二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【超電磁砲】メランコリック【NARUTO疾風伝】
- 日時: 2011/11/13 08:43
- 名前: 紋白蝶 (ID: hKAKjiZ3)
【超電磁砲】メランコリック【NARUTO疾風伝】にクリックしていただきありがとうございます!!
はじめまして、紋白蝶と申しますm(_ _)m
私が書こうと思っている小説は『とある科学の超電磁砲』の御坂美琴が『NARUTO疾風伝』にトリップする感じの小説です。なので、超電磁砲のほうは御坂さんしか出てきません。ついでに言うと、NARUTOはまだ暁さんがバリバリ生きています(`・ω・´)キリッ
ちなみにちなみに、題名の「メランコリック」というのはただ単に作者がこの曲が大好きなので題名にしただけなのです。
と、まぁ前置きから残念な感じの空気があるけれど・・・・・・あ、ちょ、ちょちょちょちょ、まだ戻るヤメテ!もうちょっと見てこうよ、ね?ね?
きっとこれから読者様の期待に応えることを書かせていただきますから!うん!←
†注意書き†
○荒らし・中傷ダメ—。
○コメントくださいぃぃぃぃぃぃぃ!!
○おもくそキャラ崩壊の可能性アリ。
○誤字脱字+駄文
・・・・・・・なんか、すごく平凡な注意書きになってしまったOrz
ホント、すいません。本編では頑張りますのでよろしくお願いします。
Page:1 2
- Re: 【超電磁砲】メランコリック【NARUTO疾風伝】 ( No.2 )
- 日時: 2011/11/13 15:36
- 名前: 紋白蝶 (ID: hKAKjiZ3)
「そうだ、お前のことは何も聞いていなかったな、うん。これだけすごい雷遁を使えるんだ、名前くらい覚えておいてやるよ。どこの里のモンだ」
「・・・・・あたしは忍者じゃなーーーーーーーいッ!!」
再び電気を辺りに放出しまくった。しまった。怒りに任せてやりすぎてしまった。だって、こんな森の中で迷子になっていきなり攻撃されて、挙句の果てには忍者だぁ?
「馬鹿にすんのも、大概にしろーーーーーーーーーッ!!」
「うわっ!!」
ドンガラガッシャーンッ
「あたしは、常盤台中学の御坂美琴!!分かった!?」
「トキワダイチュウガク・・・・・?なんだよそれ、どこの里だよ、うん?」
ていうか、なんでこのデイダラってヤツ、一向に電気が当たらないのよ!どんだけすばしっこいの?
「おい、デイダラ。少しこの女の話を聞こうぜ」
「はぁ?ちょっと待てよ旦那!これからがいいところなんだ、邪魔してんじゃねぇぞ、うん!」
旦那、と呼ばれているのはさっきの亀オバケだ。相変わらずどすのきいた低い声は聞くたびに驚かせる。
「話を聞いてからでもいいだろ。それに、お前はこの女には勝てない。雷遁使った時点で自分でも気づいただろ」
「ぐっ・・・・・」
私に勝てない?ていうかライトンって何?
よく分からないけれど、デイダラが木から降りてきて私の隣に来た。
本当になんなの、こいつら?
