二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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*狼陛下の花嫁*【原作沿い】
日時: 2012/12/17 22:20
名前: 勾菜 (ID: eqvLcwt4)

はい、どうもはじめまして?おひさしぶりです?
まあ、勾菜です。
たくさん、書いててたまってても書きたいんで書きます←

今回は『狼陛下の花嫁』です!
ちなみに原作沿いです。

では注意事項!
・荒らし、チェンメ厳禁!
・更新はかたつむりレベル!
・途中で逃走するかも…
・スレ主の暴走+妄想的なものがある。つまり捏造!

以上の点に注意してくださいね!

*原作登場人物*
・汀 夕鈴:下級役人の娘。17歳。偶然、陛下の秘密を知ってしまったことから、断れないまま陛下の臨時花嫁の職に就くこととなる。
・珀 黎翔:白陽国国王陛下。通称「狼陛下」。21歳。即位後、早々に内乱制圧、内政粛清を行い、名実共に中央政治の実権を掌握する。その際の冷酷非情な振る舞いから「狼陛下」と呼ばれ、敵味方双方から恐れられる存在となる。
・李 順:陛下の側近で夕鈴の上司。24歳。陛下の秘密を知る者の一人。


ではではオリジナルです。

名前/読み:杜 紫音/と しおん
年齢:19
性格:優しくてしっかり者。おしとやか。親身になって話を聞いてくれるお姉さんみたいな人。
容姿:腰まである長い黒髪。蒼い瞳。
設定:陛下と李順に最も信頼されている。
   女官の中で唯一狼陛下の二面性を知っている。
   時々、隠密として行動することもある。
   後宮筆頭女官。


はじまり>>1
一話 >>2 >>3

Page:1



Re: *狼陛下の花嫁*【原作沿い】 ( No.1 )
日時: 2012/01/07 22:36
名前: 勾菜 (ID: EUu3Ud2H)

〜はじまり〜

それは唐突な出来事だった。
「陛下の後宮に臨時のお妃さま、でございますか?」
「ええ、まあ…一時の縁談避け、なんですけどね」
「だって、あの人たちうるさいんだもん」

ここは白陽国王宮のとある一室。
ひとりの女官と二人の男性が深刻な雰囲気で話し合いを進めている。

「それで…私は何をすれば…?」
「うん、君にはそのお妃の話し相手とか相談相手をしてほしいんだよ。
 全部秘密を知っているもの、としてね」
「そのお妃の事を知っているのは、私どもを除けば数人しかいないんですよ」
「…わかりました、では、後宮で準備をしてお待ちしております」
にこりと笑って彼女は快諾の意を示した。

彼女の名は杜 紫音。
後宮筆頭女官である。
そして、白陽国の王とその側近に最も信頼された女官である。
だからこういう重要な役割などを背負うことも多い。
実は隠密の仕事をすることもたまにある。
女官の中では唯一狼陛下の二面性を知った人物でもある。

「じゃあ、頼んだよ紫音」
「まあ、少しの間の辛抱です」
「御意にございます」

そのまま彼女はその部屋を足音も立てずに退室していった。

Re: *狼陛下の花嫁*【原作沿い】 ( No.2 )
日時: 2012/01/14 17:15
名前: 勾菜 (ID: YhNomJ/t)

〜第一話〜

白陽国の王宮——の、さらに奥。
茶髪の少女と黒髪の少女がその場を歩いていく。

「あのー、短期の王宮仕事って聞いて来たんですけど…」
「はい、そのように承っております。さ、こちらの部屋にございます」

そういって黒髪の少女は扉を開いた——…

*   *   *

(——誰か夢か幻だと言って)

「ええ、ですからこの一ヶ月間後宮でお務め頂きたいのですよ、汀 夕鈴殿」

(こんなことありえない)
ドクン、ドクンと心臓の音が響く。
夕鈴の頬につっと冷や汗が伝う。

「国王陛下の臨時花嫁として」

(冗っ談でしょう!?
 聞いてないわよそんな話〜〜!!父さん〜っっ!!)
『知人の紹介なんだが高賃金ですごく割のいい仕事があるらしい!』
(くわしい事は採用後…って、そりゃあちょっとあやしいとは思ったけどっ)
夕鈴の混乱をよそに話は進んでいく。

