二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼—Dream— ( No.2 )
日時: 2010/04/10 10:46
名前: 慧 ◆7nKhwj2R0I (ID: M22.tfSC)

第一話





『惨い話だなぁ、なんでこんな本書いたのさ
 この将層って人』


手に持った本は、話の内容とは裏腹に


何かを伝えたがっているような気がした


『こんなところで暇を潰している場合ではないか』


重い腰を上げ、着物の裾についた砂埃をはらう。


『しかし・・・こんなことに隠し倉があったとは』


家の床下に古びた部屋があった。


部屋のものは全て死んだ祖父が集めたと思われる。


その証拠に、本の全てには祖父の名が刻まれていた


ふと横を見ると、一冊の本が置き去りにされていた


『なんで棚にしまってないんだ;』


本の題名は


『・・・羅刹』


”羅刹”というよくわからない題名に対して


びっしりと難しい文が書かれていた。


『難しいことは私には似合わん』


そう言うと無造作に”羅刹”と書かれた本を


床に捨てた。


この時はまだ、ただの古びた本にしか


思えなかった。



あの日が来るまでは——