二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.44 )
- 日時: 2009/11/27 09:33
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
【第二章 偶然という名の】
№17 夜のメール
ビン入りの牛乳を持って、左手を腰に当てる。
一度深く深呼吸をして、牛乳ビンを唇にあてて……
一気に飲み干した。
「ぷは—っ!やっぱ風呂上りの牛乳は良いねぇ! 」
オジン臭い台詞を言うあむ。
ラン、ミキ、スゥも持ち主と同じくミニサイズの牛乳ビンを飲み干している。
いったいどこからこんな小さな牛乳ビンを持ち出したのか。
「あむちゃん、ルナちゃんも聖夜小に入るんだよね? 」
無邪気に訊くラン。
「月曜日が楽しみですねぇ〜」
一瞬、あむは困ったように微笑むと、言った。
「うん。でもね……大丈夫なのかなぁって」
それにはもちろんルナが人間では無い事も含まれていたが、もう一つ心配な事があった。
(ルナのとこ、お金とか……大丈夫なのかな)
あむは、空になった牛乳ビンを机に置く。
その時に気がついた。
「メールがきてる……ややからだ」
ピンクの卵型のケータイが、ピカピカと光っていた。
ケータイを開き、受信BOXを開く。
「何て書いてあるの?あむちゃん」
ケータイを覗き込むしゅごキャラ達。
「えっと……明日ルナたんの歓迎会するから、あむちーの家に集合? 」
「勝手に決められてるね」
夕方に歓迎会をすると言っていたのは、どうやら本当の事らしい。
あむは、すぐに「絶対行く!」と返事を送った。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.45 )
- 日時: 2009/11/27 10:07
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
№18 歓迎会
翌日。
あむの家に集合したガーディアン達は、
ルナを迎えに行く班、そして部屋を飾りつけする班に分かれた。
あむと唯世は迎えに行く班、りま、やや、海里は飾りつけ班だ。
ルナの家、コーポ桃抜に着いた時、唯世は驚いて開いた口が塞がらないようだった。
外階段は錆びているし、アパートの裏側は蔦が絡み付いているし……。
とにかく、あむはルナの住む部屋——206号室——のインターホンを押した。
ギンゴン、と鳴るチャイム。
しばらくすると、パタパタと足音が近づき、扉が開いた。
「あれっ、あむちゃん? 」
出てきたのはルナだった。
「おはよ、ルナ。これからあたしの家で遊ぶんだけど、
ルナも来ない? 」
あむが訊くと、ルナは顔に満面の笑みを浮かべ、
「行ってもいいの?ありがとう」
とそのまま外に出た。
「スネリさんともっけさんは? 」
「出かけてるの。ついさっき出て行ったばかりなんだ」
ルナは、扉に鍵が掛かったのを確認すると、あむ、唯世の元に駆けた。
「ようこそ、歓迎会へ! 」
ルナが扉を開けた瞬間、パンパンとクラッカーが鳴った。
突然の事に驚いて、ルナはその場に固まる。
「ルナたんが聖夜小に来るお祝い! 」
ルナと同学年にあたるややは、ルナの細い右手を引く。
綺麗に飾り付けられたあむの部屋を見た瞬間、ルナは眼の奥に熱いものを感じた。
(私は妖怪なのに。それを知っても、こんな風にお祝いしてくれるんだ)
パーティなんて、最期にしたのはいつだろう。
多分、ルナ9歳の誕生日以来だった。
部屋の開け放たれた窓から、ゆるやかな風がルナの頬を撫でた。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.46 )
- 日時: 2009/11/27 10:28
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
№19 転校初日
「竜堂さん、緊張しなくて良いからねぇ」
「……はい」
そう返事はしたものの、内心ルナは緊張していた。
約1年半ぶりに通う小学校だ。
今までもっけに勉強は習っていたものの、それでもやはり怖かった。
唯世によって、ややと同じクラスに転校する事はできた。
(友達、出来るかな)
ルナは、スカートのポケットに入れておいた、五ぼう星のペンダントに触れた。
盗られてはいけないからと、朱雀、青龍から貰った品は置いてきている。
ただ、このペンダントだけは持っておきたかったのだ。
「今日は転校生がいますよ—」
一足先に入っていた先生の声と共に、教室では歓声が上がる。
「マジ? 男、女? 」
とか、
