二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *VOCALOIDのお話* ( No.117 )
- 日時: 2010/07/05 19:36
- 名前: 黒蝶 (ID: 4RXkNMBl)
8粒:愛してる
「マスター・・・」
全速力で走ってきた私は鼓動が早くなっている。
・・・それ以外にも理由はあるかもしれないけど。
周りに人はいなくてマスターしかいないからすぐに分かった。
マスターは腕と足を組んで帽子を深く被っていた。
私に気づいたのかこっちを見たとき、帽子の影から見えた蒼いマスターの目がいつもと違ってどことなく温かく感じた。
「よお。此処座れよ」
そういってマスターは隣を叩いた。
私はちょっと照れくさかったけど座った。
マスターは何も感じてないように見えるけど。
マスターは今、どんな気持ちなのかな?
マスターの本当の気持ち・・・って?
「・・・・・・・・・・・・」
暫し沈黙が流れた。
急にマスターが足を組むのを外して手を組むのも外した。
そうして右手は私のてに触れている。
・・・・・・・・私の鼓動、伝わらないよね?
「あのさ」
マスターが急に喋ってきたからちょっと吃驚した。
そしたらマスターは更に私の手を握ってこっちの方を見る。
真剣なまなざしで。
「俺のこと、どう想ってる?」
大好きです。
一方的に話しは進んでいく。
私は何も言い出せなくて。
「今日さボカロショップにいって」
分かってます。
「2つ質問してきたんだ」
質問、ですか?
「最初に、等身大ボカロ・・・ミクを返品できないかって」
何故、何故ですか。
「お店の人は迷った感じだったよ」
そして新しいボカロを買うんですね。
「だからとりあえずその話は置いてもう1つ言ったんだ」
新しいボカロについてでしょう?
「なんで、ミクとは恋愛ができないのかって」
え?
「説明書に書いてあったんだ」
そんなのなかった。
「一番下に」
新しいボカロが半額のことしかなかったよ。
「等身大VOCALOIDとは恋愛をしてはいけませんって」
書いてない。
「嫌になって、破いちゃったけど」
破い、た?
「失敗して半額云々のとこまで破いちゃったけど」
だから書いてなかったの?
「まぁ買うつもりはなかったけどな。」
何故?
「俺にはミクがいれば充分だ」
嘘。だってかまってくれないんだもの。
「だけどミクはマスターマスターって」
一杯呼んでるじゃありませんか。
「俺のことを名前で一度も呼んでくれない」
っ!
「ってきり嫌われてるのかと想ったから」
・・・。
「それならば、せめてものと、新しいマスターのところにいって貰おうと想って」
・・・・・・・・・。
「違うのか?」
「違うっ!!!!!!!!!!!」
勢いあまってマスターを押し倒してしまう私。
違うから。違うから。
今度こそは、言わせて。お願い。
「好きだった!ずっと好きだったのにマスターは最近私を歌わせてくれない!」
「だってあれは御前が歌う度に哀しい表情をするから」
「マスターが前のように喜んでくれないから!私まで・・・っ!」
止まらない涙とこの想い。
「マスターのこと、ずっと好きなのに。使って貰いたいのに」
マスターの服を掴んで顔を埋めて喋る。
「なのにマスターが・・・・・・・・・っ!」
「悪かった」
さっきまで目を見開いて驚いていたマスターが発した声。
「俺はてっきり・・・・・・・・・」
ずっとすれ違いだったこの想い。
「俺も、好きだよ」
やっと結ばれた模様です。
「私もマスターのこと・・・」
「こら、マスターはもう卒業、だよ?」
マスターは私の唇に人差し指をあてる。
そうですね。
もうマスターは卒業します。
「大好きっ!優哉!」