二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: REBORN!・ ペテン師に永遠を オリキャラ募集中 ( No.16 )
日時: 2010/02/17 23:16
名前: 麗/ ◆oE081hGkJ. (ID: m7pepIKd)

 
 
頬に飛び散った紅の温かい液体。
また頬や手は、"ソレ"によって紅に染まる。
聞こえるのは滑稽な人間の悲鳴と狂ったような笑い声だけ。
 
私は……ダレ。
 
「……! ……ル。リエルッ!」
 
聞きなれたその声にハッと目を覚ました。
ガバッと起き上がっては自分の掌を見つめた。
 
……よかった。紅く染まっていない。
 
「大丈夫、ですか? リエル。随分と魘されていましたが……」
「兄様……。大丈夫、だよ」
 
なんてへらり、と笑って見せれば兄様も笑い返してくる。
兄様……叶月リアルは私、叶月リエルの実の兄。
 
「そうですか。大丈夫なら良いのですが……。ではそろそろ此処も奴らが来るでしょう。移動、しますか…?」
「ん、そうしよう、か」
 
のそり、と立ち上がり、腰まで伸びる白のかかった銀の髪を揺らした。
同じように兄様も、青みのかかった銀色の、肩に付く程度の髪を揺らして。
壁によりかかるような形になればキョロキョロと辺りを見渡して。
 
「……どうやら居ない、ようだね」
 
白いコートを羽織、素早くスプレーで髪を黒く染めて。
黒のスプレーで汚れたコートを脱ぎ捨てては兄様のほうを笑顔で振り向いた。
兄様の青みのかかった銀髪も綺麗に黒くなっている。
 
「兄様。髪、だいじょーぶ?」
「ええ、大丈夫ですよ」
 
とふ、と笑ったのを見ればこちらもすこし微笑んだ。
兄様は右目の方には眼帯、左目は青色なため多少めだつもののいまは夜。
暗いためどうにか大丈夫だと思うが、私は左目に眼帯。右目は血の様な紅なため目立ってしまう。

なるべく一目に付かないようにこそこそと歩いた。近くに大きな倉庫を見つければその中へと入っていった。
私と兄様は二人で殺し屋をしていて、結構強くいろいろなマフィアからお誘いが来ているのだが面倒だから逃げているものの今はボンゴレ、に追われている。
此処は日本の並盛。逃げているうちに此処まできてしまっていたようだ。
今、ボンゴレ十代目の周りには十代目ファミリー、つまり守護者が沢山いて、しかもアルコバレーノのリボーンがいるらしく、厄介だ。
 
「ふう……やっぱり皆、この能力が欲しいのかな」
 
と小さく呟いて、眼帯で隠れている左目に軽く触れれば、兄様も眼帯で隠れている右目にそっと触れる。
私の左目と兄様の右目は改造され、不思議な能力を持っているのだ。
まあ、詳しいことは今度にしておくとしよう。
 
「叶月さー……ん? 居ますか?」
 
なんて不安気な声が倉庫中に響いた。
その声に私と兄様はビクリ、と肩を震わせた。
きっとこの声はボンゴレ十代目ボス、沢田綱吉。
 
「おいっ! 十代目が呼んでんだ。いんのはわかってんだからでてこいよ」
 
ボンゴレ嵐の守護者、獄寺隼人。
小さい頃、獄寺のうちでのパーティで一度会ったことがある。
あの頃はまだ可愛かったのに、なんてかすかに思った。
 
「早く出てきてほしいのな」
 
ボンゴレ雨の守護者、山本武。
黒の短髪頭に爽やかな笑顔。
好青年、野球大好き少年、といったところか。
 
どうやら本当に私たちが居ることに気がついているらしい。
私たちが隠れている場所にじりじりと近寄ってくる気配がある。
私はソッと左目にある眼帯を取った。眼帯を取れば白っぽい緑の目が光る。
私が眼帯を取ったのを見れば兄様は驚いたように目を見開いた。
 
しゃがんで隠れていたのだけれども、スッと立ち上がって、ボンゴレのボス、守護者をジッと5秒ほど見つめた。
 
「……!」
 
見つめていれば、どうやらボンゴレの3人は突然動けなくなったらしい。
私はふ、と口元を緩めれば彼らに背を向けて。
 
「私、そういう驚いた顔だあーいすき」
 
なんてニッコリと笑っては兄様の2歩後ろくらいを歩いて倉庫から早足で出た。
私の目の不思議な能力……それは3秒見つめたものは3分動けなくなる、というもの。
結構体力を使う為、なるべく使いたくなかった。
倉庫を出た瞬間、ふら、とした、が兄様がサッと腕で抱えた。
 
その腕の温かさに目を細めてはそのまま眠りに落ちるのだろう。