こうして彼らと話すこと30分。
まず、私は学園都市について説明した。そして能力のことも。
しかし、それらはこの世界では存在しないという。信じられなかった。だって、自分の住んでいたはずの場所が今じゃどこにも無くなっている。
そして、二人はこの世界について説明してくれた。どうやらこの世界は忍びの世界らしく、そこかしこに忍びがいるらしい。そしてチャクラという不思議な力や、術とか教えてくれた。
あと、二人は「暁」と呼ばれる組織に入っているらしく、暁は二人組で行動するのが原則らしい。
「・・・・・・という訳だ。分かったか?」
大体の説明をしてくれたのが、あの亀お化け、サソリ。
「うーん・・・・・。なんか信じられない・・・・・けど、目の前に忍者がいるから信じるしかないわよね・・・・・」
なんだか現実味がなかったが、これが現実。受け止めるしかない。
まさかとは思ったけれど・・・・・・自分が時空を超えて移動してきたのかもしれない。そう考えた方が自然だ。科学的根拠はないんだけど。
「ていうか、あたしは元の世界に帰れるのかしら・・・・・・」
「うん?帰りたいのか?」
「当たり前でしょ?あっちには友達もいるんだから」
そういって、黒子や初春さん、佐天さんの顔を思い浮かべる。なんだか懐かしいような気がしてたまらず孤独感が自分の中から湧き出てきた。
「ハッ!友達なんて、お前強いと思ったらまだまだガキだな」
「何よソレ!あんたの方が精神年齢低いじゃない!」
「うん!?オイラは19だぞ!」
「ウッソ、あたしより5歳年上!?それでその身長!?」
「なッ・・・・・・!!だ、旦那なんて、35歳のくせに164センチしかねーぞ、うん!」
「ああ!?体は15歳のままなんだよ!」
あんたはどこぞの名探偵かッ!
・・・・・・って、15歳?
「・・・・・・・どう見てもおじいちゃんなんだけど」
「バァカ、これは傀儡だ」
「傀儡?」
すると、亀の甲羅的部分がパカッと割れて、中から赤い髪の少年が現れた。
「本体は俺だ」
「—————————っええええええ!?」
めちゃくちゃ驚いた。だって、声がまるっきり違うし。
「傀儡ってのは指先から発するチャクラの糸で傀儡人形を自在に操ることができるんだ。まぁ、もっともこの「ヒルコ」は糸を必要としないけどな」
「ふ、ふぅん・・・・・」
ここで少し思いついたことを口走ってしまう。
「・・・・・どっちにしろ二人とも年の割には身長低くない?」
あ、なんか二人ともうつむいちゃった。言い過ぎたかな?
「こ、この女、本当に失礼な奴だな・・・・・」
「ご、ごめんごめん。え、ええと、ああそうだ!私、もっと暁について知りたいな?お、教えてくれる?」
「教えるっつったって・・・・・・じかに会った方が手っ取り早いよな、うん」
「まぁ、確かにな。それに、コイツ強いしうまくいけば仲間になるかもな」
「へっ!?な、仲間?」
そこまでは言ってない!
「なんだよ、お前仲間がほしいんじゃないのか、うん?」
「ウチは強くて物わかりのいい奴なら大歓迎だ。リーダーも気に入ってくれるんじゃないか?」
うーん・・・・・・なんか、そこまで言われると断りづらいような・・・・・。
でも、もしかしたら暁になら私が元の世界に戻れる方法を見つけられるかもしれない。根拠はないけれど、何もしないよりはマシだろう。
「じゃあ・・・・・行くだけ行ってみたいかな?何より、もとの世界に戻れる方法も見つかるかもしれないし」
「それもそうだな。リーダーなら何か知っているかもしれない」
リーダー。さっきの話に出てきた。確かペインとかって名前の人。
- Re: 【超電磁砲】メランコリック【NARUTO疾風伝】 ( No.3 )
- 日時: 2011/11/13 17:41
- 名前: 紋白蝶 (ID: hKAKjiZ3)
「よし、じゃあ、とりあえずアジトに話をつけにいくぞ」
「・・・・・・何するの?」
いきなり二人が胡坐をかいて目を閉じ始めるものだから引いてしまう。
サソリがめんどくさそうに説明した。
「チャクラを練って、通信するんだよ。・・・・・ああ、お前はできないか」
すると、サソリが手を差し伸べてきた。
・・・・・・これって、手を握れってことよね?
