二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   空 【銀魂】 イメソンup!! アンケ実施中!! ( No.352 )
日時: 2010/09/28 18:30
名前: アリス (ID: /jbXLzGv)

—特別番外編 智那様キリリク—


屯所外。
今日はよく陽の照る天気の良い日だ。
そんな日に、俺と比遊は外出していた。
正確に言えば俺は俺用のマヨネーズを。
比遊は雅焔用のマカダミ●ンナッツを買いに来ていた。


「十四郎君、マヨネーズの具材選びだけに何時間掛かってるの?もう雅焔ちゃん用のマカダミアン●ッツ買ったし、帰りたいんだけど…」

「比遊テメェ、勝手に付いて来といて何勝手にパトカーの鍵奪ってんだよ」


俺はピクピクと眉を動かす。

やっぱり連れて来なきゃ良かったか。
付いて行く、なんて言うから連れて来てやったらやっぱり此れか。


「…十四郎君って本当に堅物だよね。何でそんななの?」

「話変えるのはヤメロ。バレバレだ」


静かに俺はツッコむ。

比遊が可哀想だと思う其処の奴!!
テメェは頭が狂ってるな。
つか、むしろ俺のが可哀想だろ。
自分で言ってて泣けて来たわ。

比遊は一切動じず、むしろ無表情のままだ。


「十四郎君、十四郎君」

「っ…何だよ!!」


俺はイライラしたまま振り返る。
比遊の腕の中には。


「猫拾っちゃった」

「何処で拾ったアアアアアア!!今此処スーパーだぞ!!」

「其処で」

「有り得ねーだろオイ」


俺は最早諦め、深い溜め息を漏らす。
比遊はニコニコと笑顔を見せながら、猫の頭を撫でる。
猫は嬉しげにゴロゴロと喉を鳴らす。

一つ聞きたいが、何で猫ってゴロゴロ喉鳴らすんだ?
ウケ狙いか?
其れとも頭で考えての結果か?


「ねぇ十四郎君!!此の猫飼おう!!」

「もうテメェの部屋猫だらけだろーが。誰の部屋に置くんだよ」


ムスッと眉間に皺を寄せ、比遊は向こうを向いた。

因みに、比遊の部屋は今現在だけで約十匹程猫がいる。
其のせいで屯所内で「毛だらけの部屋」と密かに呼ばれているのは、多分比遊は知らないだろう。
というか、此れ以上猫が増えられると困る。
俺は猫があまり好きじゃないしな。

…は?
自分の好き嫌いは関係無い?

…黙れ!!


「…もう十分いるだろ」

「けど、此の猫はどうするの?捨てたら死んじゃうよ?」


若干上目がちの様子で比遊は俺を見る。
俺は不意打ちのせいで、若干頬を赤らめてしまい、目を背けた。

捨てたぐらいじゃ死なねーよな。

…え?
死ぬ?

…黙れ!!


「十四郎君が絶対駄目って言うから…ごめんね」


比遊はごめんね、ごめんねと何回か呟きながら、猫の頭を何度も撫でた。
其の目は何処か悲しげで、俺は何と無く嫌悪感を抱いた。

悪いことをしたのかも知れない。
けど、仕方無い話だ。

比遊は未だに名残惜しそうに猫を撫でている。

…黙れ。
もう、黙れ…(泣


「比遊が世話するなら、別に良い」

「え?」

「比遊が世話するなら、別に良いっつってんだよ」


俺は煙草をくわえ、ライターで火を付ける。

あ、因みに今目の前で読んでる奴は吸うなよ。
せめて吸っても一日二本までだぞ。

比遊はパァッと表情を輝かせ、ニコニコと微笑んだ。


「ありがとう!!十四郎君、大好き!!」

「…ッ…////」


俺は耳まで真っ赤にさせてしまい、また比遊から目を反らした。
結局比遊だけ先に帰らせて、俺は歩いて帰った…。