二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】 「大っ嫌い!!」 沖×神 ( No.3 )
日時: 2010/07/18 17:50
名前: *銀* (ID: ia9Umcvq)

第二訓「会いたい」

次の日。神楽はまたしてもソファの上に寝転んでい

た。腹が立っていた(減っていた)わけではない。

昨日の総悟の言葉について悩んでいたのだ。

「『旦那なら相手にする』って…どういう意味ア

ル?」

神楽は何度もその言葉を口にした。そして、総悟の

あの悲しそうな口ぶりも思い出していた。

「…なんであんなサドの奴を心配しなきゃならない

ネ!どうでもいいアル…!!」

考えることをやめたかった神楽は、大きな声で言っ

た。

「オイ、うるせーぞコノヤロー」

銀時が読んでいたジャンプから目を離すと、けだるそ

うに言った。

「今、いろいろと悩んでるアル!ほっといてほしい

ね!!」

「その声がうるせーんだよ。散歩でもしてこい」

銀時は立ち上がると、神楽の傘をとり、ポイっと投げ

た。そして、

「…そういえば今日は、新選組が江戸を見回るってい

う話だな…」

と言った。

「散歩してくるアル!!!」

その瞬間、神楽は跳ね起きると、脱兎のごとく行って

しまった。

「分かりやすい奴…」

銀時はフッと笑うと、再びジャンプに手を伸ばした。






「うー、どこアルかァ?」

神楽は江戸を走り回っていた。なぜだか、総悟に会い

たいという気持ちが神楽の中にあった。

しかし、走り続けて一時間。新選組の影一つない。

神楽は公園前で止まると、ベンチに腰を下ろした。

「…」

がっくりと頭を下げた。

「酢昆布でも食うアルか…」

ポケットの中に手を伸ばした。しかしそこにはなにも

ない。

「アレ?」

神楽は首をかしげた。すると頭の上から声が聞こえ

た。

「そこのお嬢さんがお探しのはコレですかィ?」

見上げると総悟が酢昆布を持っていた。

「あっ!私の酢昆布アル!」

上に手を伸ばし、総悟から酢昆布をとろうとした。

しかし、総悟がヒョイッと自分のポケットの中にしま

った。

「なにするネ!それは私のアル!!」

神楽は拳を上に振り上げて叫んだ。

「この酢昆布返してあげてもいいですぜィ?でも、

タダって訳にはいかねェな」

「?…何すればいいアル?」

「こういうことすればいいですぜィ」

総悟は神楽の両手首を握ると、顔を神楽に近付けた。

チュッという音がすると神楽の手には酢昆布があっ

た。

「それじゃ」

総悟はスキップしながら行ってしまった。神楽は、魂

がぬけたようになっていた。そして大声で叫んだ。

「あんな奴…大っ嫌いアル!!!」