。だからキミは、」


 これからも、変わらないで。
 そう笑った吹雪君の顔はやっぱり優しくて、とろけそうなほどに甘かった。……なるほど、あたしは思いのほか、いろんなひとに愛されているんだなあ、と漠然と思う。でもこれは自意識過剰な思い込みじゃなくて、ほんとにそう。
 だって、仲間って愛し合ってこそなれる存在でしょう? あたしも勿論、みんなのことを愛しているから。仲間だと、思っているから。


「じゃあまた会おう」


 そう言って笑った吹雪君の顔は、初めて笑いかけてくれたそのときと変わらない、やさしい笑顔だった。






変わってほしかったキミと、変わらないでいてほしいキミのはなし

吹雪君ってこんなキャラだったっk。
あんまり文章の書き方は変わらないんだなあと思いました。

Re: 泣き虫兎と臆病な、恋。(inzm/短編集) ( No.69 )
日時: 2013/07/19 19:08
名前: 翡翠 (ID: ZGo4Gnz1)


はじめまして!お話読ませていただきました!
とても好きな物語の書き方なのですごいなと思いました!
イナズマイレブンいいですよね!私も二年ほど前すごくはまってました(笑)
応援してます!頑張ってください!

Re: 泣き虫兎と臆病な、恋。(inzm/短編集) ( No.70 )
日時: 2013/07/26 19:05
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: pvHn5xI8)

  >>翡翠さん

こんにちは、はじめまして。
わわ、お恥ずかしい…、! 中二溢れる作品ばかりでほんとうにもう…( ← )
二年前が何だかんだでピークだった気がします.笑
有難うございます。既に違うところで新しく書き始めているので此方の更新は遅くなりますが、また読んで貰えると喜びます。

コメント、有難うございました。そして遅くなってしまい申し訳ありません。

 ( いっつ、まいふぁみりー! )  ( No.71 )
日時: 2013/08/23 18:30
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: pvHn5xI8)

 俺の兄貴は、駄目な男だったんだとよ。
 ——俺はそうは思わなかった。一人の女を愛し、軍人になる夢を捨てて、駆け落ちまでしやがったんだから。
 腹立たしい兄貴だと思ったけど、でも、駄目な男だとは思わなかった。寧ろ格好良いとさえ尊敬できるぐらい、良い兄貴を持ったとは思っている。
 まあ、軍人の両親にゃ理解できねえんだろうけど。

 そんな兄の愛した女を一度見たことがあるが、綺麗だとか、そんなレベルじゃなかった。女神を本当に見たような、そんな錯覚をするぐらいに、美し過ぎる女だった。
 その時は未だ学生だった兄の隣に寄り添って微笑んでいて、良いところの出身なのか知らないが、上質な服を着ていたと思う。俺の親も向こうの親も交際していることは知らなかったみてえで、俺だけの秘密だと二人にウインクされた。兄貴のウインクは正直気持ち悪かった。
 駆け落ちする、と二人に言われたのは兄貴が学園を卒業した頃だ。軍人にならず、二人でひっそりと暮らすんだと妙に清々しい顔で言われたのをはっきりと記憶している。
 幼いながらに言ってはいけないのだろうと理解していた俺は未だ親にそのことを言ってない。だから親は兄のことを軍人になる意味がないと言って出て行ったと思いこんでいる。まあ、駆け落ちの為に出て行ったといってもそれはそれでキレるんだろうけど。

 俺は兄のことを軽蔑している。それはもう、本当に。だけどそれはあくまで軍人を目指す人間としてであり、一人の男としては本当に尊敬している。

「ふうん、つまりエスカバはブラコンなんだね」
「何でそうなんだよ! ンなわけねーだろ」
「……その話に少し聞き覚えがあるな。恐らくだが、その女というのは白い髪に赤い目をした女だろう?」

 これだからミストレに話すのは嫌だったんだよ。——それぞれお互いの家族がどんなのか話そうぜ、ってときに二人とも両親やら妹弟やらの凄い話を聞かせてくれたから俺も兄貴の話をしてやろうと思ったのに!
 話を聞いていたんだが聞いてないんだか、ミストレの感想に腹立たしさを覚えているとバダップが顎に手を当て何かを考え始めた。バダップの挙げた特徴は確かにあっている。記憶が曖昧なんだけどな。

「おう、多分それだったと思うけど。何で?」
「……若しもそれが正しいなら、お前の兄が駆け落ちした女は俺の姉だ。数年前から行方知れずになっているが、……そうか。そういう事情だったのか」
「は?!」

