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序訓＊『始まりの小唄』



この世はどうしようもなく理不尽で、馬鹿げてる。
だから私は、逃げ出した。

——————グッバイ故郷、もう戻ってなんか来ないんだからなばーか。





「ここか……万事屋銀ちゃん」

一人の少女は、ぺらりと持った一枚の紙と、その建物を交互に見て、呟いた。


凄腕の何でも屋があると、風の噂で耳にした。
だから、救われると思った。

難しい事は言わない。ただ、付き合ってくれればいい————私の、宝さがしに。

でも、
もう何か、そこはかとなく胡散臭さが漂ってきてます。
玄関からもう変な匂いするんですけど状態なんですけど。

救われるでしょうか本当に。




……あと
その辺のジャニーズよりカッコイイ銀髪イケメン社長と、
緩やかな笑みの黒ぶち眼鏡の美男子と、
人間離れした美貌のおてんばチャイナ美少女
がいるって聞いたんですが、本当でしょうか。


不安を抱えて私は入口に向かう。
【万事屋銀ちゃん】の。