二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 好きって言って抱きしめてよ : REBORN短編小説 ( No.1 )
- 日時: 2010/03/20 09:54
- 名前: 小娘/元樹里亜 ◆v4/qqPdvY. (ID: BlNlQAlV)
- 参照: 彼のにおいがした、煙草のにおいだった。
※ 警告 警告 警告
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観覧後の苦情などはお断りいたします
誤字脱字は後でこっそりご報告していただけたら幸いです。
おりきゃらと獄寺君のお話 恋人同士前提
彼は煙草に火を点けた。
煙を静かに吸い込み、それからゆっくりと吐き出した。
彼女はそれを隣で静かに眺めていた。
放課後の教室だった。
におい
彼女には煙草のどこがいいかとかそういったことは良くわからなかった。
彼も別に好んで吸っていたわけじゃない。
理由は一応あるのだがここでは言わない、だって面倒くさいから。
彼女は煙草を吸っている彼が好きだ。
ツンとするにおいは、慣れなかったから最初は嫌いだったけれど、それも彼のにおいだと思うとそのにおいが好きになっていた。
吸いすぎるとむせるけれど。
煙草のにおいは彼女にとって彼のにおいだった。
彼のにおいは服に染み付きやすい。
学校の帰り道、彼女の隣に彼はいない。
帰る家がお互い逆方向にあるというのもあるが、彼は尊敬すべきジュウダイメこと沢田さんの護衛をしているのだ。
恋人なのに冷たいのではないかとも思うが気にしないことにした、気にしたって空しいだけだから。
三月の風はまだ冷たく彼女の体を突き刺す。寒い。
こんなときは手を繋いだり身を寄せ合ったりしたいものだ、1人だからできないけれど。
服から彼のにおいがする。
彼のにおいは服に染み付きやすい、ほんのりどころじゃない、どちらかというとぷんぷんする。
袖に鼻の頭を寄せ一気に吸い込む。くんくん。
体中に彼のにおいが行き渡る。
なんだか彼がすぐ側にいるような気がして、とても愛しい充実感に支配される。
もっと彼を感じたくて両袖に鼻の頭を寄せて一気に吸い込む。くんくん。
いつもの彼のにおいがした。
吸いすぎてむせた。げほ。
次の瞬間は空しかった。
寂しかった。
会いたいと思った。
服から彼のにおいがした。
———
だからどうしたって話なんですけどね←