二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 孤独ナ天使 【D.Gray-man】 ( No.3 )
日時: 2009/12/22 21:18
名前: 白夜 (ID: nkrYcvPM)

【第1夜 時計の針が】

「駄目です、いけません。これは悪いことです」

「でもバレなければ、いいでしょう?お姉ちゃん!」

お姉ちゃん、と呼ばれた少女は妹に対してすごく怒っていた。
───だって、悪いことなのよ?やっちゃ駄目でしょう?
怒りと困惑が混じった顔で、妹に優しく言う。

「そういう問題ではありません。ほら、寝るのよ」

窓からは綺麗な満月が見えた。金色に輝く、満月が。
なんとか妹を寝かしつけ、疲れた体を引きずった。
わたしはふと、時計を見る。・・・11時か。ふう。
わたしも、もう寝てしまおうか。
そう思って、ふらりと立ち上がった瞬間、

「テテオお姉ちゃん・・・?」

小さく開かれた扉の隙間から、妹が顔を出していた。

「・・・?マオ、どうしたのよ」

「お母さんとお父さんは、帰ってくる?」

妹のマオは、今にも泣き出しそうな顔で聞いてきた。

「当たり前よ、マオ。だからさっき、駄目だったでしょう?」

「マオがいい子にしてれば、いいんだよね?」

「・・・そうよ。さ、はやく寝て。幽霊が来るわよ」

シュッ、とマオは顔を戻し、パタンと扉を閉めた。
───ごめんね、マオ。もうお母さんとお父さんは帰ってこないの。
一生、帰ることはないわ。あぁ、ごめんね、マオ。
できることなら、天国から戻って来てほしいの。




『見つけましたヨ、お嬢さん・・・♪』

暗い空に、浮かぶは悪魔の手先?