「どこからの転校生なの?」
とか、
「カッコいい男の子!? 」
など、えとせとら、えとせとら。
そんな教室の空気に耐えかねた先生が言う。
「はい、静かに!竜堂さん、入って」
ルナの心臓が跳ね上がる。
教室に入ると、皆の視線が体中に突き刺さるようで、怖かった。
「竜堂ルナです。よろしくお願いします」
少し声が震えているのが、何となくわかった。
「じゃあ、竜堂さんは結木さんの隣ね」
「はい」
ややの隣に座ると、ややが小さくピースサインをしてくれて、やっと心が軽くなった。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.47 )
- 日時: 2009/11/27 10:49
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
№20 お約束
休み時間。
転校生の周りには人だかりができるというのは、
ざらによくある話だ。
ルナの机の周りにも、黒い人だかりができていた。
お約束のように、質問攻めに逢うルナ。
「どこの小学校から来たの? 」
この質問に、ルナは困り果ててしまった。
ずっと学校には行っていないのだ。
前の学校の名前を言うのもなんとなく嫌だったので、
仕方なく適当に作った小学校の名前を言った。
「波群小学校だよ」
「ふうん……」
自分から質問したくせに、興味なさげに言うカールヘアの女の子。
ルナはほんの少し嫌な気分になった。
その時、いきなりの放送が入った。
声は唯世。
「これから、緊急ガーディアン総会を開きます。
至急体育館に集まってください」
(いよいよ、だ……)
ルナは、このガーディアン総会で、ガーディアンの新メンバーとして紹介される事になっている。
ルナは目立つのが嫌で拒否していたが、
スネリともっけに言われては、
二人に迷惑をかけてしまっている事を思って、
もう拒否できなかった。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.48 )
- 日時: 2009/11/27 11:12
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
№21 kindチェア
教室の前に並んでいた時、ルナは背後から声を掛けられた。
「君が竜堂ルナちゃんですか〜?」
間の抜けた、のんびりとした声。
ルナははい、と返事をして振り向いた。
天然パーマなのか唯の寝癖なのか分からない、オレンジ色の髪。
ヨレヨレになったネクタイ……。
ここにスネリがいたら、間違いなく説教されるような出で立ちだ。
「ややちゃんと一緒について来て〜」
言われるがまま、ややと一緒に着いて行ったのは、体育館だった。
そこには、あむ達ガーディアンが居て、ごそごそとマイクの点検をしたりしている。
ルナ達に気付いたあむは、駆け寄ってきた。
「二階堂先生!連れてきてくれたんだ」
このダメナオニイサンは、どうやらあむの担任なのかもしれない。
あむは先生にありがとう、と言うと、ルナとややをステージへと連れて行った。
「今日、ルナは此処で紹介されるから。そうだった…・・・よね? 唯世君」
「うん。僕が『kindチェア、竜堂ルナさん』て言ったら、
その場に立っておじぎしてね」
「かいんど……ちぇあ?」
訊きなれない言葉にルナが首を傾げると、横から海里が説明してくれた。
「kindとは、優しいなどの意味がある英語です」
「優しい……」
ルナが呟いた時、1年生達が入ってきた。
「———さぁ、始めようか」
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.49 )
- 日時: 2009/11/27 12:06
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
№22 紅茶とクッキー
放課後になると、ロイヤルガーデンに集まるのだとややが教えてくれた。
ロイヤルガーデンに来たのは、ルナとややが最期だった。
「遅れてごめんね〜」
あむ達が囲む白いテーブルの上には、紅茶とクッキーが用意されていた。
ルナの腹の虫が騒ぐ。
「そういえば、ルナ」
「へっ!? 」
クッキーに意識が飛んでいたルナは、思いっきり変な声を出してしまった。
「どうだった?転校初日は」
「あ……ガーディアンってすごいんだね。それだけで皆の私を見る眼が変わっちゃった」
ルナが言うと、あむは右手のひらをヒラヒラさせて答えた。
「あたしもだったけど、すぐに慣れるよ」
「あむちゃん始めの頃はガッチガチに緊張してたもんね—」
