二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- その女、情報屋につき。 【ONEPIECE】 4話更新。
- 日時: 2012/12/31 09:08
- 名前: 麒麟 ◆kWzP/lVDhA (ID: 6xS.mLQu)
世の中には異質な存在と云うものが必ず有る。異質な存在が有ることで、異質ではない存在が引き立つのだ。
そんな、異質な女である彼女の名を、シヅキ。ワノ国では〝キモノ〟と呼ばれる類の衣服を身に纏い、クナイや手裏剣、不思議な術を使いこなす、忍者と呼べる存在。その力を活用し、情報屋を営んでいるのだ。海軍にも、海賊にも。あるいは、政府、天竜人。もしくは、山賊、暴力団、マフィア。そして、一般人。どんな立場の人間にも情報を高値で売る、情報屋。そんな彼女とワンピースを巡る彼らの話をしよう。
▼ attention!
01/一話完結型(時々長編)。
02/主人公は最強とまではいかずともそこそこ強い。逆ハーとまではいかずともそこそこ好かれている(一部例外有り)。
03/情報の取引相手として、時々オリキャラがでてくる。
04/殆どオリジナル。原作が出てくるのは稀(原作に忠実に進むので、頂上戦争でエースや白ひげが死なないというのはありえない。)。
05/亀更新だったり兎更新だったり。
▼ contents!
[setting!]
∟ >>6/シヅキ[忍者兼情報屋]
∟ >>8/コタロー[忍犬]
[feature!]
∟ >>2 >>7 >>9 >>10
▼ client!
∟蟻様/優騎那様
麒麟♀ WJ系の漫画は大体好きな厨二病&万年五月病患者。だるいめんどいつかれたが口癖なアホな奴。駄作製造機。
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- Re: その女、情報屋につき。 【ONEPIECE】 1話更新。 ( No.6 )
- 日時: 2012/08/11 13:28
- 名前: 麒麟 ◆kWzP/lVDhA (ID: mxpCGH6q)
- 参照: 登場人物。
▼ シヅキ 【黒い蜘蛛】
短くも長くもない肩につくかつかないかくらいの黒い髪をうなじのところで結っている。目は赤みがかった黒色。中性的で端正な顔立ち。男と云っても普通に通る。美人さん。黒いくのいちの着物を着て、クナイと手裏剣、忍刀、鎖鎌など、様々な武器を隠し持っている。忍者。諜報能力は人一倍優れている。情報屋。何事にも無関心。普通の人間が持っているような感情も持ち合わせてはいるが、反応が薄い。つまり感情の浮き沈みが少ない。いらない情報はすぐ消すので、無駄だと思う人名や情報は殆ど覚えていない都合のいい性格。冷静沈着だが、意外に人情に熱いところもある。ワノ国の出身ではない。出身国は不明。物語が進めばわかるかもしれない。得意な忍術は、幻術や妖術と影を使う術の類。姑息でずるい、頭を使った戦闘を得意とするため。
・ ・・
2月10日生まれ(ニンジュツ)。164㎝。ちっさいのを気にしている。
自らの二つ名はあまり好きではない。というか虫が嫌いなので。キレると暴言と敬語が交じった可笑しい口調になる。
『情報ですか? 情報によりますが、10万ベリーからで御座います。』
『面倒くさいことに関わるのは御免ですので、これにてドロン。』
『……今、私を小さいと、申しましたか? ああそうですかそうですね小さくてすみませんでした! さあ、さっさと歯ァ食い縛りやがれです!』
- Re: その女、情報屋につき。 【ONEPIECE】 設定更新。 ( No.7 )
- 日時: 2012/08/13 17:59
- 名前: 麒麟 ◆kWzP/lVDhA (ID: mxpCGH6q)
「——センゴク元帥殿!」
慌てたような海兵の声が、廊下に響き渡った。「正義」と記された白いコートが、窓から吹き抜けてくる風に揺れる。センゴクは、海兵の声を背に受けて、振り返った。海兵が、息も絶え絶えに、センゴクの元で止まる。
「例の情報屋の件ですが——引き受ける、と! ですが、海賊の情報に関しては危険を伴うので、100万ベリーからだと仰っていました!」
「そうか…。それで、“黒い蜘蛛”は今から?」
「はい! もうすぐに本部に着くということです!」
海兵が、敬礼しながらそう言葉を紡ぐと、バリーンッとガラスが割れる音が響き渡った。どうやら、センゴクの部屋のガラスらしい。海賊の奇襲かと、周りの海兵が慌てふためいている。
「……正面口から来いと何度も云っておるのに…!」
センゴクは、やれやれと云う様に首を横に振り、頭を抱えた。きっと、犯人は“黒い蜘蛛”であろう。あの女は、いつもマトモに本部に入ってこない。確か、面倒だからだと云っていた様に思う。センゴクは、海兵に「ご苦労だったな」と一言告げると、コートをひるがして部屋へと向かっていった。
