二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: クロスバトル! オーバーチェインストーリーズ ( No.2 )
日時: 2010/03/08 20:22
名前: 必殺小説創作人 ◆cZDXtqVyE6 (ID: gWkqmuUW)

第二話 超総合格闘技大会

「おおぉ! ラッキー! オレ、カレー大好きなんだよな!」

「うんうん、私も!」

ジョーとミチはカレーをがぶがぶ食べている。
ジョーはおいしいものをしばらく食べていなかったため、とんでもない速さで完食した。

「ごっそさん!」

「おいおい、速すぎだぞ、もうちょっと味わって食えよ」

「腹減ってんだからいいだろ?」

さとしとジョーが言い争っている。

「はいはいはい、文句言わず食べましょうね」

サエが二人を抑えた。

「おっと、あの鷹が心配だ、見てくるぜ」

ジョーは外へ出た。
あれから、二日。星の子学園に居候という形でいることになったジョー。
ジョーは鷹の世話も忘れない。しかし、まだ反応は示さなかった。
そして、今日、とんでもない事が起こった。
鷹がいるはずの場所に少年がたっていた。

『誰だ……』

「あんたこそ、何者なんだよ!」

すると、少年の雰囲気が変わったのをジョーは見逃さなかった。
少年が高速でジョーにパンチを喰らわそうとする。
しかし、ジョーが反射神経で避けた。

「あんた、人間か?」

『半分人間といったら?』

さっきから声を出さずに話しかけてくる。

「容赦しねぇよ、束縛術!」

ジョーの指から光が放たれた。
鎖のようになって手足に絡みついた。
少年は驚いてジョーを見る。
ジョーが笑った。

「勝負、ありだ」

しかし、

「はぁ!」

鎖が壊れて、その瞬間ジョーに飛び掛った。
刹那のタイミングでガードする。

「おわっと!」

その後も人間離れした戦いが続いた。
しかし、

「お兄ちゃんたち! やめようよ!」

ミチが来ていた。
二人は戦いをやめる。

「何で戦ってるの? しかも、二人に増えてるし……」

サエも来ていた。
ジョーと少年は首をかしげた。
なぜ戦っていたか、途中で忘れてしまったからだ。
サエがため息をつく。

「……それに、人間離れしているし、何者?」

そのとき、ジョーが言った。

「オレ、超遠い国から来たんだ。そこでは普通の人ができないような事をできるんだ」

「へぇ〜」

ミチが感心する。
そのとき、ミチが少年に駆け寄った。
少年が戸惑う。

「なんだか、雰囲気というか……なにかルナお姉ちゃんに似てるね」

「ルナだって?! みんなルナを知っているのか?!」

少年が驚く。

「うん、星の子学園に昔いたのよ……懐かしいわね……」

「おい、ルナってやつになんか関わりあるのか?」

「僕の……双子の姉だ」

全員が言葉を失った。







一日して……。
少年はタイと名乗った。
そして、あいまいな説明を始めた。
ジョーはすぐに嘘だと分かった。
そして、話し終わった後、ジョーはタイを連れ出した。

「タイ、嘘ついてるだろ? 本当のことはなしてくれよ」

「……この話はここだけの秘密にしてくれ……」

そして、話し始めた。
悲しい姉の旅路の事を。
しかし、それを聞いていた者がいた。

「そんな……ルナは家族が見つかったって言っていたのに……」

サエだ。
その瞬間、スネリによって消されていた記憶が蘇った。

「あぁぁ……」

思わず声を出してしまった。
ジョーにばれてしまう。

「あんた……聞いてたんだな……」

サエは涙を流していた。

「私は……なにをしていたの……」

「……思い出したのか……」

「確かに、妙に記憶を変えられている感じはしたけど……どうしてだ?」

「妖怪は人間と関わってはいけない存在。だから消したんだろう。その記憶を」

タイはその場で去ろうとした。
それを、ジョーが止めた。

「止めるな」

「止めないとなぁ、今までの世話がパァになるんだよ! あと、せめて食事ぐらいは取れよ」

「僕は人間と関わって……」

サエが叫んだ。

「そんなこと関係ない! ルナはどこにいるの!」

「……もう妖怪の世界にいる。会うことはできない」

「そんな……」

サエが突っ伏す。
ジョーはなにがなんだか分からなくなっていた。



一日後……。

サエはあるポスターを持ってきた。

「あんたたち、居候なんでしょ」

「一応……」

「ちょっとは役に立ちなさいよ、はい、これ」

そのポスターには、

『トリオバトル! なんでもありの超総合格闘技。真のエンターテイーメントはここにあり! 優勝者にはなんでも願いがかなう玉を差し上げます!』

「なんでも願いがかなう玉……まさか……」

「この玉でルナに会いにいける!」

「でも……トリオは三人組、戦えるのは?」

「二人しかいないな……」

「……そうだ!」

サエが閃いたように建物の裏に回った。

「なんだよ!」

「あんたも仲間になりなさい!」

すると、不良のような少年が出てきた。

「これで三人ね……」

「誰だ?」

「……俺はヤウズだ、で、三人って?」

今までの履歴を言った。
そこで、ヤウズが言った。

「お断りだな……戦う事は嫌いだ」

「なら、協力してあげないよ!」

「……」

サエにジョーが聞いた。

「協力って?」

「探している人がいるの、だから」

「完全な上下関係だな……」

ジョーが肩をすくめた。
しかし、タイはあることを考えていた。

〔悠久の玉……ありえないな……いや、願いが叶う玉はそれしか考えられない。しかし……〕

「おい! 明日、会場に行くぞ!」

「う、うん」

そのとき、偶然というものは重なるものだ。
いや、必然というのかもしれない。
その大会には数々の思惑を持った人物が集まっていた。
次回からはその人物に視点を移そう。

続く……