ランがおどけた調子で言うと、あむの顔はとたんにユデダコのように紅潮する。
それを見て、ルナは思わず吹き出してしまった。
ルナにつられて、笑い始める唯世達。
その時—
全員のしゅごキャラが、ある気配を捉えた。
「×キャラの気配だよ!」
身に覚えのない言葉に、ルナは首を傾げる。
しかし、あむ達の慌てように、只事ではないと感じ取った。
「×キャラって? 」
「持ち主が悩んだり、何かが嫌だって強く思った時、
ココロのたまごは×キャラになっちゃうの」
「はやく浄化しないと、何が起こるか分からない」
ガーディアン全員が外に出ようとした時、思わずルナは叫んでいた。
「待って!私にやらせてください」
皆に恩返しがしたい。
そう思った瞬間、言ってしまった言葉だった。
「皆に恩返しがしたいの。お願い、やらせて」
「でも……」
唯世が困惑した顔でルナを見る。
ダメだ、と口が開きかけた時、あむの声に遮られた。
「わかった。あたしとルナで行こう。唯世君、お願い」
唯世はしばらく黙っていたが、やがてふっと表情を緩めるた。
「わかった。頑張ってね」
「うん! 」
そう言うや、あむはルナの手を引き、外に飛び出した。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.50 )
- 日時: 2009/11/27 12:48
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
№23 ×キャラ
ロイヤルガーデンの外、中庭に×キャラはいた。
黒い人型に、赤い×をつけた×キャラをみて、
ルナは正直可愛いと思った。
×キャラから漏れ出す負のエネルギーには、たじろぐものがあったが。
「ミキ、キャラなり!」
あむは首もとの四つ葉を模ったハンプティ・ロックの前で四角を作ると、数回動かしながら唱えた。
「あたしのココロ、アンロック! 」
水色の光があむとミキを包み込む。
光が弾けるように消えると、あむはピースサインのようにした右手を頬の横で振り、ウインクする。
「キャラなり、アミュレットスペード! 」
あむの変身に見とれていたルナだったが、我に返るとスカートのポケットに入れておいたペンダントを首にかけ、りボンをほどいた。
「封印解除、第三の眼を開眼する! 」
ルナがうず目に変わるのを見計らったように、×キャラが攻撃を仕掛ける。
「算数……ムーリー!!!! 」
瞬間、×キャラから黒い気流に乗った数字が襲い掛かる。
超動体視力を得たルナは、あむと共にとびのく。
「ムリ——!!! 」
ルナの方が戦りやすいと思ったのか。
今度はルナ目がけて、黒い気流をはいた。
さきほどの物よりもはるかに大きい。
「ルナ、危ない! 」
ルナは右手でペンダントを掲げると、唱える。
「天の父と母よ。我が身を守りきたり、百鬼をして、我を中傷せしむることなし。急急如律令! 」
ペンダントから溢れた光が、気流を跳ね返す。
×キャラが体勢を崩した時、ルナは唱えた。
「天兵きたりて我を助け、符神をつくらせよ」
ルナの胸の前で掲げた両手の間に、和紙が浮かび上がる。
「万鬼伏蔵せよ。厭驚恐鬼符、急急如律令! 」
呪符が×キャラにはりつき、動きを止めた。
その瞬間、あむはハンプティ・ロックの前で手をハート型に組む。
「ネガティブハートにロックオン! 」
ハートに組んだ両手を、×キャラに向かって突き出す。
「オープンハート!! 」
「ムッ……ムリィ————……」
やがて、×キャラについていた赤い×が取れ、
本来のココロのたまご——白く美しい姿に変わる。
たまごは元の自分の持ち主を求め、去って行った。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.51 )
- 日時: 2009/11/27 12:50
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
『厭驚恐鬼符』は、
『おんきょうきょうきふ』と読みます。
読めない漢字があったら質問ください。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.52 )
- 日時: 2009/11/27 13:17
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
———+ルナ・あむ・作者の座談会+———
ル「始まりました、第二章! 」
あ「8話前には始まってたんだけどね……(作者を見る」
李「うっ;;だって忘れてたんだもん…・・・」
あ「ところでルナ、スネリさんともっけさんは?」
ル「用事があるから来れないって言ってた」