「・・・・・なんで顔を赤くしてんだ?」
「なッ・・・・・!!べっ、別に照れてないんだからッ!」
「はぁ?そんなこと言ってねぇよ。ホントめんどくさいやつだな」
「うっ、うるさいわねッ!つ、つつつなげばいいんでしょッ!」
おそるおそるサソリの手へ伸ばす。
「・・・・・・おい、手が震えてるぞ」
「うっうるさいッ!」
「早くしろよ、うん」
なんでこいつら異性っていうのを気にしない訳!?
だって、いきなり手を差し伸べられたら、その、なんというか、どう反応していいかわからないじゃないッ!
ヴン
突然辺りが暗くなった。な、何?
「・・・・その女はなんだ、サソリ」
見知らぬ男の声。たぶん、リーダーのペインだろう。
「実はこの女・・・・・」
そしてサソリが説明を始める。となりでデイダラはつまんなそうに話が終わるのを待っていた。
なんだか初対面の人にここまでしてもらって悪い気もするけれど、まぁとりあえずお礼は後でちゃんと言おう。
「なるほど、別世界から・・・・・・」
ペインは一通りサソリの説明を聞いて納得した感じだった。
「あのォ、もとの世界に戻る方法とかないですかね・・・・・・?」
「さあ、俺には分からんな。でも、そのうちヒョイと戻れるようになるんじゃないのか?」
意外に適当だな、このリーダー。
「おい、リーダー。この女、見た目と違ってかなり強いぜ?うん。雷遁を使いやがる」
「だから雷遁じゃなくて超電磁砲だって・・・・・・」
「デイダラ、お前まさか負けたのか?」
「はぁ!?負けてねぇよ、うん!」
あたしの話は無視かい!
「まぁ、強いなら大歓迎だ。だが、それを証明しなくては何の意味もない」
「ふぅん。じゃあ、ここで力を示せって訳ね」
電気を少しずつ、外に放出していく。
しかし、それをペインは手で制止させろと合図する。
「仲間内で争うのは避けたい」
まぁ、ごもっともか。
「じゃあ・・・・・・どうやって証明するのよ?」
「そうだな・・・・・・暁の仕事の手伝いをする、のはどうだ?」
「仕事?仕事って?」
まぁ、組織なのだから何らかの活動はしているんだろうけど、そういえばサソリから詳しく聞かなかったな。「あちこちで犯罪を犯している」なんてジョークしかしてくれなかったし。
大体、あんたらは犯罪者っぽくないし、第一犯罪を起こすやつが人を助けるわけないでしょ。
「尾獣狩りだ」
「ビジュウガリ?」
なんだそりゃ。
「この世界には、尾獣という世にも不思議な化け物を体に宿す者がいる。その化け物が尾獣。宿している者を人柱力、と呼んでいる。我々暁は、その尾獣を回収している」
そうなんだ。
化け物っていうくらいなんだから危険なんだろう。それを回収するってことは結局良いことしてんじゃん。何が犯罪よ。
「分かったわ。手伝う」
「いいのか?」
「もちろん。それに、この二人にはいろいろ世話になっているところもあるし、借りは返さなくちゃ」
「そうか・・・・・・・」
この時の私は知らなかった。
尾獣狩りというのが——————————本当にどういうものなのか。
- Re: 【超電磁砲】メランコリック【NARUTO疾風伝】 ( No.4 )
- 日時: 2011/11/13 19:06
- 名前: 紋白蝶 (ID: hKAKjiZ3)
忍の世界に来て1週間が経った。
