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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 君の笑み、そして涙。【イナズマ短編集】 ( No.25 )
- 日時: 2010/03/05 13:09
- 名前: ぺりどっと (ID: SLKx/CAW)
第14話 痛い傷
「大丈夫か?」
俺が声をかけても、笠峰は無言のまま。
右腕を押さえてる左手からは、
赤いのが流れていた。
「春奈、救急箱だ!」
「え、はい!」
「ひどい傷……どうしたの?」
木野が手当てをしながら聞いた。
「……吹部の人たちが」
「吹部って、吹奏楽部のこと?」
笠峰がこくっとうなずく。
「吹部がどうかしたの?」
「私が吹部なのは知ってるでしょ?
追い出されたの、吹部」
「どういうこと?」
木野が消毒液を傷口につけると、
笠峰はうめき声をあげた。
「あ、ごめん!」
「ううん、大丈夫。
私ね、部長や他の人に『アンタは楽器も
ろくに吹けないし休んでばかり。
やる気の無い人は出ていって』と言われたの」
「それで?」
木野が笠峰の腕に包帯を巻いた。
「追い出されるのは悲しかったけど、
仕方ないと思ったの。でもそのあと、
いろいろ暴言はかれて……。
腕もこんなに……」
止まることはない暴走。
そこで止めておけばいい問題を、
エスカレートさせていく——。
俺は笠峰を守らないといけない
立場なのに……。
「でも私、他の部活に入るつもりは
無いの。またあんなふうにされるのは
イヤだし」
「だったらサッカー部来いよ!」
円堂が言った。
「サッカー部はそんなことしないし、
みんな仲良くやってるぜ!
サッカー苦手なら、マネージャーでもいいし」
俺は思わず『ナイスアシスト!』と
心の中で叫んでしまった。
「誘ってくれてありがとう。
でも、やっぱりいい」
「え……」
「鬼道、アホ毛立ってる」
「豪炎寺、うるさい」
続く!!
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