李(実はスネリともっけは……ゴニョゴニョ)
あ&ル
「これからも宜しくお願いします! 」
—————————————————END
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.53 )
- 日時: 2009/11/27 13:46
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
№24 現れたカムイ
数日前から、スネリともっけはアルバイトをしていた。
働き場所はそれぞれで違う。
もっけは聖夜小の近くの倉庫で9時から3時までのバイト、
スネリはよく行くスーパーでレジ打ちをしている。
その日、もっけのバイト先はいつもより忙しかった。
「もっけ君、これを第三資料室! 」
「これを片付けて! 」
うんぬんかんぬん。
腹の立つ人もいたけれど、ルナのためだと思えば不思議と我慢できた。
頼まれた資料を一人で運びながら、ぶちぶちと文句を言うもっけ。
その時だった。
「お前がもっけ? 」
上から降る声—。
とっさに上を向いた。
そこには、青い瞳を持つ少年、カムイが浮かんでいたのだ。
「てめぇ! 」
「俺は戦うつもりで来たんじゃねえよ。ただ確認しときたかっただけ」
カムイは邪悪な冷笑を浮かべた。
もっけの背筋に悪寒が走る。
「お前は妖怪の年齢ではまだ少年だよな」
カムイの言うとおり、もっけは妖怪の歳ではまだ少年だ。
高校生くらいの年齢にあたるはず。
「それがどうした」
「いや?……だったら、ココロのたまごもあるのか」
カムイが何を言っているのか、もっけはよく分からなかった。
ただ、脳裏に警告するものがある。
——逃げろ、と。
振り返り、走り去ろうとしたもっけだったが、
すでにカムイはそれを見抜いていた。
「出でよ、白き卵! 」
その瞬間—
もっけの胸元からフワリと浮かび上がるものがあった。
ココロのたまご。
それを抜かれたもっけは、とたんに目まいを感じ、その場に倒れこんだ。
「伝説の子は特別だから、たまごは抜く事ができなかったが……お前は違ったようだな」
そう言うや、カムイはもっけに左手を翳した。
もっけの体が、フッと消える。
「有意義に使わせてもらうよ。ふくろう妖怪のもっけさん」
そう言うと、カムイは、煙を残して消えていった。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.54 )
- 日時: 2009/11/27 14:20
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
次回予告
№25 もっけの異変
ココロのたまごが抜かれたもっけは、
何故か眠り続ける。
ガーディアン+ルナ&スネリは、カムイとライガを探すが—。
————————————————————————————
落ちます。
次の更新はかなり時間かかると思いますが…
宜しくお願いしますm(__)m
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.55 )
- 日時: 2009/11/28 11:30
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
№25 もっけの異変
「ただいま! 」
×キャラとの戦いを終えたルナは、元気に扉を開けた。
ルナが中に入るや、電光石火のようにスネリがやって来た。
額には冷や汗が浮かんでいる。
「ルナ、もっけが……!! 」
「えっ? 」
一瞬、もっけが行方不明にでもなったのかと思った。
ルナの背筋に悪寒が走る。
「買い物から帰ったらもっけがいて……ずっと眠りっぱなしなのよ。いずれ起きるだろうと思っていたんだけど、ダメ。叩いても起きない」
「どういうこと!? 」
ルナは思わずスネリを押しのけ、
もっけの眠る居間に入った。
もっけは人間姿のまま、まるで死んでしまったように眠っている。
「もっけ、もっけ! 」
必死にもっけの体を揺するが、もっけが目を覚ます気配は全く無い。
「ど……どうして……? 」
瞬間、脳裏にある人物の姿がうかぶ。
カムイとライガ——。
あの二人がもっけをこんな風にしたのでは無いか。
でも、一体何の為に。
「もっけ、起きてよ……」
目じりから涙が零れ落ちる。
その時——
ギンゴン、ギンゴン♪
ひび割れたチャイムの音が鳴る。
スネリは立ち上がると、玄関へ行き、扉を開けた。
「あむちゃん……? 」
「こんにちは。ルナが教科書忘れてたんで届けに来たんですけど」
あむが来た事を知ったルナは、慌てて涙を拭くと、
