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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: テガミバチ ( No.4 )
- 日時: 2010/05/02 20:25
- 名前: すもも (ID: 84ALaHox)
第二話
バサッ・・
遠く向こうの空を飛んでいたアスは一回転をした。
そして高速で風を切り少女の前に舞い降りた。
「クェックェッ!」
さぁ、乗ってと少女を促し、少女はアスに飛び乗った
また3メートルを超える翼を広げ、飛び立った———
さっきまで見上げる程だった家々は小さくなり、
遠くに「BEE−HIVE 通称ハチノス」が見えた。
そう、少女はテガミバチなのだ。
「わわッ! アス! 回転しないでェェ!」
少女は目を見開き叫んだ。
長いマフラーが生き物のようになびいた。
大きなアスは楽しそうに風を切り回転する。
ハチノスの前に少女と同じ制服を着た人が、二人。
アルビス種の銀の髪の毛のブンブンと手を振る少年。
その隣にはちょっと背の高い両手をポケットに入れた黒髪の少年。
二人とも少女を見上げている。美少年だ←
ふわりと地に足を着けた少女に駆け寄ってきた少年。
「リリー! ちょっと遅かったよー」
悪気の無さそうな暗褐色の澄んだ瞳。
だがリリーと呼ばれた少女はムッとして
「うるさいラグ! おこちゃまのくせに!」
と眉間に皺を寄せた。
泣き虫なのだろうか、うるっとした目でしょんぼりするラグ・シーイングはリリーを見つめる。
その後ろからまだ両手をポケットに突っ込んだ少年は
「そんだけで怒って! おこちゃまはお前だろ」
と、いじわるそうに笑った。
顔を赤くしたリリーは黒髪の少年のマフラーを引く。
「あ、あんたに言われたくないわ!ザジ・・!!」
「ぐえー こいつ本当に女かよ!?」
そしてザジは、ギブ!ギブ!とマフラーを引っ張る。
ようやくため息をつき、リリーは手を離した。
周りを通る人はクスクスと笑っていた。
恥ずかしそうに目をそらし、またため息をついたリリーはハチノスへ向かった。
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