二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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おかえり。
日時: 2011/09/03 15:24
名前: 葵 (ID: Ed6RPZhj)

『おかえり。』、


そんな温かな言葉を


私は誰かに言って欲しかったんだと思う



お父さんもお母さんも、小さい頃事故で亡くした


私は小さい頃から一人ぼっちの天涯孤独


それでも私は悲しくなかった


忙しなく流れていく時間について行くのがやっとで、


悲しいなんて感じる暇もなかった



だけど、なんでかな


あなたに会って、

ううん、貴方達に会ってから、私は変わったんだと思う






===ーおかえり。−===


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主人公設定 ( No.1 )
日時: 2011/09/03 15:30
名前: 葵 (ID: Ed6RPZhj)

『初めまして。雪乃といいます』


名前:藤原 雪乃(ふじはら ゆきの)

年齢:14歳中2

一人称:私

容姿:栗色のさらふわセミロング
   ぱっちりした目は純粋な黒
   体型は普通
   背は150㎝と小さめ
   可愛い系で、癒し系


備考:小さい頃、両親を事故で亡くし、天涯孤独
   今は一人暮らし、幼い頃は孤児院に入っていた
   

日常の中の非日常 ( No.2 )
日時: 2011/09/03 15:41
名前: 葵 (ID: Ed6RPZhj)

毎日何気なく過ぎていく日々に嫌味が差す今日この頃

私は勉強と部活に挟まれた生活を送っていた

珍しくも何にもない、何処にでもいるような女子中学生

恋とか愛とか、そんなものまだ私にはよく分からないけど、

何も珍しくない、普通の生活を、普通の人たちにまぎれて、普通に過ごしていた

友達もいた

勉強も中の上くらい

不自由ない生活


「ねぇ雪乃、放課後どっか寄ってかね?」

『ごめんね、今日もちょっと忙しくて』

「えー。雪乃こないの?つまんなーい」

『えへへ、ごめんね』


でも私は今、一人暮らしをしている

さっきも言ったけど、別に不自由はしてない

お父さんとお母さんが残して行ってくれたお金もまだたくさん残っているし、お金は最小限にしか使わない

自炊をするのはちょっと面倒だけど、それ以外は何一つ困っていない

それに、一人暮らししてるんだから、これくらい当り前

自分で孤児院出たいって言って出てきたんだから、これくらい我慢しないとね

我儘なんて言ってられないし、両親がいなくて寂しいなんて思ってもいられない

私にはたくさん、やることがあるんだから

日常の中の非日常 2 ( No.3 )
日時: 2011/09/03 16:19
名前: 葵 (ID: Ed6RPZhj)

一人で歩く帰り道

向かう先はもちろん自宅

それ以外に私が行ける場所なんてないから


風が強く吹き付ける

制服の長いスカートがひらひらと踊る

二つに括った長い髪が激しくなびき、私の視界を狭くした

空には分厚い灰色の雲がかかっていて、雨が降りそうだ


・・・可笑しいな、天気予報はずれちゃったのかな

今朝見た天気予報では一日中晴れるらしかったのに、どういうことだろう

天気予報を信用して、傘なんて持ってこなかった

急いで帰ろう、

そう思って、私は小走りで帰路を急いだ


ぽつ、ぽつ、

小さく細かい雨がコンクリートの地面を濡らし始めた

(・・・やばい、濡れちゃう)

私は足を更に速めたけれど、雨はどんどん強くなる


まだ半分も帰路を進んでいないというのに、雨は本降りになってきた

嵐が来てるんじゃないかってくらし、凄まじい雨と風

ざぁぁああ、っと雨が地面に打ちつけられ、大きな音を立てる


仕方なく、私は閉まっている店の屋根の下に入り、雨宿りすることにした

灰色の空をじっと見つめても、雨が止むどころか、だんだん強くなってきている気もする

(帰るしか、ないか)

そう思って屋根の下から出ようと思った、

その時



____ちゃりーん





綺麗な鈴の音が聞こえた



私はびくりと肩を揺らす

「、な、何?」

振り返ると、一冊の本が落ちている


あれ?参考書でも落としたのかな


そう思ってその本をかがんで拾う

だけど、真っ白な表紙のその本には見覚えがなかった

しおりにくっ付いているのか、鈴が本の下の方に顔を出していた

もともと置いてあった鈴が風に揺れて音を立てたんだろう、と一人で納得しながら、何気なく本のしおりが挟まっているページを開いてみる


「・・・・ぇ?」


真っ白

そのページが真っ白なのだ

表紙の次のページを見る

『・・真っ白』

ぺらぺらと他のページも開いてみるけれど、文字も絵も、何も載っておいなくて、

どのページも真っ白


私は再び表紙の次のページを開く


「っひ」

どうして?

なんで、なんでどうして??

どうして、文字が書いてあるの


さっき、書いてなかったよね?


「・・・選ばれし者の、冒険のお話」

私は書いてある文字をゆっくりと読み上げた

「一人の少女は、不思議な本を拾うのです」

不思議な本、と聞いて思い浮かべるのは、今私が持っているこの本だ

「・・・その不思議な本を作り上げるために、少女はたくさんの人に出会います」

中途半端なところで文字が途切れる

ぺらりをページをめくる

震える手を、なんとか動かした


「・・本を作り上げてください」


そして私はぎょっとした

先ほど読み上げた文字の下に、黒い文字がぼやりと浮かんできたのだ


【いってらっしゃいませ、選ばれし御方】


_____ぷつんッ




そこで私の意識は、最後のそんな文字を読み上げる暇もなく、意図的にシャットダウンされてしまった




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