二人の元へ駆け寄った。
「ありがとう」
あむはルナに教科書を渡したとき、ルナの眼の下に涙の後がある事に気付いた。
「ルナ、もしかして泣いてた? どうしたの? 」
「……もっけが起きないの……」
一瞬、あむは「それだけか」と思った。
しかし、ルナがたったそれだけで泣くだろうか。
不思議になったあむは、家に上げさせて貰う事にした。
あおむけで眠っているもっけは、寝息こそ立ててはいるものの、微動だにしない。
すると、ラン、ミキ、スゥが、声を揃えて言った。
「ココロのたまごが抜かれてる! 」
「もっけのココロのたまごが……? 」
ココロのたまごが無理矢理抜かれたのならば、
そのたまごは×たまになる。
しかし、眠っているなんて、あむは一度も見たことがなかった。
×たまの持ち主は光の無いうつろの瞳をしているものの、ちゃんと会話したり、立ち歩いたりできるのだから。
眠っているという事は、もっけのたまごが×たまになっていないからなのか。
それとも、もっけが妖怪で、普通の人間では無いからなのか。
とにかく、こんな事をするのはあいつらしか居ない。
——そう、
カムイとライガだ。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.56 )
- 日時: 2009/11/28 14:42
- 名前: 双葉 (ID: ffzF7wsd)
- 参照: http://yoshi19@wind.com.ne.jp
こんにちゎ〜(^^)
とっても面白ぃですネ!!
しゅごキャラ!と妖怪ナビ・ルナゎ、全部持ってます!!
応援してるので、がんばってくださぃ!!
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.57 )
- 日時: 2009/11/28 15:18
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
>双葉さん
ありがとうございます!
私もナビ・ルナは小説・漫画全巻、
しゅごキャラは4巻まで持ってます。
これからもよろしくおねがいしますm(__)m
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.58 )
- 日時: 2009/11/28 15:47
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
最近、オリキャラ・原作キャラ(イクト・歌唄など)
も小説に出したいな〜と思っております^^
何かリクある人はコメください♪
では(@。>▽<)!
最終更新 11/28 3:50
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.59 )
- 日時: 2009/11/28 17:50
- 名前: 瑞沙 (ID: KMby.LnF)
ウチのスレにコメありがとうございます!
しゅごキャラもナビ・ルナも好きなんで、この組み合わせの小説はいいですね!
更新頑張ってください!!
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.60 )
- 日時: 2009/11/29 22:49
- 名前: 我流 (ID: ffzF7wsd)
はじめまして(。・ε・。)
我流と申します。
しゅごキャラ!と妖界ナビ・ルナの組み合わせって、面白いですネ!!
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.61 )
- 日時: 2009/11/29 23:08
- 名前: 我流 (ID: ffzF7wsd)
イクトと歌唄の登場について考えたんですケド(´∪`*)
★イクト→カムイ&ライガの戦いの中、あむの助っ人として登場。
★歌唄→テレビロケの最中偶然会う。
なんてどうですか???
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.62 )
- 日時: 2009/12/02 10:31
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
>瑞沙さん
コメありがとうございます!
しゅごキャラとナビ・ルナの合作は、
ネットにもいろいろあるので便乗したダケですよ(^_^;)
こんな駄作にありがとうございます(^^♪
>我流さん
はじめまして!
コメントありがとうございます。
イクト&歌唄の登場シーン……
使わせてもらってもよろしいでしょうか?
