二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: テニスの王子様トリップ小説『創造された世界』 ( No.25 )
- 日時: 2010/03/31 14:47
- 名前: 霽月 (ID: HKLnqVHP)
あっという間に時間が過ぎいつの間にか放課後になっていた。
まさか今日半時間で2人のキャラと出くわすとは…
私は気疲れし、机に突っ伏す。
「結ちゃんは何部に入るの?」
「え—…文化系かな」
当然運動部なんて入れるわけもない…
ましてや、この学校はケタ違いすぎる。
「だったら、女子バスケのマネやらない?」
ジャージに着替えた夕ちゃんが駆け寄る。
てか…マネ!?
「いや…無理だよ。どんくさいし……。」
「そんな事ないし!今日も手際よく資料の整理してたじゃん! 」
そう、先生に言われて私は資料の手伝いをさせられていたのだ…
普通外部生にさせますか……
「…考えておくね。」
——
放課後、みんなが体験入部にいき教室は静まり返っていた。
「どうせだがら屋上にでも行ってみよう……。」
無機質な階段を上がり重い鉛いろの扉を開ける。
肺にいっきに入り込んできた外の空気を思いっきり吸い込む。
車の排気ガスが風に運ばれ微かに臭う。
「めずらしのう、ここに人がおるなんて。」
最近聞いた事のある声が聞こえる。
あぁ、忘れていた…屋上は彼のテリトリーだった。
ふと柵にもたれ掛かった人物を見れば、やはりあいつだった。
「今朝ぶりじゃね。」
仁王雅治は手にもっていたシャボン玉を地面に置く。
そして飄々とした雰囲気でこちらに歩み寄る。
逃げ出したい気持ちでいっぱいになった私は顔をしかめた。
「なぁ、おまえさん外部生じゃよな?」
まるで先程のデジャヴだ。
幸村さんに問われた時のように私は小さく相づちをうった。
「へぇ……ところでおまえさんは何処から来たん?」
何処?
それは、私の前にいた世界の話?
それとも、今の世界?
「……異世界からです。」
しばらく黙り込んでようやく発した言葉に私自身が絶
句する。
なにいってるの、私…
案の定仁王雅治はぽかんと口をあけていた。そして唇が、ゆっくりと妖しげに歪む。
まずい、目を付けられた。
馬鹿な奴だと彼は嘲笑っているのだろうか。
私はたまらず開け放たれていたドアから一気に階段を下る。
羞恥心とどこからか湧いてでる悔しさに顔を歪める。
そして、初めてこの世界は私の居場所ではないのだと、自分自身の言葉によって実感させられた。
「ほんに面白い奴じゃな。」
俺の勘に狂いはなかった。