私はもうここの世界に早くも慣れ始めていた。
野宿だったり、旅館に泊まったりいろいろだった。けれど、もうなんだか慣れた。いつもやわらかいベッドに寝て暮らしていると、こういうアウトドアの生活がとても新鮮に感じられた。
「そろそろ着くな・・・・・・」
「ああ、砂の里、だっけ?」
今、私とデイダラとサソリの目的地は風の国、砂の里だ。サソリの故郷らしい。それにしてはあまり楽しそうな表情ではなかった。
サソリが言うには、今の里長、我愛羅という人が人柱力。その人を捕まえればいいそうだ。
「でも、里長なのに拉致して大丈夫なの?」
「いいんだよ、別に。あの里の長はロクな奴が為らない。・・・・・俺の時もそうだった」
「!・・・・・・そっか・・・・・」
何か辛い過去でもあるのかな。サソリはあまり故郷の話をしたがらなかった。
だから私も何も聞かないようにしていた。誰だって、何も知らない奴に自分の辛い部分を見せたくない。
「着いたな、うん。ここが砂の里だ」
デイダラは楽しげにつぶやいた。
「そのシリーズだけで大丈夫なのか?」
「大丈夫だろ。なんたって、今回は———————」
デイダラは袋に手を突っ込み、そしてあの起爆粘土の造形品を取り出す。
「一尾だからな」
そういってデイダラは起爆粘土を投げると、その粘土は形を大きくし、大きな鳥の姿へと変えた。
「どうだ?オイラの芸術作品は」
「あんまり待たせるんじゃねぇぞ。俺は待つのが嫌いなんだ」
「・・・・・・ねぇ、デイダラだけで大丈夫なの?」
いくらデイダラが強いと言っても、尾獣も強いはずだ。里長となればなおさらだ。
「大丈夫に決まってんだろ、うん。美琴は絶対に手を出すなよ?」
「分かってるけど・・・・・・」
いまいち不安がぬぐえなかった。
それから、このもやもやとした気持ち。なんだろう?
「それじゃあ、隠密活動開始だ、うん。」
二人の立てた作戦は私は詳しく聞かされていない。とりあえず、私は必要な時に援護すればいいと聞かされているけれど・・・・・。
「そうだ、美琴。コレ」
サソリに何かを投げつけられる。ソレは思い切り顔面に投げつけられた。
「なっ何コレっ!・・・・・・・!!」
一番最初に目に入ったのは黒。そして赤い雲。暁の装束だ。
「コレ、私に・・・・・・?」
「ああ。お前も仲間だからな」
「!・・・・・ありがとう、サソリ」
装束に手を通す。ふかふかとした感触。温かかった。
事態は急速に展開していった。
予想以上に早く、我愛羅にバレてしまった。
早くもデイダラと我愛羅の戦闘が始まる。
「砂・・・・・」
我愛羅は砂を操っていた。デイダラはその砂をお得意の起爆粘土で華麗に避けていく。しかし、防戦一方で我愛羅のほうが優位に立っている。
「〜〜〜〜やっぱり、あたしも・・・・・・」
「ダメだ。お前は見てろ」
「でも、二人でやったほうが」
「ダメだ。デイダラを待つんだ」
下唇を噛む。
デイダラなら大丈夫。そう自分に言い聞かせた。
しかし——————————。
砂が、デイダラの腕をとらえた。
腕が砂によって握りつぶされ、血が出ているのが見える。
「デイダラッ!!」
「待て、美琴!」
デイダラのもとへかけて行こうとする私を、またもサソリが止めた。
「サソリ!助けなきゃデイダラは」
「あいつの顔を見ろ」
なんで今そんなことを!
