二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 空 【銀魂】 22話up!! アンケ実施中 ( No.414 )
- 日時: 2010/10/22 23:47
- 名前: アリス (ID: /jbXLzGv)
—特別番外編 偉薔薇様アンケリク—
或る日。
其の病原菌はとても唐突にやって来た。
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「アリスさん、今日は起きないですね…何ででしょうか?」
朝御飯を頬張りながら、新八が尋ねた。
まぁ、確かにそうだ。
最近何故か料理にハマッたのか(凄く迷惑だが)、毎朝起きていた。
だが、今日は俺等が起きて来るまで、否、今も寝ている。
「風邪でもひいてるんですかね?」
「じゃあ新八見て来い」
「そうネ。ダメガネなんだから、其れぐらいするアル」
「うん、アンタ等鬼?アンタ等より早く起きてご飯作ってやってるんだよ、僕」
そんなツッコミをしながら、新八はアリスの布団を容赦無く剥いだ。
「アリスさん、もうお昼です、よ…」
新八がアリスを見ながら、固まる。
新八はこっちを見て口をパクパクと動かしながら、指をアリスに向けた。
何かあったのだろう。
新八の額から、ダラダラと汗が流れ落ちている。
仕方無く二人で新八に近付く。
「何があったんだヨ、ダメガネ」
「神楽ちゃん、ハナクソほじくりながら来るの止めよう。あと、僕にハナクソ飛ばすのも」
冷静にツッコミを入れるが、手元は動揺でいっぱいだ。
俺も神楽も、アリスを見た瞬間凍り付いた。
な。
ななななななななな。
なアアアアアアアアア!?
「な」しか最早言えない状況にさえ陥る俺。
「アリスウウウウウウウウウ!?」
「んぅ…誰…?」
目を擦るアリスは明らかに違う奴で。
否、アリスなんだがアリスじゃなくて。
とにかく。
幼児化してたのだ。
「お兄ちゃん達…誰……?」
下から見上げられ(普段から見上げられていたが)上目遣いになっている幼児化アリスに、不覚にもドキリとしてしまう。
つか、待てよ。
うん、待てよ。
何故アリスだけがんなことになってんだ?
アリスに幼児化された所で悪いことは無いし、むしろ良い所しか無い。
むしろこんな幼児化になってるアリスのが可愛………待て待て。
せめてまともな大人であらせてくれ。
ロリコンになるのだけはまっぴら御免だ。
…が、其れにしても可愛過ぎるだろ。
待て待て待て待て。
またまともな大人から外れてるぞ。
そんな俺の心の葛藤は理解してくれずに、アリスは俺の服の裾を掴んだ。
「お兄ちゃん、誰?」
「聞かれてるアル!!ホラ、早く答えるネ、銀ちゃん」
神楽が急かす為、俺はロリコンじゃ無いことを願いながら挨拶した。
つか、マジロリコンは止めて欲しい。
…あんだけ普段でも身長低いし、(可愛いげは無いけど)童顔だし。
俺、まさか本気でロリコンなんじゃ…。
「お、俺は坂田 銀時」
「私は神楽アル!!」
「僕は志村 新八です」
「銀兄…神楽姉…新、兄?」
其の一言で全員がハートを射抜かれたらしい。
新八に至っては顔を紅潮させ、狼狽えている。
やはり、ロリコン。
新八に至ってはロリコンにシスコンまで入る。
ある意味…凄いな。
チョイチョイ、と神楽が手招きをするから、近付く。
神楽は俺の耳を無理矢理引っ張ると、囁いた。
「(何でこんなにアリス可愛いアルカ!?此れは軽く犯罪ネ!!)」
「(お前もロリコンに入る訳か。つか、新八テメェ惚れてんなよ)」
「(わ、分かってますよ!!)」
内緒話が気に食わないのか、アリスが頬を膨らませた。
可愛過ぎるだろオオオオオオオ!!
お前、ちょ、分かってるか其の可愛さアアアアアアアアア!!
今外出たら誘拐されんぞオオオオオオオ!!
もう良いよマジでロリコンで!!
「アリス何か食べたい物とか無いアルカ?」
「…苺…」
おずおずと頼んで良いのか分かりません的な雰囲気を出しながら、アリスは静かに言った。
苺オオオオオオオ!!
無い!!
んなモンねぇ!!
なら。
「新八イイイイイイイ!!スーパーで買って来い!!美味いヤツ選んで来いよな!!」
「ダメガネなんだから其処ぐらい役に立つネ!!」
「分かりましたアアアアアアアアア!!」
既にもう全員がアリスの可愛さにやられていた。
思う通りに皆が動いていた。
瞬間。
ポンッという音と共に、アリスが煙に包まれた。
「アリスウウウウウウウウウ!?ちょ、何があったアアアアアアアアア!?」
「銀ちゃん、アリスがアアアアアアアアア!!」
「分かっとるわ!!」
煙が晴れた時には、既に幼児化のアリスはおらず———。
いつもと同じ様なアリスが嬉しげに眠っていた。
一瞬の夢だった訳だ———。
俺等は項垂れた。
あの、可愛いアリスは…可愛過ぎるアリスはもういなかった。
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後のテレビにて。
『只今、謎の病原菌が多発しておりますが、安心して下さい。
感染してからおよそ三時間程で戻ります。
三時間以内に病原菌を無くしたい場合は、此方…TEL073-★☆▲▼へ』
俺等は電話を掛けて、苦情を出す。
「幼児化させる薬開発してくれないんですか!?」
(夢は一時だったな)
(そうアルナ…)
(あーあ…開発してくれれば良いのに…)
(何の話ぃ?)