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「あ、あぁ。大丈夫だ。」
「ほ、本当に大丈夫？」
「うん。大丈夫。」
　そう言いながら海風はたち、秋に微笑みかけた。秋はその笑顔を見て安心した。
　しかし、海風の瞳は依然として緑のままだった。
「あ、そうだ。これ。」
　海風は秋に、紙袋を渡した。
「なに？　これ？」
　秋は海風に聞いた。
「菓子。」
　あまりにそっけない答えだったので、秋は話をどう進めようか、一瞬悩んだ。
「あ、みんなの練習の様子見て行く？」
「え？　い、いや……その……。」
「見ていったらどう？」
「……わかった。少しだけね。」
「うん。」
　秋と海風はグランドに行った。
「セーンパーイ！　どこに行ってたんですか？」
「え？　海風さんを見かけたから……。」
「海風先輩、見学ですか？」
「いや……まぁ、いろいろ。」
　そう言いながら、海風は片手に持っていたスケッチブックのページを開けた。