二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: クロスバトル! オーバーチェインストーリーズ ( No.1 )
- 日時: 2010/03/07 13:14
- 名前: 必殺小説創作人 ◆cZDXtqVyE6 (ID: gWkqmuUW)
第一話 始まりは放浪者から
突然浮かび上がった新しい大陸。そこの空間がゆがんだかと思うと、銀髪の少年が転がり込んできた。
ツンツン突っ立った髪。身軽な体。周りをすばやく見回してから言った。
「あれは?」
その向いている方向のはるか向こうでは……。全てを終わらせた少女がかなわない夢を思いながら、この世界を去っていった。その光が少年には見えた。
「面白そうだぜ、なにがあるかな?」
少年は空中に浮かぶと、高速で移動し始めた。
しばらく移動した少年は光のあった場所にたどり着いた。
とん、と身軽な動作で着地する。その横には、鷹がいた。動いていない。くちばしからは血が出ている。
「ん? この気配……人? 魔界人? 異界の人? とにかく、この鷹、なんか呪いかけられてるな……」
鷹がピクッと動く。
そして……。
『クイーン、私の負けです。もうそろそろ勝てると思ったんですけどね……』
「まだまだだね、もうちょっと戦略をメモリーに書き込んでおきなさい」
『……今頃スクルーの戦略なんて存在しませんよ……』
「クイーン! 準備はいいんですか?」
ジョーカーが怒鳴る。ジョーカーはパラシュートを用意している。クイーンはRDとスクルーをしていた。
「大丈夫だよ。私はパラシュートなんてなくても着地できるからね……」
その瞬間ハッチが開いてジョーカーはそこにクイーンを落とした。
「ワァァァァァァァァァ!」
『いいんですか?』
「まず、クイーンに偵察してもらおう、その後、僕が出るよ」
『了解しました。黒ジョ……ではなく、ジョーカー』
クイーンがいなくなった今、騒がしい者は誰もいない。
ジョーカーはしばらくの平穏を嬉しく思った。
しかし……。
『クイーン、なかなか帰ってきませんね』
「好奇心でずっといる気なんだろう。もうしばらく待とう」
トルバドゥールは今、突然現れた大陸の上空にいる。それは三日前。突然太平洋のど真ん中に現れた。ムー大陸だという人物もいるし、海底火山が噴火したという説もある。しかし……。
昨日、伝説の大怪盗皇帝が大陸に乗り込んだが、消えた。ヤウズも行方不明になってしまった。
そして……。
ヤウズを探してであろう、ホテルベルリンも乗り込んだ。しかし、また消えた。
不審に思い、クイーンは動いた。
『しかし、こういうことに首を突っ込むような人物ですか?』
「クイーンが?」
『いままで、こんな事は初めてです。盗む事しか興味がなかった……正確に言えば日本の季節と休暇ですが……クイーンがこんな事するようには思えないのですが……』
「まさか、あの魔窟王と勝負した時のような偶然を思い出しているのかい?」
『はい……』
ジョーカーはビクッと震える。魔窟王との勝負があった時、意思を持つ石に運命を操られていた。その偶然がまたあるとしたら……。
そのとき、
『クイーン、帰って来ませんね、どうしたんでしょうか?』
「一日ぐらい待っていよう」
棒読み口調で言った。
二人は知らない。
クイーンは既にこの世界にいないことを。
その頃……。
街に来た少年。
鷹を手に持って、少年は歩く。鷹は目を閉じている。しかし、くちばしの傷はない。
「まだ目をさまさねぇのか……、仕方ないな、ちょいと暇をつぶしてくるかなぁ!」
そのとき、お腹が減っている事に気がついた。
「そういや、この世界のお金持ってなかったっけ……」
少年が頭をかく。
「かぁー、こんなところがいけねぇんだよな……アルバイトしてればよかった……」
そのとき、
「ねぇ、どこから来たの? おにいちゃん」
八歳くらいの幼い女の子が話しかけてきた。
「え? あ、あぁ」
そのとき、お腹が鳴った。
「お腹すいてるの?」
「ああ、でもお金もってなくてなぁ……。困ったなぁ……」
「じゃあ、食べさせてあげる! ついてきて!」
少年は女の子に引きずられるようについていった。
そこには、星の子学園という場所に着いた。
「あ、あんた、名前は?」
「私! ミチ!」
「オレはジョーだぜ、よろしくな」
しかし、ジョーは本名ではない。
少年の名はジョー・ウルフ。その上の名前だけを名乗ったのだ。
ジョーは星の子学園というところに、入っていった。
続く……。