と、思ったが、口を閉じた。
デイダラは笑っていた。まるで——————。
「自分の勝利をまだ、確信しているみたい・・・・・・」
「ああ。————デイダラが勝つだろうな」
そうだ。
サソリはデイダラと一緒に過ごした日々が私よりも長い。なのに私は知ったかぶったようにすぐに手を出して。
馬鹿みたい。
信じればいいのに。
「ごめん・・・・・・」
「なんで謝るんだよ」
「・・・・・・そうよね。うん、なんでもない」
この後、デイダラは見事に逆転勝利をした。
だけど——————。
我愛羅の敗因は、里を護ろうとしたことだった。
デイダラが投げた起爆粘土を、我愛羅は里に当たらないように砂でガードしていた。その隙を、デイダラが突いた。そして捕まる間際も、砂を里に落とさないように移動させた。最後の死力を振り絞って。
「デイダラ、腕大丈夫なの?」
我愛羅とともに帰ってきたデイダラの腕を見る。腕は、もう使い物にならなかった。
「ま、こんなもん大丈夫だ、うん。角都にくっつけてもらえば」
「カクズ?」
「ああ、美琴は知らないか、うん。角都ってのは同じ暁のメンバーだ」
「へぇ」
そして次に我愛羅を見る。
「・・・・・・この人、悪い人じゃないよね」
「・・・・・さぁな」
サソリは短く答えた。
「待ちやがれッ!!」
声がした。だいぶ走ったのだろう、息が切れている。
見ると歌舞伎のようなメイクを施した黒装束の男が立っていた。
「我愛羅を、我愛羅を返しやがれ!」
「無理に決まってんだろ、そんなの、うん」
これって、仕方ないことなのかな?
もし。もし、私とこの黒装束の人の体場が逆だったら、私も同じことをしていたんじゃないかな。
それでも、何も知らない私に、何が正しいのかなんて言う権利はない。
「デイダラ、先に行ってろ。美琴、お前もだ」
サソリがそう指示した。
デイダラは自分の作りだした造形品に乗っている。
「ホラ、いくぞ。美琴」
「・・・・・・。」
私はデイダラの造形品に乗って、砂の里を去った。
- Re: 【超電磁砲】メランコリック【NARUTO疾風伝】 ( No.5 )
- 日時: 2011/11/13 21:30
- 名前: 紋白蝶 (ID: hKAKjiZ3)
「っ・・・・・・」
「デイダラ!・・・・そうだ、傷の手当てしなきゃ!」
私は急いで止血の処置を始める。
「ああ・・・・・悪いな、美琴」
「・・・・・・ねぇ、デイダラ。せっかくいい人が里長になったのに、いいのかな?」
「さぁな。砂の国のことは、旦那に聞いてくれ、うん。ていうか、お前後からそんなこと言うなよ。腕取れたとき結構痛かったんだからな、うん」
そうだ、その通りだ。
終わってから文句を垂れるなんて虫が良すぎたよね。
「ごめん・・・・・デイダラ」
「・・・・・・嫌だったらやめていいんだぞ?」
尾獣狩りのことだろう。
私は首を横にぶんぶん振った。
「大丈夫!あたしも、頑張るから」
「・・・・・・・」
サソリはすぐに帰ってきた。
「アジトに一尾を送る」
これはチャクラを練ってやる仕事なので、それができない私はずっと荷物当番だった。
天気は晴れなのに、何も気持ち良くなかった。
「よし・・・・・・完了っと」
デイダラは大きく伸びをした。
「ねぇ・・・・・これからどうするの?」
「とりあえず、このまま九尾狩りだな。」
やっぱり、尾獣を狩るのか・・・・・。
「・・・・・不服そうだな。やめておくか?」
「っ!その・・・・・もっといい方法はないのかなぁって思って。無理矢理拉致をするんじゃなくて、もっと互いが納得のいく方法を・・・・」
「そりゃ無理だ。お前の住んでる世界ってのはそんなに平和ボケしてんのか?うん」
「!・・・・・・」
この世界にはこの世界の常識がある。私には私の世界の常識がある。ここと学園都市は違うんだ。無理矢理こちらの常識を当てはめるなんてこと、しちゃいけない。
「・・・・・・ううん、やっぱなんでもない。じゃ、行こうよ。その九尾ってのはどこにいるの?」
「・・・・・イタチの話じゃこっちに向かっているらしい」
「こっちに!?なんでよ」
「どうやら九尾は一尾の奴を取り返したいらしい」
デイダラの足元で気絶している我愛羅を見る。
この人を?なんで?砂の里の人かな?