アイディアありがとうございます(^^♪
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.63 )
- 日時: 2009/12/02 11:28
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
№26 初雪
—翌日、放課後
その日は大寒波の影響で、初秋にも関わらず、
ちらちらと雪が舞っていた。
雪といっても、みぞれ交じりのものなので、積もることはまず無い。
そんな中でも、ロイヤルガーデンでの話し合いはあった。
白い椅子につき、不安そうに俯くルナに、あむはとびっきりの笑顔を向けた。
「ルナ、大丈夫だよ。きっと見つけ出すから」
「……うん……」
あむを見上げたルナの瞳には、うっすらと涙が溜まっている。
もっけの事が心配でたまらないのだろう。
「もっけさんのココロのたまご……。抜き取ったのはやっぱりカムイとライガなのかな」
「そうだと思う。でも……もっけさんは眠り続けてるんだよね」
唯世がルナに話を振ると、一瞬、ルナはびくっと震えた。
「うん……一度も目覚めない。もっけは……大丈夫なの?」
ルナが問うと、一瞬唯世は顔を濁らせた。
しかし、それは一瞬で、唯世は笑顔を浮かべる。
「きっと大丈夫。僕達がもっけさんのココロのたまごを取り返すから」
「そうだよ!ふくろうさんはやや達が助けるから! 」
ややがテーブルに片足をのせて、遠くを指差す。
そのポーズに、思わず皆笑ってしまった。
※
ルナがコーポ桃抜に帰り着いたときには、すでにスネリがご飯を作って待っていた。
もっけは相変わらず眠ったまま。
「もっけ、スネリ、ただいま! 」
不安を顔に出さないように気をつけて、笑顔で言う。
スネリもそんなルナの気持ちを悟ったのか、つとめて明るく言った。
「お帰りなさい。今日はやきそばよ」
「ありがとう!さきに着替えてくるね」
そう言うと、ルナはタンスの戸をあけて、服をとった。
スネリは、てきぱきとちゃぶ台の上を片付ける。
香ばしいにおいのするやきそばを、ちゃぶ台の上に並べた時だった。
スネリの鼻が、妖気を感じ取ったのは。
「ルナ、妖気を感じたわ。外に! 」
ルナの脳裏にある直感が走る。
(カムイとライガだ!!!)
ルナはあわてて上着を取り、外へ飛び出した。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.64 )
- 日時: 2009/12/02 12:22
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
№27 みぞれ交じりの雪の中
スネリと共に、外に飛び出したルナ。
茶色の大きなルナの瞳が捉えたもの……。
それは、みぞれ交じりの雪の中、不気味な笑みをうかべて佇む、カムイとライガの姿だった。
カムイの左手には、真っ白なたまご——ココロのたまご——が握られている。
恐らく、もっけの物だ。
「もっけのたまご……!! 」
跳びかかろうとしたルナを、スネリが押さえつける。
そんなルナを見て、カムイは面白そうに笑った。
「やはり妖怪は、無理にたまごを抜いても、×たまにはならないんだな」
「やっぱり……あなた達が! 」
「言ったはずだろ」
鋭い目つきで、ルナを睨みつける。
カムイは、もっけのココロのたまごを宙にうかべ、その周りに水の結界らしきものを張った。
「邪魔をするなら、容赦はしないと」
瞬間、カムイの左手から、水の刃が飛ぶ。
スネリは、突然の事で反応できないルナの左手を引き、
地面に倒れこんだ。
時間差で降るみぞれ雪のせいで、ルナとスネリの服に泥がつく。
ルナは唇を噛むと、立ち上がり、リボンを解いた。
「封印解除、第三の目を開眼する! 」
うず目に変化するルナの瞳。
隣に立つスネリを見ると、言った。
「スネリ、お願い。あむちゃんを呼んできて? 」
「えっ? ダメよ!あなた一人じゃ……」
危ないわ、と続けようとして、止めた。
ルナの瞳は真剣で、何を言っても通じないと悟ったからだった。
「分かったわ。……気をつけて」
それだけ言うと、スネリは大猫姿に変化し、暗い夜道を駆け出した。
スネリの白い体が見えなくなったのを見届けて、ルナはカムイとライガを見る。
「ココロのたまごを返して」
ルナの言葉には答えず、二人は両手を突き出した。
瞬間、炎の龍と水の龍が、牙を向いて襲い掛かる!
