二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 永久の残像 【REBORN】 ( No.5 )
- 日時: 2009/12/29 20:24
- 名前: まゆか (ID: TEX5izSi)
+第2夜【Rabbia inaspettata】+
「あぁ!?絢浪 雛?....................そんな奴が来るなんて、聞いた事ねぇぞぉ」
そう言いながら、スクアーロは訝しげに雛を見つめた。
その様子を眺めているベルとフランも、微かに首を傾げている。
どうやら誰も、新しいヴァリアー幹部の事を知らないらしかった。
————————————————まぁ、どうでも良いが。
「お前達が知っていても知っていなくても、私には関係ない。そもそも、ボスに聞く方が先決じゃないのか?」
態度に問題はあるかも知れないが、スクアーロも〝ボスに聞く〟と言う案には納得したらしく、
早足で廊下の奥へと消えて行った。
そして、後に残された雛・ベル・フランの間に、重い沈黙が流れる。
ベルとフランは興味深そうに雛を見下ろしており、一方の雛は無感情にベルとフランを見上げているだけ。
と、その時———————————ベルが、小さく呟いた。
「アイツ................................何か、マーモンに似てるかも」
———————————————〝マーモン〟
その名前を聞いた瞬間、雛は微かに肩を震わせた。
だが、それに気付かなかったのか、フランは不思議そうに口を開く。
「マーモン.................って、確かミーの前任の人ですよねー?」
「あぁ。何か、アイツと雰囲気みたいなのが似てる気がする」
そう言って、柵に頬杖を付いたベルは——————————————不意に、自分の髪を掠ったナイフに、目を見開いた。
後ろの壁に、〝ドスッ〟と言う生生しい音で、ナイフが突き刺さる。だが、ベルは数秒の間、動く事すら出来ないほど衝撃を受けていた。
それもそうだろう。天才と言われるほどのベルが、動く事すら出来ずに攻撃を受けたのだ。
——————————しかも、自分の愛用するナイフによって。
「おー.................もしかしたら彼女、ベル先輩よりも強いかも知れませんねー」
「っ!?.......................マジでアイツ、何者だよ................」
フランの呟きでハッと我に返ったベルは、流石にフランの言葉を否定する事が出来ず、代わりにポツリと呟く。
一方の雛の方はと言うと、凄まじい殺気を放ちながら、呆然とした様子のベルを見つめていた。
「........................今度その名を口にしたら、お前を灰にしてやる」
そう言った、雛の瞳は—————————————まるで人間とは思えないほど、冷徹なものだった。
続く。。。
タイトルの意味【不意の怒り】