二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 涼宮ハルヒの嫉妬 ( No.3 )
- 日時: 2009/12/10 23:27
- 名前: song (ID: p17IpJNR)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=11516
「おや珍しい……お二人だけですか」
突然、後ろから声がした。
「ひゃぁ! 」
ちょうど私が緊張気味になっているところに古泉君が現れたものだから驚いてしまった。
思わず声を上げてしまい、古泉君も驚いた様子。
「これはすみません。驚かせるつもりはなかったんですが……」
「い、いえ……こちらこそ」
私はうつむき加減で言った。
「……何かあったんですか?」
古泉君は何かを察したかのように私達に尋ねた。というより、主役の二人が居ないことに疑問を持ったのだろう。
「……それが」
私はことのてん末を彼にも話した。SOS団として知っておくべきだろうから。
「全く……彼もやってくれますね。ということは、また閉鎖空間が現れるかも……」
古泉君は険しい顔で言い、ドアを閉めた。
「前から思ってたんですけど……閉鎖空間って何ですか?」
私はずっと溜め込んでいた疑問をぶつけた。
「そう言えば、まだお二人には詳しく話していませんでしたね……」
「ご存知の通り、涼宮さんには常識では計り知れない特殊な能力があります。その能力は、時に世界を一変させる程の力。僕が言う閉鎖空間とは、涼宮さんの精神状態が不安定になることによってそれが偶発的に垣間見ることの出来る空間のことを言います。
まぁ、平たく言えば涼宮さんのストレス発散場と捕らえて頂いて結構です。しかし、そのストレス発散方法は極めて危険であり、野放しにしておけば世界が閉鎖空間に飲み込まれてしまいます。そうさせないために対処する力をもつのが僕達というわけです。分かって頂けたでしょうか? 」
「なるほど……」
古泉君の言うその働きは「今」を支える重要なものだったんですね。
「僕も朝比奈さんに質問したいことが実は山ほどあるんですが……」
別々の組織にいる以上、お互いの情報を知りたいのは当然でしょうが……
「すみません、多分、ほとんどお答えすることは出来ないと思います。私自身が言いたくても何重にもプロテクトがかかっているので」
そう言い終わると、古泉君はフッと微笑んだ。
「やはりそうですか。時間遡行をする者として、それは絶対ですしね」
古泉君の理解の早さには正直驚きを隠せない。
「何はともあれ——……」
古泉君が何かを切り出そうとしたその時物凄いドア鳴りがした。
「キョン君!ど、どうしたんですか?」
息を荒らしたキョン君の目つきが少し怖くて怯えてしまった。
「ハルヒはもう学校にはいませんでした」
荒く太い声はキョン君の今の状況を表しているよう。
キョン君の話によれば、学校中を全速力で走ったものの涼宮さんは見つからず、下駄箱を見に行くとすでに内履きが置かれていたいたそうです。
「これからどうするんですか? 」
私は何気に聞いてみた。
「一応、ハルヒの家に行ってみようと思います」
汗だくになりながらも部室に置いていたカバンを手に取り、キョン君は背を向けた。
「それじゃあ、今日は解散もやむ負えませんね」
古泉君は少々残念そうに言った。
「なんだ、古泉いたのか……」
キョン君! ちょっと酷くないですかッ?
「随分な物言いですね……今さっき閉鎖空間が発生したようです。それも物凄い数の神人が……」
弁明を要求するように古泉君はキョン君に迫った。
「その様子だと、何があったかは分かってるみたいだな……悪いが、謝っている時間もない。俺に今出来るのは、ハルヒの機嫌を緩ませてやれるくらいだ」
キョン君は深刻な表情を浮かべて言った。
「分かりました。出来ればお早めにお願いします」
古泉君はそう言うと、手早く身支度を済ませ閉鎖空間へ行く準備を整えた。
「では明日がある事を信じて……」
「縁起でもねぇコト言うなッ! それじゃあ、朝比奈さん、お先に失礼します! 」
颯爽とキョン君達は部室を出て走って行く。