「いや、相手は木の葉の里らしい」
「で?俺らはただ待ち伏せしてればいいのか、うん?」
「ダミーの仕掛けてある場所に誘い込む。とりあえず今はそこまで移動だ」
「そういえば、お前の住んでた世界ってどんなだった、うん?」
移動中にデイダラがそんなことを聞いてきた。
あたしはいろいろな人たちを思い浮かべる。
「うーん・・・・・科学がすごく発達していて、でも変な奴らばっかりよ?能力が全然効かないバカもいるし」
「能力が効かない?」
「そ。あたしの電気も全部相殺されるし」
「・・・・・・なんか強そうだな、うん」
「強くなんかないわよ!あたしだってあいつに負けたことないんだからっ」
ちょっと思い当たる節があってあわててもみ消す。
「それでもまぁ——————いい人ばかりだよ」
「ふぅん」
「おい、着いたぞ」
そこは岩の洞窟だった。
「ねぇ、ここで何するつもり?」
「待ち伏せだって言っただろ」
どんどん洞窟に入っていく。しかし、中は広く大ホール並みの広さがあった。
「それじゃあ、待ち伏せだ」
「えッいきなり!?」
「もうそろそろ来るはずだろうからな」
「じゃあ、美琴は外で待機だな、うん」
「ちょい待ち!!なんであたしだけ待機なのよ!」
「大人数で来てるらしいから、多分分かれて戦うことになる。そうなったらめんどうだから、あらかじめ美琴は外で待機。デイダラか俺が外に出てきたら応戦しろ。いいな?」
サソリに促されてしぶしぶ頷く。
仕方なく外で待機することになった。
外はやっぱり晴れていた。青々とした空がどこまでも続く。
「黒子達何やってるかなぁ・・・・・・」
心配して探しているとか?
我愛羅はどうなるんだろう?
ちゃんと砂の里に返されるのだろうか?それだったらなんでわざわざ取り返しに来るんだろう?戦わなくてもいいんじゃないの?
九尾——————何者なんだろう。どういう人なんだろう。我愛羅みたいに、いい人だったらなんか嫌だな。
と、その時——————。
ドォンンンンン!!
大きな音が聞こえた。まるで、岩が破壊されたような音。崩れていく音が聞こえてくる。もしかして、全部のトラップを突破してきたの!?意外にやるじゃない・・・・・・。サソリたちは大丈夫かな・・・・?
しばらくしてから粘土の造形品に乗ったデイダラが現れた。
「行くぞ、美琴!乗れ!」
「分かった!」
パッとデイダラの造形品に飛び移る。
後から追いかけてきたのはなんと黄色い髪の少年と、銀髪の男。
「ねぇっ、サソリは!?」
「旦那ならババアと女を相手してる。美琴。あの黄色いやつが九尾だ、うん」
「!あれが・・・・・・」
もう一度黄色い髪の少年を見る。なんだか、怖かった。恐ろしい形相でこちらを睨んでいる。一方の銀髪の男は静かにこちらを見ていた。
「あの銀髪の方ははたけカカシだ、うん。写輪眼を使う。」
「シャリンガン?」
「イタチと同じ瞳術だ。あいつが一番厄介だから気をつけろ、うん」
「なるほどね・・・・・・で、どうするの?」
「どうするって・・・・・・もちろん九尾の方は確保しなきゃって・・・・・・お前何するつもりだ、うん?」
「どうって・・・・・・こうするに決まってんでしょ!!」
電気を一点に集中して、二人に向かって放出する。死なない程度の電圧だからまぁ大丈夫でしょッ!!
バリバリバリィッ!!
