二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- つまりそういうことなのです ( No.354 )
- 日時: 2011/02/14 18:37
- 名前: 宮園 紫奔 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)
@つまりそういうことなのです
「ほい」
「は?」
すっと差し出された手のひらを見て、マキュアが盛大に顔をしかめた。なに? とでも問いたげなとげとげしい視線を、その手のひらの主のゼルへと向ける。一方怪訝な視線を向けられたゼルも、むっと眉をひそめて怪訝そうな目つきでマキュアを見据える。数秒変な沈黙が続き、やがてぽつりとマキュアが顕著な疑問を言葉に乗せその沈黙を破った。
「……いや、何?」
マキュアのその問いかけに、わかってねーなとでも言いたげにゼルが呆れた表情を浮かべる。それに気分を害されたのか、マキュアが口をとがらせ先程よりも鋭い視線をゼルへとぶつけた。プライドが高くいつも人を見下しているような風情のマキュアにとっては、ゼルの先程の反応は神経をとがらせるだけのものだったに違いない。今にもゼルに罵声を放って、そこから立ち去ってしまいそうだ。
「何、じゃなくて。今日、なんの日?」
ゼルにそうたずねられ、マキュアは投げやりに思考を巡らす。何日かわからなければなんの日かなどわかるわけでもないので、まず脳内のカレンダーを起動させる。連休明けのおかげで少しあやふやになっていたが、数秒考えるとすぐさま何日か思い浮かぶ。
「……バレンタインデー?」
そう確かめるように問うてから、それとアンタがなんの関係があるのよとマキュアは心内で呟く。何故バレンタインデーだからといって、マキュアがゼルにチョコを渡さなきゃいけないことになるのか。意味わかんなーい、適当にぽいっとそんな言葉を心内で吐き捨てると同時に、ゼルが言った。
「そうそう。だから」
「いやいやマキュアに何期待してんのよ」
ハッ、と嘲るような笑みをマキュアは浮かべてみせる。それでもゼルは少しも動じた様子は見せずに、当たり前のように淡々という。
「そーじゃなくてさ。デザーム様に渡すチョコだよ、ばかやろー」
俺に渡すチョコとかそんなんじゃねーよボケ、とゼルは吐き捨てて居心地悪そうに目線をふらふらと宙に彷徨わせる。
え、と思わずマキュアは不意を突かれたように先程までの勢いをすっかりと失ってしまう。じわじわと記憶が再構成をはじめ、ふっと思い出した。各自それぞれでチョコを作り、そのチョコをホールケーキに乗せ、それをデザーム様へプレゼントしようとイプシロンで企画していたのだ。別にマキュアは忘れていたというわけではなく、そのチョコレートは既に作ってあり冷蔵庫にしまってある。
今までマキュアがすっかり忘れていたようにそのことを思い出さなかったのは、背中に隠している手に握っているチョコレートをいつ渡そうかと必死だったせいで。向こうからあんな風に要求されれば、渡せるはずなんてないと胸中でわめいていて。それはつまり、マキュアが今ゼルにチョコレートを渡そうとしていることを意味していた。
「……マキュア、嫌いっ!」
動揺やら焦りやら羞恥やらが一気にこみあげてくるのを感じて、マキュアは思わず手の中に握っていた可愛くラッピングされたチョコのつつみをゼルへ向けて放り投げた。そして思い切り叫ぶと、ゼルにくるりと背を向け走り出す。
一方投げられたゼルは咄嗟に反応することができず、顔面からそのつつみの直撃をくらう。そこに『ゼルへ』と書かれている紙が貼ってあるのを見て、思わずゼルは居心地悪そうにふいっと目線をあらぬ方向へと向けた。
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マキュゼルっぽいけどゼルマキュと言い張る。実はゼルは自分へのチョコは無いのかと胸中で呟きまくってたりすればいい。
うぐっはゼルマキュかわええ!この二人はかわいい!
とりあえずVDネタはふどたかとバンレアだけは絶対書くお(^ω^)
後は気分次第^p^