二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Chapter—1 ( No.2 )
日時: 2010/05/05 13:29
名前: 花森千風 ◆O6d6xo.9Cg (ID: OnRzE.oe)


 アリスはぱちっと目を開けました。

 どうやら彼女は知らないうちに寝てしまっていたようです。それも、身体のだるい感じからすると、かなり長い時間をかけて。

「大変だわ」

 そう言って勢いよく飛び起きてみたはいいものの、実は当のアリスには何がどういったふうに大変なのかはよく分かっていません。ただ長い間眠ったままでいたのなら、当然寝た分のご飯は食べられないわけですから、アリスは次にこんな独り言を呟きました。

「えーっと、私は何食食べ逃したのかしら」

 アリスは空を見上げます。頭の上には青くてきれいな空が、じゅうたんみたいに敷きつめられています。雲はうっかり落としてしまった綿あめのようで、ついでに太陽は砂糖をまぶしたハッカの飴玉みたいです。

「あら!」

 アリスは思わずそんな声を上げました。というのも、太陽が彼女の真上にあるのに気がついたからです。

「と、いうことは今はお昼なのね。もしも私が夜に寝たのなら、私はご飯を二回食べ逃してしまったことになるわ!」

 アリスは急いで立ち上がりました。これ以上食べ逃したりしたらお腹が減って死んでしまうかもしれません。早くお家に帰ろう。そう思いました。

 けれどその時、彼女は気づいてしまったのです。


 ここがどこだか、分かりません。