 バダップが溜息を一つ吐いてから少しだけ思案したような表情を浮かべ、しかし驚愕の事実を話しだす。バダップの言葉に驚いたのは俺よりも先にミストレで、自慢の髪の毛をくるくると指先で弄りながら身を乗り出してきた。うぜえ。

「バダップの姉を落とすなんてエスカバの兄は相当イケメンだったんだね。こんな弟なんだからきっと格好良くないと思ってたんだけど間違いだったみたいだ。そりゃブラコンにもなる」
「いやだから何でだよ! でも兄貴はどっちかっつーと母さんに似てすげえ格好良かったけどな」

 相変わらずミストレのマシンガントークに呆れつつ、いつものようにツッコミを返す。自分から言ったくせに俺の発言をさらりと無視して、ミストレはバダップに姉がどんな人なのかと問いかけた。
 バダップは少し考えるようなそぶりを見せてから首を横に振り、余り覚えていないと呟く。

「美しい人だったということは憶えている。……というよりは、両親の姉に対する評価がそれだったからな」
「……ふうん。見てみたいな、バダップの姉君。オレより美しいのかな」

 バダップが美しいという言葉を使うとは思わなかった。何だか一人だけ取り残された気分で黙っていると、ミストレは俺にちらりと視線を寄越して、にやりと笑った。此奴、良いこと考えてねえ顔してやがる。

「エスカバは可哀相だね。お兄さんみたいなイケメンになれなくて。……ああそういうつもりじゃないよ。君にもきっと良いところはある筈さ。まあオレの美しさには敵わないけど? 大丈夫だよ、君にもいつか」

 以下省略。此奴の話にはついていけねえ。





バダップにお姉さんが居ればいいなとかエスカバがブラコンなら良いなとか思った結果が此れ。ミストレちゃんごめんね今度ミストレちゃんには妹か弟がいる設定で話書くよ。王牙では何だかんだとサンダユウさんが一番好きだったりするんです。バダップは銀髪っぽい髪の毛だけどお姉さんは生粋のアルビノだと私が得をします。

晒された素肌に愛を、 ( No.72 )
日時: 2013/09/22 19:53
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: pvHn5xI8)

(※気持ちR-12)
カーテンに遮光され、光の一切入らない広い室内に絶え間なく声が響き渡る。苦しんでいるようにも悦んでいるようにも聞こえる声にぐっと眉をひそめた彼は、甲高い声を発する喉元にがぶりと噛みついた。途端に苦しそうに呻くような声が漏れ、嬌声はどこかに消える。白くて細いこの喉を噛み千切ってもよかったかもしれない。男は歯型のついた喉をぺろりと赤い舌でなめると、女の脚をぐっと持ち直してにやりと笑った。この暗がりでは彼の顔が見えない。それがどれほど寂しいことなのか、彼は知らない。女は涙で滲む視界で必死に男の顔を捉える。男は女を道具だと勘違いしているのだ。自身の欲求を満たすだけの、あの女の代わりにしかなれない道具だと。
「——は、ァあ、!」
溜息と共に腰が跳ねる。女はひくひくと喉を震わせて、声なくして叫んだ。同時に男も深い溜息を吐く。女の脚を柔らかいベッドに優しく下ろし、そして後悔するように顔をゆがめた。そして、上に覆いかぶさる男の首元に抱きついた女は困ったように笑う。自身を散々荒らしておいて、この男はいつも後悔したように笑うのだから、困ったものだ。嫌いだと思う反面、自分も他の男とこの男を重ねている。お互いに犯している罪は同じ。男から離れられない理由は、それであった。女は長い髪を散らせて男から腕を離すと、すぐ傍にある男の頬に手を添える。この暗がりでは、顔は見えない。そうわかっていながら、女は涙にぬれた顔で、やさしく微笑んだ。心に穴が空いている気がする。自分を取り繕うことに、疲れてしまった気がする。
「おやすみなさい」
「……ああ」
そっと口付けを施して、女は瞳を閉じる。瞼の裏に焼き付いて離れないのは、風のように駆ける"少年"の姿だった。男が女の顔に重ねるのは、いつも笑顔で幼馴染想いな"少女"の姿だった。あの時から、二人はいつまでたっても今の場所から動けていない。大人になってしまった自分たちを、彼らを否定するように、小さなつながりを求めている。二人の間を繋ぐ細くて脆くて弱い糸を切ってしまえば、きっと二人は二度と浮き上がってはこれないだろう。
 (崩れそうな関係に飽いを、——切れ掛かった糸に、哀を。)




昼ドラの見過ぎかしら…敢えて誰か言わない。(!)そしてこれは後の黒歴史となる…


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