二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 鋼の錬金術師 —黄金の女神— ( No.18 )
日時: 2010/06/08 16:36
名前: ちー ◆m6M0e7LQrQ (ID: kGxiTXX6)

「何でだ? 誰かの命令かよ」
「えぇ、命令です。理由は私にも分からないので」

 女性は冷たく言うと、再び手を合わせた。そして地面に手をつき、小さな剣を錬成した。汽車の地面はコンクリート製なので、錬成が行いやすい。
 
「そう言えば、名前を名乗るのを忘れてたっけ。私の名は、シザ・レクン。……実を言うと、31歳」
「正真正銘ババアじゃねぇかっ!」

 エドワードはツッコミを入れると、自身も手を合わせ、先に右手を元に戻した。そして再び手を合わせ、槍を錬成した。その槍の先には、趣味の悪い物がついている。

「……趣味悪……」
「うるせぇっ! オレのセンスに文句あるかっ!」
「大ありです」

 そう言うとエドワードはシザに向かって槍を振り下ろした。シザはそれを小さな剣でとめる。よくそんな剣でとめられるな、と、エドワードはつくづく思った。

「……やっぱこの剣では勝てないか……」
「ぼさっとしてんじゃねぇっ!」
「あら、ごめんなさい。ですが鋼の錬金術師。そろそろ終わらせていただきます。“あのお方”に……鋼の錬金術師を、抹殺せよ、という命を、あずかっていますので」

 シザは再び両手を合わせ、地面に手をつける。すると、エドワードの足元から石製のロープの様な物ができ、エドワードの身体に巻き付いた。
 コンクリート、つまり石でできた物なので、そう簡単には外れないだろう。それに、両の手も合わせられぬように離されている。

「これで……終わりですね」
「野郎……っ!」

 その時、勢いよく車両の扉が開いた。そこには風貌のデカイ鎧、アルフォンスが立っていた。

「兄さん!」
「アル!」

 アルフォンスは手を合わせると、シザの攻撃をよけ、エドワードの元に駆け寄った。そして、その掌を石のロープにつける。
 すると、石のロープは一瞬で崩れた。エドワードは手を握り締めたり開いたりする動作を繰り返すと、アルフォンスの鎧をコツンと叩き、サンキュ、と礼を述べた。

「1対2、とは……。平等じゃないですね、鋼の錬金術師」
「知るか。喧嘩に平等も不平等もあるかっての。さて……第2ラウンドと行こうじゃねぇか!」