二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 君の笑み、そして涙。【イナズマ短編集】 ( No.10 )
日時: 2010/02/09 22:19
名前: ぺりどっと(元くろーばー) (ID: SLKx/CAW)

第4話 謎の感情


「恥ずかしい……」

蒼空は授業後、伏せながら言った。

「でもアレは正論だと思うぞ」

俺がフォローしようとすると、

「鬼道にはわかんねぇよ……」

とかえって機嫌を悪くさせて
しまった。

抑えられない気持ち、衝動、か。

部活の時間になった。
いつも通り、グラウンドに出て
練習をしていると、アイツがいた。

昼休みに会った、あの女子が……。

そのせいかはわからないが、
俺は合計で5回くらいトラップミスを
してしまった。

格好悪い……。

そう思って、俺はアイツが見えない
フリをしようとした。
だが休憩に入ると、

「鬼道くん、お疲れ」

と言って、俺にタオルを差し出して
くれたのだった。

戸惑いつつ、タオルを受け取った。

「ありがとう。えっと……」

「笠峰玲華。3組」

「そうか」

名前がわかった瞬間、何かが
すっと抜けていった。

「鬼道くんは、今日調子悪いの?」

「えっと……ちょっと……」

語尾をあいまいににごし、
俺はうつむいてしまった。

顔が熱くなるのが、自分でも
よくわかる。

このような感情は、初めてだ——。


続く!!