二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: デュラ!!†:.:*黒猫インサニティ*:.:†黒猫狂想曲UP ( No.2 )
- 日時: 2010/05/09 12:54
- 名前: ちぃ ◆iZEte2cAQM (ID: kpG4msIT)
- 参照: 狂気の中に光を見れるなら私は狂っていたって構わない___
黒猫0匹 [都市伝説]
今日も都市伝説の「黒バイク」は闇夜に包まれる池袋という魅魑魍魎(みちもうりょう)の街を駆け抜けていた。
彼女、セルティ・ストゥルルソンは人間ではない。
俗に「デュラハン」と呼ばれるスコットランドからアイルランドを居とする妖精の一種であり___
天命が近い者の住む邸宅に、その死期の訪れを告げて回る存在だ。
切り落とした己の首を脇に抱え、俗にコシュタ・バワーと呼ばれる首無し馬に牽かれた二輪の馬車に乗り、死期が迫る者の家へと訪れる。
うっかり戸口を開けようものならば、タライに満たされた血液を浴びせかけられる____
そんな不吉の使者の代表として、バンシーと共に欧州の神話の中で語り継がれてきた。
一部の説では、北欧神話に見られるヴァルキリーが地上に堕ちた姿とも言われているが、実際のところは彼女自身にもわからない。
そんな彼女は黒いバイクに跨り颯爽と街を駆け抜けながら不吉なものを感じていた
何かがおかしい、
何か・・そう街がどこかおかしいのだ
最近の池袋は黄巾族やダラーズ、罪歌の事もあり随分物騒になったが
それ以上に何か池袋に新たな変化が訪れようとしている
彼女の同居人、岸谷新羅にこの事を話すと彼はこう言った
「これはあくまで僕の推測なんだけど・・セルティは人間の死期を感じるように、他の変化とかにも敏感なんじゃないかな?」
一種の予知みたいなね________
(予知・・か)
彼女はデュラハンの頃の記憶が欠落している
それは20年前に自分の首を無くしてからだ
街の夜空には星は一つもなく
ただ紅い不気味な月が浮かんでいた
(不吉だな・・)
そう思いながら彼女はBRRRR!とバイク音を鳴らし駆けて行った
そして
紅い月はもう一人の事も照らしていた
彼女は
何も言わず高層ビルの屋上から紅い月を見つめ
そして
静かにほほ笑んだ________