「詮索は一切無用。
 貴女は雇われている事を伏せ、表面上妃として暮らすだけです。
 そう難しい仕事ではではありません」
その言葉にさらに夕鈴は混乱を募らせる。
(難しくないとかの問題じゃない!あやしすぎる!おかしすぎる!)
彼女の姿ははたからでも分かるほどに小刻みに震えている。
(大体、よりによって相手があの冷酷非情で有名な『狼陛下』!?)
そんな彼女を覚めた目で『狼陛下』は一瞥する。
そして。
「…なんだ手を出してはいかんのか?」
その一言に夕鈴はびくっと体を固める。
李順がそれを丁寧に注意をする。
「短期間でお帰り頂く方です。跡継ぎ問題にでも発展してはのちのちめんどうですので」
そう言うと彼は意地悪く口元に笑みを浮かべ、夕鈴をその瞳にうつす。
「なんだ、つまらんな」

「せっかく愛らしい兎が来たものを」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
夕鈴はその言葉に最高潮の混乱に陥っていた。
(肉食なかんじだっ)

放心状態の彼女に代わって説明しましょう。
——『狼陛下』というのは即位後早々に国内で起きていた反乱を鎮圧し、荒れ果てていた中央政治を粛清した若き国王珀 黎翔の通称だ。

「ああ、それから夕鈴殿」
李順が声をかけるとふわりと心地よい香りがした。
その香りに誘われるようにゆっくりと彼女は顔を上げる。
夕鈴の目の前に同じよう跪いた黒髪の少女がいた。
その少女は先ほど彼女をここまで連れてきてくた女官だった。
「彼女は全ての事情を知っている、唯一の女官です。
 他にも女官はいますが、彼女だけ貴女の事情も知ってます。
 相談相手やら話相手やら貴女に付きあってくれますから」
そう言われた女官はゆっくりと顔を上げた。
「はじめまして、夕鈴様。私は杜紫音と申します。
 私でお役に立てることがございましたら、何でも申しつけてくださいませ」
そう言って花のかんばせを綻ばせた。


*紫音の『私』は「わたくし」と読んでください。

Re: *狼陛下の花嫁*【原作沿い】 ( No.3 )
日時: 2012/12/17 22:17
名前: 勾菜 (ID: eqvLcwt4)


ふらふらとしながら夕鈴は部屋から出た。
(…怖くて「ムリです」って言えなかった…)

夕鈴の頭の中に『金』という文字が溢れだす。
『あやしい』『こわい』という文字までが巡る。
(高賃金にはちがいないのよ。ああでも…)

そこでぴたりと夕鈴は足を止める。
だが、立ち止まったのはほんの数秒。

目に涙を浮かべながら夕鈴はバッと身をひるがえした。
(〜〜〜〜〜〜やっぱ辞めるって言ってこよう!……あっちのメガネの人に!)

ソロソロと夕鈴は先ほどの部屋へと足を進めていく。
(陛下がいたらまた次のときに…;;;)
鬱々とした気分で部屋の前にたどり着いたとき、夕鈴はふと自分の耳を疑った。

『てゆーかさぁ。この作戦僕が休むヒマなくない?』
(ん?;;)
『まだ気を抜かずに!人払いが済ませてあるとはいえ…』
『まったく、陛下も相変わらずでございますね』
(ん!?)
『えー、だってー』
『彼女にはそれ!ばれないで下さいよ!?』
(この声って)
『あ。それはもう遅いかもしれま…ってあぁ…』
狼陛下が扉を開く。

「あ」
(へ?)
互いに目をぱちくりとする。
あの狼陛下からは想像もできないほどに抜けている顔で。
夕鈴は唖然とした表情で。
「「————」」
「あ———————……ご」
「へい…へ?」
「めーん、李順ーー紫音ーー!お嫁さんまだいたよーー」
「あぁ…やっぱり、夕鈴様でしたか…」
「紫音殿…気づいてたのなら早く言ってください!あああ作戦がぁ…」
「だって…口をはさむ余裕がなかったんですもの…」
「やっちゃったー」
へらへらと笑っている狼陛下は夕鈴の知っている陛下のものではなかった。

冷酷非情な狼陛下。
そんな彼の姿はどこにもなくて。

((さっきの人と別人なんですけど!?!?))

夕鈴を混乱させた。


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