二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 鋼の錬金術師 —黄金の女神— ( No.27 )
- 日時: 2010/06/12 13:03
- 名前: ちー ◆m6M0e7LQrQ (ID: aHnc/Oh6)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?448026
「終わった……のかな……。って、兄さん!」
「アルか……。サンキュ、助かった」
「そんな事はいいけど……。足! 腕! 大丈夫なの!?」
まるで母親が心配するかのように、アルフォンスは次々とエドワードに向かって心配の言葉をかける。それだけエドワードの悲鳴が答えたのだろう。その時にアルフォンスはシザを投げたのだから。
「待ってね、兄さん。今、これ外すから……」
アルフォンスはエドワードを固定しているものを鋭く睨み、両の手の平を合わせた。その手をエドワードを固定しているものに合わせると、たちまちそれがもろい物質になり、跡形もなく壊れ去った。
エドワードはまだ痛む手足に顔をゆがめながらも立ち上がり、アルフォンスに礼を言った。
「大丈夫、兄さん?」
「あぁ……。まだ付け根が痛むけどな……。それよりアル、こいつ、オレにこう言ったんだ」
気を失っているシザに、錬成したロープを巻きながら、エドワードはアルフォンスに言う。アルフォンスはシザが両の手の平を合わせられない様に、別々の場所に手を結んでいる。
「オレをルフォードの町に行かせるわけにはいかない、とか、“あのお方”ってやらに、オレを抹殺しろ、って命令を出された……とか」
「兄さんを殺す!? ……兄さん、ルフォードの町、やめておく? 図書館ならどこにでもあるし……そんなのボク、不安だよ……」
心底脅えた様子でアルフォンスが言う。脅えているのではないのだろう。エドワードがそんな危険にさらされているのに、わざわざルフォードの町に行かなくていい。アルフォンスはそう思っているのだ。
そんな気持ちが痛いほど分かったエドワードは、アルフォンスの鎧の背中部分を軽くたたき、サンキュ、アル、と述べた。
「でも……オレは一刻も早く、お前を元の身体に戻らせてやりたいんだ。そこの図書館に何かてがかりがあったら、早く元の身体に戻れる。こんなことで脅えて、オレが行かないとでも言うのか、アル」
「……そうだね。言ってもたぶん聞かないだろうし」
「そう言う事だ……ってなんだよその言い様は!」
楽しげな会話をきったのは、この一言だった。
「そんな言い様、ここから通じますかね」
「お、お前……おばはん、起きてたのかよ?」
「ババアって言うな、豆粒チビ」
低レベルの喧嘩が始まったのを、ため息をつきながらアルフォンスが見ている。しかし数分後、エドワードはシザを真剣なまなざしで見つめていた。
「誰に、オレを抹殺しろ、って命令されたんだ?」
「教えられません」
シザがエドワードを睨みながら言うと、エドワードは怪しげに笑った。
「ア〜ララ〜? 今あんたはオレ達の手の内だって言うのに、そんな口調でいいのかぁ?」
「……手の内? そんなことありませんよ」
次の瞬間には、汽車は爆風に包まれていた。