近くの岩や木は、電気によって形を無くしていく。
「・・・・・すばしっこい奴らね」
「・・・・・お前、ホント恐ろしい奴だな、うん」
「ぐッ・・・・・!!な、なんなんだってばよ、あの子!」
「凄い雷遁だ・・・・・・。俺の雷切の数十倍の威力はあるんじゃないか・・・・・・?」
「なあ、先生!あの子、何の印もしてなかったぞ!?どうなってんだってばよ!」
「・・・・・分からない。とにかく気をつけろ」
どうやら様子を見るらしく、しばらく攻撃してこなくなった。
「ねぇ、どうするの?攻撃してこないけど!」
「・・・・・・フン。あっちが攻撃するまで待てばいいさ、うん。いずれ何か仕掛けてくる」
デイダラの言うとおりだった。
攻撃を仕掛けてきたのは銀髪の男の方だ。
いきなり空間がゆがみ始めたのだ。
「なッ・・・・何コレ!?」
「空間が・・・・・まさか、あの写輪眼、空間まで操れるのかよ、うん」
のんきに人の能力解説している場合じゃないでしょ!
「くぅッ・・・・・・このォッ!!」
キィン・・・・・・
コインを宙へ弾く。
「音速3倍以上の超電磁砲———————避けられるもんなら避けてみなさいッ!!」
ゴォォォォァァァァァッ!!
- Re: 【超電磁砲】メランコリック【NARUTO疾風伝】 ( No.6 )
- 日時: 2011/11/14 10:08
- 名前: 紋白蝶 (ID: hKAKjiZ3)
「やった!?」
「空間は戻ったな・・・・・対象が見えなきゃ発動できない術なのか?」
「どういうこと?」
デイダラはしばらく考えて、それから口を開く。
「あの術は、多分空間ごと対象を引きずり込む術だ。まともに食らえば確実に死んでたな・・・・・」
ごくり、とつばを飲み込む。
今までいろんな能力を見てきた。しかし、そんな能力は初めてだ。
「ッ!?また・・・・・・」
再び空間がゆがみ始める。
しかも、今度はもっと強力な気がした。
「ぐ・・・・・・クソッ!!」
「なっ・・・・!!」
デイダラが、私を造形品の上から下へ突き落した。
落下地点は森だったので、木々を何本もおりながら、大きな幹に思い切り体を打ち付ける。
「ちょっとデイ・・・・・・!!」
息をのんだ。
デイダラの残りの腕が、空間ごと引きちぎられた。つんざくようなデイダラの悲鳴。それがいつまでも耳に残る。
デイダラは私と違う場所に落ちて行った。幸いなことに森なので、衝撃は和らげられただろう。
それでも———————————。
「よくも・・・・・あたしの仲間をッ!!」
バチッバチバチッ・・・・・・
ドガァァァァァァァァン!!
かなりの放出量で、あの二人に向かって電気を放出した。
少なくとも何らかのダメージは受けているはずだ。
そして急いでデイダラを探しに行く。
「デイダラッ!!無事!?」
「ああ・・・・美琴か。お前、まだあんな電撃だせんのか、うん・・・・・」
「そんなことはどうでもいいッ!それより・・・・・腕・・・・・」
両腕を無くしてしまっている。
しかし、デイダラは大して気にしていないようだった。
「だから、角都にくっつけてもらえばなんの問題はねぇっての、うん。それよりも、無くしちまった指輪の方は探さなきゃな・・・・・・・」
「そっちこそどうでもいいでしょッ!」
「で・・・・・あの二人はどこに行きやがった?」
「さあ、知らない。その辺で伸びてんじゃない?
「はぁ?適当なこと言ってんじゃねぇよ、うん。しょうがねぇ、俺が様子見てくるからお前は俺の腕を探していてくれ、うん」
「ちょ、ちょっと何言ってんのよ!あんたが言っても何もできないじゃない!」
「あのなぁ、俺が腕を見つけたとしてもどうすることもできねぇだろ」
「う・・・・・・」
「様子見てくるだけだ。特に何もしねぇよ。九尾は今回は見逃す」
デイダラが呆れたような口調で行ってしまった。
しかたない、腕を探すか。どうせ、あんな電撃をまともに食らって普通でいられるはずないし、とりあえず大丈夫か。
「指輪って・・・・・そんなに大事なのかなぁ?」
そんなことを呟きながら周囲を注意深く探していく。
と、その時。
ドォォォォォン!!
