二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *VOCALOIDのお話* ( No.10 )
日時: 2010/06/08 13:07
名前: 黒蝶 (ID: 9Q/G27Z/)

2粒:神様なんて信じない

「・・・・・・・・・・・」

マスターは、無言でイスに座った。
私はまだ涙が止まらない。何で、なんで、ナンデ。
これなら、呆れて部屋を出て行って貰った方が良かったかもしれない。
声を出せない。顔をマスターに向けられない。
ふと、近くにおちていた紙を拾った。
VOCALOIDの説明書———。
ああ、そうだ。これは私達、等身大ボカロの専用説明書、か。

等身大VOCALOID取扱説明書
※スタートボタンはありません。電池などもいりません。一緒に居て上げてください。
※話しかけてください。寂しさが一杯になるとスパークを起こします。

こんなの、よく書いたね。マスターは読んだのかな?読んだらこんな風に接しないよね・・・?
一滴、涙が説明書に落ちた。
急いでハンカチで拭った。
濡れたところからまた読み始める。

※等身大VOCALOIDが当たった方には他のVOCALOID商品を半額で

これ以上先は読みたくなかった。
読みたくなかったしよめなかった、
そこから下は破り取られていたから。
でも、分かる。半額で買い取ることが出来ます。みたいなことでしょう?
そうだよね。
マスターも買っちゃうのかな・・・。
そう想うと疑問が出てきた。
何故、呆れて部屋の外に出て行かないのか。
→新しい商品を買うためにパソコンで・・・?
実際マスターはパソコンを開いている。
機械の音やクリックの音もする。
そっと、マスターの方をみた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ!!!!!!!!!!!」

開いているのは

VOCALOIDの

商品サイト。

私は現実から目を背けた。
これが事実だと知っていても
私は此処に居たくなかった。
急いで
急いで
急いで
部屋の外に出た。