二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: バトル・テニス-バトテニ- ( No.22 )
日時: 2009/12/23 13:36
名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)

 
 36 ここまでだ(35と同時進行)




森から少しはずれたところで見たのは、蓮二の死体。
そこから少し離れたところで見たのは、仁王。
その反対側で見つけたのは、ブン太とジャッカル。

蓮二は何か尖ったモノで殺されていた。
仁王とブン太とジャッカルは、包丁のようなモノで斬りつけられている。

残るは、幸村と柳生と赤也と自分。
信じてやりたい。
他の3人を信じたい。
アイツらはそんなことは絶対にしない。
仲間を裏切ってまで、自分だけ生き残ろうなんてしない。
そう、胸を張って言いたい。

だが、言えない。

少し前に、幸村に会った。
会ったと言うよりは、こっちが見かけただけだ。
片にはおられたユニフォームには返り血であろう血が付き、手に持っているのは血で汚れたアイスピック。
声を掛けよう、そう思ったのに体は動かなくて。
いつだってアイツを支えてきた。
だけど、支えられない。
仲間なのに、“怖い”と感じたんだ。

アイツの心は、壊れている。
もう、前の幸村ではない。

本当は、なんとなく分かっていた。
幸村が1番壊れやすそうだと、なんとなく感じていた。
俺は壊れていくアイツを見たくなかった。
壊れてしまったアイツに殺されたくはなかった。
だから、壊れやすそうだと感じていたが、あえて探しはしなかった。
そのせいで、蓮二は殺された。

何処にいるかも分からない。
何を考えているかも分からない。

分かるのは、奴が乗っていると言うことと、自分の無力だけだ。


「真田くん?」(柳生)

何処からか、聞き慣れた声が聞こえた。

「柳生か? ・・・ッ お前・・・」(真田)

言葉を失った。
柳生のユニフォームも、幸村と同じように血で染まっていた。
そして、手には包丁。

「お前か・・・! 仁王とブン太、ジャッカルを殺したのは!」(真田)
「1人足りません」(柳生)
「何?」(真田)
「真田くん。 あなたも私に殺されるのです」(柳生)


俺は、生き残ろうとは思わない。
だが、ただで死のうとも思わない。
人を殺そうとも、思わない。
俺は・・・心を失った仲間達に、心を戻してやろう。
思い出させてやろう。
仲間を。
大切な思い出を、守ってやる。


「残念だが、俺は死なない」(真田)
「はい?」(柳生)

「やらなければならないことができた」(真田)

もう、迷わない。

「ここまでだ、柳生・・・!!」(真田)

お前を止める。
たとえ、お前を殺すことになろうとも。


お前の心を、守ってやる。



そのためなら、死んでもかまわない。