ルナのうず目にも素早い動きだ。
瞬間、ルナは左手を掲げ、九字を切った。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前!」
二つの龍は、結界にぶつかって、一度跳ね返る。
が、再び鋭い牙を剥きだして向かってくる。
瞬間、ルナは結界を解き、高くジャンプした。
しかし、二頭の龍は、ルナの後を追ってくる。
カムイとライガが両手をさまざまな形に動かし、ルナを追わせているのだ。
(私に気をとられて、もっけのたまごを見ていない……。今しかない! )
瞬間、ルナは植木を片足で蹴り、もっけのたまごの元へと跳んだ。
しかし——。
すんでの所でライガに気取られ、腹に妖力の固まりをぶつけられた。
ルナの体が壁にぶつかる。
「終わりだ、伝説の子」
二頭の龍が、ルナに向かって火と水を吐いた。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.65 )
- 日時: 2009/12/03 17:09
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
№28 みぞれ雪
反射的に目を閉じたルナだったが、いつまでたっても痛みを感じず、
恐る恐る目を開けた。
自分の目の前に、人が立っている。
ピンク色のチアリーダー姿の女の子……。
「あむちゃん!? 」
ルナの前に立ち、攻撃を防いでくれたのはあむだったのだ!
ピンク色のポンポンで、結界かバリアか、そんな物を張っている。
「ルナ、大丈夫?」
「あっ、ありがとう……」
あむが来るのが、もう少し遅かったら。
そう思うと、背筋を冷たい手で撫でられたような気がして怖くなった。
「もう少ししたら、スネリさんも来るから」
と、次の瞬間!
「あむちゃん、後ろ! 」
しゅごキャラ・ミキが叫ぶ。
ライガの放った炎が、あむのすぐ後ろにまで迫っていたのだ。
立ち上がって避けるまでの時間の猶予は無い。
左手に五芒星のペンダントを掲げると、唱えた。
「天の父と母よ。我が身を守りきたり、百鬼をして、我を中傷せしむることなし。急急如律令! 」
ペンダントから溢れ出した金色の光は、あむとルナを守る結界となり、炎を跳ね返した。
結界が消えてしまうと、あむとルナは立ち上がる。
あむは、右手を横に伸ばし、
「ハートロッド! 」
唱えるや、右手にハートロッドが握られる。
「スパイラルハート! 」
あむがロッドを投げたと同時に、ルナもジャンプして、二人に飛び掛った。
あむの手を離れたロッドは、光の弧を描きながら、
カムイともっけのたまごすれすれを通り抜けた。
「くっ……」
通り抜ける時に、ロッドの先端が当たったのだろうか。
もっけのココロのたまごを捕らえていた水の結界が消え、落下を始める。
たまごが地に落ち、割れようとした所に、ルナが滑り込んでたまごを掴んだ。
「ナイスキャッチ! 」
手元へと戻ってきたハートロッドを掴み取ると、淡い光を残してロッドは消えた。
その時、あむはとんでもない事に気付いた。
ルナが滑りこんだのは、カムイとライガの真横。
早く逃げなければ、ころされてしまうだろう。
しかし、時すでに遅し。
カムイは右手に水槍を持ち、振り上げていた!
「——っ!」
ルナが痛みを覚悟した瞬間、白い何かが駆け抜け、ルナのえりぐりを掴んだ。
白い影は、コーポ桃抜の壁を蹴り、あむの横に着地した。
「ス……スネリ! 」
スネリはルナを降ろすと、人間姿へと変化する。
全力疾走で来たのか、肩が上下していて、息も荒い。
ルナは、もっけのココロのたまごをスネリに預け、再びカムイ、ライガを見る。
「天兵来たりて、我を助け、符神をつくらせよ。厭驚恐鬼符、急急如律令! 」
「スパイラルハート! 」
ルナは呪符を、あむはハートロッドをカムイ、ライガに向かって投げる!
