二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA、リレー小説「総大将は女子高生!」 ( No.114 )
- 日時: 2010/07/03 12:36
- 名前: るりぃ (ID: Y0bUbKlP)
第二十三話〜生きて〜
上田城から脱出し、更には城下町からも脱出したアタシと彼女は、盗んだ軍馬で走り続けていた。
ぬーすんだ軍馬ではーしりだすー行く先もぉーわぁからぬままぁー
と暇だからとある名曲の替歌を歌っていたら、手綱を握っていた彼女は小さく笑った。
控え目な笑い方がツボです。
ヤベッマジで超可愛いんですけど、この生き物。
やがて馬は民家が少ない場所まで走り、そして道端にあった甘味屋らしきお店の前で止まる。
彼女も馬を下りる。
?「ついたよ。」
彼女がそう言ってアタシの右手を引いて甘味屋に入ろうとすると。
アタシの左手をガシッと掴むものがいた。
え、何? と言う前にその人はアタシを抱き上げる。
ど、何処のイケメソだ何処のイケメソ紳士だぁぁぁああああああ! 赤面が止まらないじゃねーか!
トキメキ指数全開というかメーターが振り切れんばかりの萌えというか。
美味しいシチュエーションに思わず鼻血が出そうです。
だが我慢するのがオタクというか腐女子というか貴腐人というか…まあとにかく我慢するよ鼻血は。
アタシを助けてくれた彼女は私を抱き上げてる人を見ると声を発した。
?「つ、燕兄?」
燕兄? …燕!?
彩「つ、ばめ? 燕? 燕なの?」
アタシが身体をよじって相手の顔を見ると
それは最北端にいるはずの燕だった。
燕「彩葉…助けに行くのが遅れてすまない…」
彩「こっちこそ…ごめんね。」
うわぁ、めっちゃ甘い雰囲気。今きっと背景に薔薇が飛んでるよ。
そう思っていると背後から気まずそうに声がかけられた。
?「あの〜良い雰囲気の所悪いのですが…周りの人の視線が痛いので甘味屋に入りませんか?」
あ、ほったからかしにしちゃってごめんなさい。恩人さん。
———所変わって此処は茶屋。
?「羊羹を一つ。」
燕「団子を三つお願いします」
お店の中に入って早速甘味を注文。
ああん可愛いよ燕。格好良いのに柔らかな笑みと爽やかさがあるので余計可愛いと思えるよ。
注文し終えてお茶が運ばれてからアタシはあることに気が付いた。
彩「まだ名前を聞いてませんでしたね。貴女の名前は?」
希「嗚呼、申し遅れたね。僕は早瀬希里。燕兄の幼馴染。」
彼女の名は希里というらしい。
アタシはへぇ〜、と相槌をうつとお茶に手を伸ばしたんだけれども、その前にガッシリと燕に腕を掴まれた。
……お、おお…痛い。
やべ、忘れてたよアタシってば真田幸村の槍を腕で防御して肉抉られてたんだった。思い出したら凄く痛い。
怪我って忘れてるとか気付いてないとかって時はそんな痛くないのに気付いたり気にしたりすると途端に痛くなるのって何で?
マジで痛いんですけどピンク色のお肉が隙間からお目見えしてるとかマジでどんだけだよ。
燕「…彩葉。言わせてもらうが、彩葉がそのような傷を作れば、悲しむ者が居るのを忘れるな。」
彩「うううう…スイマセン。」
燕「運良く希里が間に割り込んだのは奇跡だ。」
どう見ても真剣な燕です。
神様、もしかして燕からのお説教フラグでしょうかコレは。……恐ぇっす。
恐いよー怖いよーいきなり頭ゴツンとされたら泣いちゃうんだからなーと一人ガクガク震えてると、燕がアタシの腕から手の平へと握る場所を変えて、震える声で小さく呟いた。
燕「彩葉が生きてて、本当に良かった…」
オーケイ神様、燕フラグですね。
つづく…