二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: テニスの王子様トリップ小説『創造された世界』 ( No.1 )
日時: 2010/03/30 14:27
名前: 霽月 (ID: HKLnqVHP)

「つまらない。」
もはや私の口癖のように吐き出されるこの言葉。
こんなつまらない日常なんて、捨ててしまいたい。

ふと携帯のPCサイトアビューを開く。
お気に入りにはいくつものサイトが登録されている。
これは誰にも見られたくない、見られたら私のライフは0だ。
それのサイトの内容は……

——そう、俗に言う『夢小説サイト』だ。
自分が好きナキャラクター達と一緒に創られた世界で楽しむというものだ。
なかなか一般には言えない趣味である。
でもこれが私の最近のマイブームだ。

私が読んでいる夢小説の舞台はそう、テニスブームを巻き起こしたあの漫画……。
『テニスの王子様』

主人校を中心に多くの魅力的な学校が出てくる。
そしてそのキャラクターもこれまた個性的なのがたくさんいた。
その多くの学校の中でとくに私が好きな学校……


それは立海大付属中学校。
普通ここは青春学園という中心的学校をあげるべきなのだろうけど……。

私はこの立海を舞台とした夢小説を読んでいた。


……でも最近はどうやら“逆ハーレム”や“嫌われ”などが多い。
正直、…トリップ早々こんなこと起こるわけないだろと思う。
あんな基本自己中心のキャラが果たして平凡な主人公に興味を示すだろうか?

普通ないだろう…と私はうな垂れた。
「あぁー、もう。最近こういうのばっかだ。」


別にちやほやされるのは嫌いじゃない。
自分と置き換えなきゃ読める。
けど、ふと思った。



——これが、もし自分だったらどのように物語は展開するのだろうか。



暗い画面の携帯に映る自分の姿を見る。
普通の体系に…いや、ぽっちゃりで、顔は別にかわいいわけでもない。
性格なんて最悪だ。
無愛想で、人見知りで……とてもじゃないが、“笑顔の似合う〜”
とはかけ離れている。

「こんな状態でこの世界行ったってしょうがないな。」
というか、あくまで夢なのだ。


別に行きたいわけじゃない、むしろ行きたくない。
きっと現実にあんな集団がいたら私は真っ先に避けるだろう。
なんか……普通の人いないし。
それに特別に大好き!というキャラクターもいない。
じゃ、何がすきなのかときかれれば、私はその雰囲気が好きなのだというだろう。
あくまで小説を読むというのが楽しいのだ。
自分をあてはめる、なんてできない。


「はぁ、もう寝よう。」
携帯をパタリと閉じて目をつぶった。

明日もつまらない日常が始まるのだろう。
そう、いつも通り、何事もないまま。
それでいい、この小説のような事がおきるなんてまっぴらゴメンだ。


そう私は思って眠りにおちた。

このときはまだ、何も知らなかったのだ。