大きな音がした。
驚いて振り返る。何か嫌な胸騒ぎがしてならない。
たまらず音のした方向へ駆けていく。
「ッ—————————————!!」
言葉が出なかった。
まがまがしい化け物だった。それがあの黄色い髪の少年だと気付くのに少しかかった。
体の周りからは赤い何かが出ていて、よく分からないけれど恐ろしいものだというのが第六感で感じた。
「何・・・・・・コレ・・・・・・」
「ったく、なんでお前までこっちに来てんだよ、うん」
「デ、デイダラッ!!」
デイダラは口から血を流していた。
「それ、もしかして・・・・・・」
「ああ、あの九尾にやられた。驚いた、あんなにも強大な力なんだな、うん」
「あれが・・・・・・・尾獣」
「ああ・・・・・・・そうだ」
もしかしたら尾獣というのは私が想像しているモノよりもずっと恐ろしいものなんじゃないのか、と今改めて感じた。
「ッ!!あれは・・・・・・・・」
デイダラが目を丸くした。その方向には、ピンク色の守をした少女と老婆がいた。
凍りつく。
『旦那ならババアと女を相手してる。』
あの少女と老婆。
まさか———————————————。
「旦那が・・・・・・やられた・・・・・・・?」
デイダラは驚愕の色を浮かべていた。あたしもそうだった。
サソリが——————————死んだ。
なんて現実感のない言葉なんだろう。
「どうして・・・・・・・」
そんな言葉しか出てこない。
涙が、こみ上げてきた。
私はサソリのことなんて何も知らない。何があったのか、どれだけ強いのか、何を思っていたのか。
でも———————————私の大切な、仲間なのは知っている。
『ああ!?体は15歳のままなんだよ!』
『バァカ、これは傀儡だ』
『まぁ、確かにな。それに、コイツ強いしうまくいけば仲間になるかもな』
『・・・・・なんで顔を赤くしてんだ?』
『ああ。お前も仲間だからな』
サソリと交わした言葉がよみがえる。
「・・・・・・・行くぞ、美琴」
感情を押し殺したデイダラの声が耳元でささやかれる。
「・・・・・」
「ここにいたら捕まるのを待つようなもんだ。—————行くぞ・・・・!!」
デイダラの体が硬直した。
何?今度は——————————!!
後ろにいたのは忍び。四人いる。
「ごくろう、ネジ」
「別に苦労などしていない」
変な髪形の男と白い眼の男がそういった。
何。なんなの。
どこまで———————どこまで私たちを追い詰めれば気が済むのよ。
「なるほど、白眼か」
デイダラが隣でつぶやいた。
「イタチの写輪眼とどうなのか見比べたいところだが、今は逃げるのが先か」
「俺たちが逃がすと思————————!?」
バチッバチッ・・・・・・・
「ごめん、デイダラ」
「・・・・・・・?」
「あたしが頼り甲斐が無いから、サソリを死なせて・・・・・・」
「お前の所為じゃねぇよ、うん」
「・・・・・・でもね。もう、だれも死なせないから」
「これ以上私の大切な仲間を—————————————傷つけるなァッ!!」
バリバリバリッ!!!
最大放出量の電撃。
だけど、どれだけ頑張っても
サソリは戻ってこない。
「わあああああああああああああああああああああッ!!!!!」
ドガァァァァァァァァァァァァァン!!!!
物凄い電撃を放出した。最後に残るのは悲壮感。
「・・・・・・・美琴。今のうちに逃げるぞ」
私は力なくうなずいた。そしてデイダラの後について行った。
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