二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:  時間 【鋼の錬金術師】 ( No.5 )
日時: 2010/07/01 16:28
名前: 魁菜 (ID: Z5bWY0rP)

       第1章 記憶 -キオク-

 この記憶はとても残酷で、悲しい物。
 この記憶はオレ達の罪で、オレ達の禁忌。

       どちらも苦しい物

     *° 第1話 国軍中佐 *°

『ラウナ? なぜそんな悲しそうな目をしている? せっかくの綺麗な瞳が台無しじゃないか』

『だって……国軍中佐になって……人を殺めるのが増えるかも……しれない』

 寂しい時、悲しい時、苦しい時、辛い時。
トゥローはずっと、支えてくれていた。こんなけがれた私を。

『大丈夫だ。ボクは君の味方だ。ラウナ』

『……ありがとう。トゥロー』

 トゥロー・ガルヅア。私の愛しい人。
トゥロー。優しすぎる人。愛しすぎる人。

『ラウナ』

 トゥロー……。

「……シア中佐……」

 トゥロー……。トゥロー、どこにいる?

「イリ……ア中佐……」

 そうか……。トゥロー……。トゥローは……。

「イリシア中佐ッッ!!!!」
「うわぁっっ!!」

 ……あやうく椅子から落ちそうになった……。

「フュリー曹長……。どうしたのですか?」
「もう。しっかりして下さいよ、中佐!!」

 しっかりしてるよ。失礼な、フュリー曹長め。

「イリシア中佐にお客さんですよ。仮眠室でいつまでも茫然としてないで、早くお客さんの所に行ってくださいよ」

「分かった。分かったから」

 フュリーは人が良すぎる。軽くフュリーを押しのけて、私はマスタングの部屋に向かった。

   『ラウナ』


  【 よみがえる記憶をおさえつけながら 】