***
「あ、お邪魔してます。」
「シヅキ…! おまえ、正面口から入れと云っただろう…!」
怒りをあらわにするセンゴクを、まあまあと宥めながら、シヅキはお茶を啜った。どうやらたまたまセンゴクの部屋に居たガープから、貰ったものらしい。ガープは数分前に出て行ったのだと、シヅキは云う。
「ダウト海賊団の情報でしたよね。料金は後払いで、満足出来なかった場合は追加情報も承ります。」
「……。」
無言は肯定の証だと勝手に解釈して、シヅキは目を瞑った。どうやら頭の中を整理しているらしかった。目を閉じたまま、シヅキは口を開く。そのままつらつらと情報を並び立てた。
「船員全員が南の海出身の、ダウト海賊団-総合賞金額3億1400万-は、只今現在シャボンディ諸島にいる模様です。1番ドッグに着けている船の中にはアラバスタ、ウォーターセブンにて攫ってきた人質がいます。重火器小火器共に59器あるようです。船長のルックとその一行は11番GRの“バー・ウェンディ”に。副船長のセルディバードンは13番GRの“シャッキー'S ぼったくりBAR”でぼったくりに合っています。ルックはモーニングスターという武器を使いますので近距離で戦闘するのは危険です。遠方からの狙撃で弱らせてから捕まえるのが妥当かと。セルディバードンはもっぱら銃を使うようですので、自然系の能力者を前線に出し、バズーカ砲、または腕の立つ剣士に銃を破壊させ、あとは一斉攻撃。他の船員は悪魔の実の能力で攻撃してください。ルックとセルディバードンを倒せばあとは楽勝です。…以上。」
シヅキは、淡々と同じ口調で噛まずに言い終えると、センゴクに向き直った。センゴクは、顎に手を添えて唸っている。シヅキは、その姿を見ながら、お茶を啜った。
「100万ベリーからといいましたが、其処まで危険な任務でもありませんでしたので、80万ベリーで結構です。他に何かありますか。」
「ああ。…役に立った。すぐ海兵に行かせる。」
センゴクは、柔く微笑むと、あらかじめ用意していたお金の束をシヅキに渡した。シヅキはお金を、ひぃふぅみぃ…と数えると、「確かに」と懐にしまう。
「また、頼まれてくれんか」
「勿論」
シヅキは、淡く微笑むと、割れたガラスから飛び立っていった。成程、あれが浮遊術というものか。センゴクは思う。
けれど、正面口から帰って貰えないだろうか。センゴクは苦笑を浮かべた。
- Re: その女、情報屋につき。 【ONEPIECE】 2話更新。 ( No.8 )
- 日時: 2012/08/13 18:09
- 名前: 麒麟 ◆kWzP/lVDhA (ID: mxpCGH6q)
▼ 虎太郎 [コタロー]♂
柴犬。忍犬。茶色の毛並みと黒いつぶらな瞳が特徴。隠密行動を得意とする。忍犬なので、人間や一回り小さい豆柴に変化できたりする。シヅキのパートナー。喋ることが出来る(表示は『』)。一人称は「おれ」、二人称は「おまえ」。見かけによらず口が悪い。ツンデレ属性である。負けず嫌いな努力家。シヅキに凄く懐いている。
※人間に変化した場合《性格はそのまま。容姿が変わる。端正な顔立ちに、明るい茶色の髪とは対照的に白い肌。黒い着流しを着ている。しかし、滅多に人間に変化することはない。》
『おれの名はコタロー。おまえみたいな奴が気安く呼べる名ではねえ。』
『……シヅキを殺そうとする奴はおれが返り討ちにしてやらァ』
『…!おっ、おれを犬だからといって、ナメるんじゃねえ! 消炭にすんぞ!』
- Re: その女、情報屋につき。 【ONEPIECE】 2話更新。 ( No.9 )
- 日時: 2012/12/30 14:15
- 名前: 麒麟 ◆kWzP/lVDhA (ID: 6xS.mLQu)
『オイ。依頼だぜェ』と、パートナーである忍犬のコタローが言った。シヅキとコタローは今、海軍から支給された小船に乗って、どこまでも広がる青い海を旅していた。
普通ならば、偉大なる航路を小船などで渡るというのはかなり危険なのだが、“ニンジャ”であるシヅキには関係のないことであった。その上、シヅキは賞金首などではない。確かにシヅキは、海賊と接点はあるのだが、彼女の存在は海軍にも必要不可欠なのだから、その首に賞金を懸けるだなんて以ての外だった。
「依頼ねえ。誰からですか?」
シヅキは、考えるような素振りをした後、
「もしかして、エドさん?」
と、コタローに尋ねた。
『ああ、正解だ』コタローは、そのつぶらな瞳を細めて、自らの尻尾を真横に振る。『エドは半年に一回の割合で依頼してきやがるからな』
柴犬の身でありながら、挑発するようにニヒルに笑ったコタローを視界におさめながら、シヅキは苦笑を浮かべた。そして、自らの懐の中から、ある一枚の紙切れを取り出すと、それを懐かしげに眺めた。
