二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 永久の残像  【REBORN】 ( No.2 )
日時: 2009/12/29 12:51
名前: まゆか (ID: TEX5izSi)

+第1夜【Una barriera nuova ufficiale esecutivo】+


————————————それは、真夜中の暗殺者達の物語。




ゴーン、ゴーン———————————と、どこからか真夜中を知らせる鐘の音が、辺りに響き渡る。


その音を聞きながら、少女はゆっくりと、目の前の建物を見上げた。


「ここが......................独立暗殺部隊、ヴァリアーの本部..................か」


ポツリと呟いて、静かに本部の中へと足を踏み入れる。すると数人の隊員が、少女の周りを囲むように現れた。


「貴様、いったい何者だっ!」

「......................わざわざ、名乗らないといけないのか?」


面倒そうに呟いた少女に、周りの隊員達は無言のまま、鋭い目を向け続ける。
その様子に、少女は小さく溜め息をついた後、ゆっくりと片手を上げた。


そして————————————〝それ〟を見た瞬間、隊員達の間にざわめきが起こる。


それもそのはず。少女の手にあったのは、ヴァリアー幹部の証である—————————
ヴァリアーリングだったのだから。


「まだ、.......................何か用か?」

「!い、いえ........................失礼しましたっ!」


そう叫んで、周りの隊員達は足早に去って行く。

そして、再度 歩き出そうとした少女は———————————不意に足元に投げられたナイフを、素早く避けた。


「.................ベル先輩、避けられちゃいましたねー」

「うるせぇ!お前、そんなに殺されたいわけ?」


と、頭上からそんな会話が聞こえて、少女は顔を上げた。

見上げた先には、ナイフを持つ青年と、カエルの帽子を被った少年。反射的に、【ヴァリアー幹部だ】と言う思考が働いた。


「.........................嵐と霧の、ヴァリアー幹部か.........................」

「「何で、(ミー)(俺)の事 知って(るんですかー)(んの)?」」


「.................二人同時に言われても、返答に困るんだが」


たまたま揃った二人の声に、少女は面倒そうに呟いた。すると、いつものようにベルとフランのケンカが始まる。


「おい、カエル!王子の真似すんな!」

「してませんよー。むしろ真似してるのは、ベル先輩の方なんじゃないですか?」

「あぁ!?王子がそんな事するわけねぇだろっ!」


ギャーギャーと言い合いを続ける二人を、少女は無言のまま見つめた。


————————————この二人、本当にヴァリアー幹部なのか?

そんな疑問が頭の端に浮かんだが、あまり深くは考えない事にした。


と——————————不意にその場に、常人とは思えない叫び声が響く。



「う゛お゛ぉいっ!てめぇら、いったい何やってんだぁ!」


奥の方から現れた人影————————スクアーロは、そう言うなりベルとフランを睨み付けた。
どうやら、少女の姿には気が付いていないらしい。ケンカを止めた二人は、〝そう言えば.............〟などと言いながら、少女へと視線を移す。


その視線を辿って、スクアーロもやっと状況を理解したようだった。


「次は、雨のヴァリアー幹部か。大勢で出迎えてくれるとは、予想外だな」


暗殺者達の、鋭く冷たい瞳。だが一方の少女は、その視線に対し、怯むどころか小さく笑みを浮かべた。

そして————————————ゆっくりと、スクアーロが口を開く。



「お前........................いったい何者だぁ?」



今日で2回目となるその問いかけに、少女は面倒そうに溜め息をついた。



————————————————まぁ、仕方がないか。



「私の名は、絢浪 雛(あやなみ すう)。新しく、雲のヴァリアー幹部として配属された者だ」



続く。。。



タイトルの意味【新たなヴァリアー幹部】