二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン〜無茶苦茶恋愛妄想小説〜 ( No.234 )
日時: 2010/06/19 14:28
名前: 慶野 昧 ◆vC28/D3I26 (ID: Ru7e1uoX)
参照: http://ameblo.jp/meo1028/entry-10552065928.html

「えぇっ!」
「そして、私は王女をお守りするために国がつかわした、美葭子—大内美葭子よ。」
 美葭子と名乗った女性は、話を続けた。
「勿論、王女は私が家来だってことは、知らないわ。」
「……。」
 海風が王女だってことには驚いたが、まさか近所の人がそのお守り役だということにも、驚いた。
「そういえば、王女—奈義沙ちゃんは、学校ではどういう感じの子なの?」
「海風は、なんて言うか……その……クールというか……」
「ちゃんと授業は受けてる?」
「1時間目以外は……」
「そう……」
 美葭子さんは微笑した。
「実は、奈義沙ちゃん。今までたくさん転校したけど……ちゃんと授業を受けてたことはないの。」
「へー。」
「勉強なんて、高校からやればいいって言って、聞かないのよ。」
 そう言った美葭子さんは、決心したかのように円堂たちを見た。
「実は奈義沙ちゃんって、目の前で……お父さんが殺されたの。」
「!?」
「それで怒り狂って……お葬式の時に、犯人に殴りかかったぐらい……怒ってたわ。大人5人でやっと止められるぐらい。」
「そんなことが……。」
「あの時の表情ときたら……。脳裏に焼き付いているわ。」
「……。」
「狂って狂って、最終的には犯人の首を絞めようとまでしてたわ。」
 そこで一息ついた。
「それ以来……ピクリとも笑わなくなったわ。」
 プルルルルルル……
「ごめんなさい。」
 そう言って、美葭子さんは携帯を取り出した。
「はい。……はい、そうです。……はい。……えっ!? ほ、本当ですかっ!? ……はい。……わかりました。すぐ行きます。」
 ピッ、プープープー……
「どうしたんですか?」
「今、病院から電話があって……奈義沙ちゃんが倒れたらしいの。」
「えぇっ!」
「すぐ行かなきゃ!」
 そう言った美葭子さんの顔は、青ざめていた。
「あなたたちも来て!」
「はいっ!」
 こうして、円堂たちはイナズマ総合病院にいる、海風のもとへと向かった。


「稲妻総合病院まで!」
「はい。」
 かくして、タクシーに乗った円堂たち。
「なんかすいません。俺たちもタクシーなんて……」
「いいのよ。気にしないで。」
 そう言った美葭子さんの顔には焦りの色があった。
「やっぱり、過労かしら……」
「過労?」
「えぇ……。言うのを忘れていたけど、彼女アルバイトしてるの。」
「あ、アルバイトって……中学生ってアルバイト禁止のはずなんじゃあ—」
「そうよ。でも、あそこ—住んでいるところは、マンションじゃなくて、アパートなの。しかも、家賃がものすごく高いのよ。」
「そ、それじゃあ……」
「しかも、彼女の祖父が送ってくる仕送りじゃ、とてもじゃないけど補えないのよ。」