しかし——……
もう少しの所で、二人は煙のように消えてしまったのだ。
二人の立っていた所には、静かにみぞれ雪が舞い落ちるばかりだった。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.66 )
- 日時: 2009/12/02 19:04
- 名前: 瑞沙 (ID: KMby.LnF)
やっぱり、戦う場面はかっこいいですね!!
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.67 )
- 日時: 2009/12/03 16:52
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
>瑞沙さん
かっこいいなんて…(^_^;)
私なんかまだまだですよ;;
でも、ありがとうございます!
もっと上手く表現できるよう、がんばります^^
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.68 )
- 日時: 2009/12/05 15:58
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
http://www.kaki-kaki.com/bbs_t/view.html?10319
↑ルナの絵です。
描いてみました!よかったら。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.69 )
- 日時: 2009/12/05 18:09
- 名前: 氷雨 (ID: 1fp0/ElW)
>李逗さん
ルナの絵、すごく
カッコいいです。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.70 )
- 日時: 2009/12/06 15:37
- 名前: 瑞沙 (ID: KMby.LnF)
李逗さん絵見たよ〜
・・・私がドット絵掲示板で書いたやつ(ルナの絵ではないけど)とは大違いだよ〜〜。
私もあんな絵が描きたい・・・。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.71 )
- 日時: 2009/12/06 16:53
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
>氷雨さん
こんにちは!
いえいえ、私なんてまだまだですよ(^_^;)
でも、お褒めいただきありがとうございます!
>瑞沙さん
こんにちは(^^♪
いつもコメントありがとうございます。
ドット絵って難しいよね;;
私もチャレンジした事あるけど、
難しかった…
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.72 )
- 日時: 2009/12/06 17:25
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.73 )
- 日時: 2009/12/09 13:03
- 名前: 李逗 ◆hrygmIH/Ao (ID: ZB358Aub)
№29 目覚めたもっけ
カムイとライガが消えた後、あむ達はもっけのもとへと駆けた。
部屋の中で眠るもっけの胸元にココロのたまごを近づける。
すると、たまごは白く光り、もっけの胸元に吸い込まれるようにして消えていった。
「もっけ……」
変化を解いたルナが、涙声で呟く。
つけっぱなしだったテレビから、美しい歌声が聞こえて来た。
すると、もっけのまぶたが少しずつ開き始め、やがて完全に意識を取り戻した。
「もっけ!!!」
訳が分からないと言う様子のもっけに、とびつくルナ。
驚くもっけにスネリは眼で合図する。
『怖かったのよ。訳は後で説明するから』
その後、ルナは15分も泣き続けた。
*
時刻は午後7時を過ぎた。
暗い夜道をラン、ミキ、スゥと歩く。
あむは、左側のポケットに入れておいたケータイを取り出し、開いた。
「げっ……」
絶句。
あむのケータイの受信BOXには、「ママ」の文字が並びまくっている。
その数なんと20通。
帰りの遅いあむを心配したのだろう。
(い、家に帰ったら、きっとスッゴイ怒られる!)
瞬間、あむはケータイを閉じ、上着のポケットに突っ込んだ。
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.74 )
- 日時: 2009/12/09 20:17
- 名前: 菜波 ◆yKzJi8KpJ2 (ID: .KGaIEvD)
菜波です。
すいません。来れなくて。
気が付いたらもう第二章……
更新早いですねぇ……。
私も見習わなきゃ。
あと、絵、凄く上手いです♪
私は李逗さんとは比べ物にならない事が
よく分かりました。
あ、小説立て替えたので、良かったら、
本当に暇があれば、きてください☆
- Re: しゅごキャラ!×妖界ナビ・ルナ ( No.75 )
- 日時: 2009/12/13 16:47
- 名前: 瑞沙 (ID: KMby.LnF)
李逗さん
あむかっこいいです!!
あと、もっけ目覚めてよかったです☆