0×1何で、此処に来てしまったんだろう。夕暮れ時の教室で少女——前橋ゆうりは考えた。——此処に来て見たいとは思った。だが其れが現実になるとは誰も思わないだろう?ただ、一度読んでみて世界観に興味を持っただけ。なのにどうして。嬉しくも無いし、悲しくも無い。ゆうりは二つの感情に飲まれていた。「兎に角」少女は呟く。そしてもう一度決意するように呟いた。「兎に角、池袋に行ってみよう」