「エドワード・ニューゲート。最強の、男からの依頼ですよ。気を引き締めていきましょう」
紙面には、白い豪快なひげを蓄えた、最強で最凶の男の姿が映されていた。
——
「グララララ……! そろそろあいつが来るぞォ! 宴の準備をしろォ!」
どっしりと、その常人よりも大きな身体を椅子に預け、男は豪快に笑った。ここは、白ひげ海賊団の、モビー・ディックと呼ばれる船の中。その船長、白ひげことエドワード・ニューゲートを慕う“息子たち”は、いそいそと宴の準備に取り掛かり始めた。
「オヤジ。あいつってもしや、“黒い蜘蛛”のことかい?」
奇妙な髪型をした男——名をマルコという——が、白ひげへと問いかける。すると、白ひげは、まるで鐘のごとく低く響く声で笑った後、片手に持った瓢箪の中身をごくごくと飲み干した。そして、“銘酒”と大きく達筆で書かれた瓢箪が、用済みだというように木でできた床へと投げられる。
「“黒い蜘蛛”か……。そういえば、そんな名もあったなァ! だが、あいつは大の虫嫌いだからなァ、普通に“シヅキ”と呼んでやれェ!」
「——わかったよい。久しぶりだなァ、半年ぶりだったかい」
「あァ」白ひげは、懐かしむように空を見上げた。「もうそんなに経つのか」
白ひげとマルコが、シヅキとの思い出に浸っていると、なにやら外が騒がしくなった。
「何だ!?」
「敵か!?」
「急にでやがった!」
「“黒い蜘蛛”じゃねェかありゃあ!」
と、叫び声。
どうやらいずれもこの半年の間に入った新人の声であるようだ。ならば、無理もない——。彼らは、シヅキのことを知らないのだから。
マルコは、そこまで考えて、苦笑を浮かべた。ここは、一番隊隊長である自分が治めなければならない。やれやれと、騒動の中心である場所へと向かわんとするマルコの背を見つつ、白ひげは言った。
「来やがったか……! シヅキ……!」
“エドさん”と笑う娘を、思う。
「エドさん、お久しぶりです」
『ケケケ、エド、半年ぶりじゃねェか』
白ひげは、笑った。
- Re: その女、情報屋につき。 【ONEPIECE】 3話更新。 ( No.10 )
- 日時: 2012/12/31 09:05
- 名前: 麒麟 ◆kWzP/lVDhA (ID: 6xS.mLQu)
「ふむ。スペード海賊団のポートガス・D・エースについて、ですか……。最近名を轟かせている若い海賊ですね。何でも七武海の勧誘を蹴ったとかで、三日前の新聞に載っていたのを覚えています」
そう言うシヅキの片手には、“火拳のエース”の手配書が握られていた。少しばかり癖のついた黒い髪、健康的な肌に映えるそばかす。シヅキは一度だけ、エースを見たことがあった。
あれは、冬島でのことだ。冬島に滞在する赤髪海賊団に、スペード海賊団が接触を試みたのだ。最初は何事かと思ったのだが、気配を殺して話を聞いてみれば、“ルフィ”という弟についてだった。
赤髪もエースも、ルフィのことを好いているらしく、暫く麦わら帽を被っているらしい彼の話題が続いた。
“ルフィ”という名は聞いたことがないのだが、どうやら海賊を目指しているらしく、麦わら帽子は赤髪から授かったものらしい。「いつか、立派な海賊になったら、返しに来い」と。
記憶を辿りながら、シヅキは目を細めた。それにしても、「ポートガス」か。前にも一度だけ、その名を聞いた。
——「ポートガス・D・ルージュ」
さてはて、エースが、ルージュの血縁者であることは間違いない。ルージュの弟という線はないに等しい。約20年前、海軍に、「ゴール・D・ロジャー」の調査を頼まれたときに、それは証明されている。つまり——、いたのだ。ロジャーとルージュが、命を懸けて産んだ子供が。
——それが、ポートガス・D・エース。
シヅキは、ちらりと横で寝転ぶコタローに目をやった。コタローも気づいたようで、ニヤリとニヒルに笑っている。
「——任せてください」
シヅキは、白ひげを見上げて、
「明日までには、深い情報を掴んでみせます」
と、言った。
「グラララ! じゃあ、頼んだぞォ!」
『ったりめーだろーが』コタローが、得意気に笑う。『おれたちをなめんなよエド!』
「はいはい、コタロー。もう帰りますよ。火拳の情報には個人的にも興味がありますからね」
白ひげにじゃれつくコタローの首根っこを掴んで、シヅキは踵を返した。途端に、ドロンと音が響いて、雲のようなものがシヅキを覆う。それに警戒した隊員たちが身構えるが、白ひげはそれを宥めて、目を細めた。雲が引くと、そこにシヅキはいなかった。
「はっ……!? ど、どこいったんだ……?」
と、慌てたように叫ぶ隊員を横目に、白ひげは豪快に笑う。
「グラララ……! 相変わらず、不思議な術を使う女だ……!」
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