二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂-白百合の旋律-〔日向篇〕 ( No.243 )
日時: 2010/05/01 20:56
名前: 椿薔薇 (ID: AEu.ecsA)

第壱六訓「過去に傷、今に恨み」

鎌・・・相手に戦うのはこの私でも始めて・・・気をゆるめたらやられる・・・
白刻はそう心の中で考えながら目の前を通る鎌をよける。

「白百合ィィィ!!!よけてないであの時のように殺しに来いよ!」
あの時・・・そう、白百合こと白刻と死神こと宮弥は一度出会っている。
そして宮弥は負けた。いや、生死を彷徨うほどの重症を負い一命を取り留めた。

「あぁ、そうか・・・お前が黒昌についたのもそれが理由か・・・だがよく覚えてたな、あの状況で・・・」

白刻は少し虚ろな表情で俯いた。

「煩いッッッッ!!!」
宮弥の声が響き渡る・・・声がやむころには同じ場所で戦っていた銀時と磨璃沙もがその声で一斉に攻撃をやめた。

宮弥は目に涙を浮かべていた・・・これ以上は聞きたくないというようだった。
だがそれに、その様子に磨璃沙は苛立ったように冷たい声で言う。
「黙れ宮弥、耳障りなのよ。貴女の事情なんて私には関係ない、私に感謝し、従えていればいいの・・・それだけよ、命令は・・・白百合を殺すこと」

その声に宮弥は歯を食いしばってこらえた。
ただただ下をむいているだけで・・・

「さぁ、白夜叉・・・戦闘開始よ。白百合・・・手加減しないでその子を殺すつもりでかかりなさい。そうでもしないとその子本気出さないから・・・」
頼むように言う磨璃沙に少し白刻は動揺した・・・そのとき少しだけやさしい目をみせた、別人のような姿にだ。

銀時も驚いているようだったがすぐに木刀を握りなおし前を向き直り磨璃沙と対峙する。
今度は先手で出たのは銀時だった。
「おうおう・・・そちらさんにもいろいろと事情があるみてェだが、こっちにもあるんでね。ここで死ぬわけにゃいかねェんだ」

その言葉で白刻は日向のことを思い出す。
我に返ることができた。
まだ何も聞いていなかった、どうしてこんなことをしたのか。だが、この目の前にいる宮弥は理由があって壊したのではない・・・
自分を殺すためだけに今まで生きてきて、日向を傷つけた黒昌の下についたのだ。

それを思うと白刻は後悔をしてしまう・・・

宮弥は鎌を白刻に向け、赤く充血した眼で睨んだ。
白刻はその宮弥を見てあのときを思い出した・・・