二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 戦国BASARA、リレー小説「総大将は女子高生!」 ( No.106 )
日時: 2010/06/19 21:05
名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 8keOW9sU)
参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)

第十七話〜直接対決〜

彩葉ちゃんが珍しく呻っていた。
別に昔から知っている仲じゃないんだけど、何故かこの子とは色々話せるのだ。
その姿を見た俺の主である旦那は、一本の木刀を持ち牢の前にカランと音を立たせて投げ置いた。
彩葉ちゃんは驚いた顔でその木刀を見る。
俺も一瞬「何がしたいの?」と言うような顔をしたが、すぐ元に戻し旦那の顔を見た。
チョイチョイとアイコンタクトで「牢の戸を開けろ」と命令してきた。
少しヤレヤレと思って牢の戸を開ける。
牢の戸を開けた後、旦那は少し睨んだ視線で言った。

幸「…牢から出てくるでござる」

少し彩葉ちゃんは留まった様子で出てこなかったが、コソコソと忍足みたく出て来た。
旦那はどこから持ってきたのか知らない愛用の槍を構えて彩葉ちゃんに言う。

幸「俺はお前のような女子がお館様を打ち負かしたとは到底思えぬ。故にこの俺と勝負だ。
お館様に勝ったのならば、配下である俺なんぞ簡単に倒せるというのが道理であろう」

サァ…と顔を少し青ざめた。
しかも、引きつった顔で槍の先を見つめている。
まぁ、俺様の勘だけど戦に使うやつだから不利でしょっぽい感じで思っているだろうね、あの顔は。
ふと、彩葉ちゃんから声が漏れた。

彩「…佐助、アンタの御主人様真っ向勝負を挑もうとしてるけど明らかアタシ不利じゃね? 木刀と槍って明らか木刀が不利じゃね?」

ホラ、俺様の勘が当たっちゃったよ。
少し苦笑した口調で言葉を返す。

佐「彩葉ちゃん、一応あれでも俺様の上司だからそう言うの止めてくれない? あと旦那は木刀と槍の間合いの違いなんて些細なものだと考えてる人間だから不利とかそういうのは言っちゃ駄目なんだよね、うん」
彩「いやいやいやアタシってば戦とか凄い苦手だから些細なもので済ませたくないんだよねっていうかこれ死亡フラグ? グッバイアタシの青春!! せめてもう一度いつきちゃんを抱きしめつつ可愛い燕とギャアギャア騒ぎたかった!!」

少し泣きそうな顔で俺様に訴える。
よく分からない言葉が思いっきり聞こえたけどやっぱり彩葉ちゃんて………——痛い仔だねぇ。
旦那が分からなくても、俺様かなり分かっちゃうのは気のせい…?(※ある意味気のせいではない)
少し何か確認した後、俺様でも旦那でも分かりやすい引きつった笑顔で言った。

彩「棄権は有りでしょうか、真田幸村」
幸「恐れを為して逃げるとは卑怯でござろう、武士ならば潔く勝負されよ」

「うぅ…」と少し嫌がるように呻った後、ワシャワシャと髪を乱暴に触っていた。
なんだか、木刀と槍ではハンデがあって可哀想なので俺は旦那に向かって言った。

佐「あー…旦那ぁ、彩葉ちゃんと本当に勝負する気? 大将が丁重に扱えって言ってたのに牢に押し込んじゃうし、旦那らしくないぜ? こんなんだけど一応女の子なんだし、もう少し優しくしてあげるのも大切だと俺様思うなーなんて…」

旦那はこの言葉を聞いた後、真顔で言う。
て言うか、真顔で言うって事はもしかして…。

幸「佐助、減棒されて良いとみた」
佐「やだなあ旦那ぁ!! 俺様は別に彩葉ちゃんと旦那が勝負するのに反対なんてしてないんだぜ!」

俺は焦ってアハハ、と笑うしかなかった。
なんせほとんどの給料、生活にちゃんと貯めて使っているんだよ?!
その給料を下げられると俺様苦しいし、あまり任務入ってこなくなるし!
一瞬だけゾクッとした。
彩葉ちゃんから殺気が来たのだ。
彩葉ちゃんは黒い笑みをして俺様に言った。

彩「一回死んで来い、というか輪廻まわって猿になってもらえますか?」

この言葉を返すと、何だか本当に殺されそうだった為冷や汗をかいて黙った。

つづく…