二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.2 )
日時: 2010/08/23 07:16
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

ねぇ、俺の願い、神様はかなえてくれる?



—Flame,01— 少女×少年


——ザザザザザ・・・


木々を揺らす風の音が聞こえた。
もうろうとする意識の中で、俺は目を薄っすらと開ける。
林が揺れ、桜が揺れる景色を目にした。
そのまま、俺は目を閉じる。





「ったく、ボロボロだな・・・」

「・・・」

次に目を覚ましたとき、真っ白な天井が一番先に目に入った。
ガバッと体を起こす。

「オイオイ。安静にしてろよ」
「・・・誰?」
「俺はDrシャマルだ。おめぇが道端で瀕死の状態でぶっ倒れてたから助けてやったんだよ」

ハァッと言って頭をかく、Drシャマル。
俺は震える手を見る。

「・・・」
「お前よォ。一体道端で何してたんだ?」
「・・・」

俺は口を閉ざす。
手に巻かれた包帯が目に入った。

「・・・ったく、(そんな事よりコイツボンゴレ坊主に似てるな)」

涙が頬を伝った。

「・・・ハァッ・・・ったく」


——バサッ


俺の頭に何故か学ランを置いたシャマルに、俺は首をかしげる。

「とりあえずソイツを着ろ。お前の服ボロボロだしな」

俺は何も言わずに学ランとズボンを掃いた。

「此処は、何処なんだ?」
「此処は並盛中学って言う中学校だ」


——ガタンッ


俺は目を見開いて立ち上がる。

「此処は、日本か?」
「そうだが・・・」
「・・・」


(俺は倒れる前はイタリアに居たはずだ。じゃあ何故)


ズキッと体が痛み、已む無くベッドの中に俺は戻る。

「大人しくしてろ」

そういって掛け布団をかけてくれるシャマルに、俺は俯いた。

Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.3 )
日時: 2010/08/23 07:39
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

——沢田綱吉。今すぐ保健室に来いー。

「えッ!?」

放送で俺の名前が呼ばれた。
今の声はシャマル。
俺は保健室に向かう。





「お前の下宿先はアイツの所でいいだろ」
「・・・」

相変わらず無言で無感情、無表情。
言葉をしゃべったとしても、辛そうな顔ばかりしやがる。
俺はらしくない事をしたと思い、頭をガシガシと掻いた。

「オイ、お前、名前くらいは教えろよ」
「・・・境界、空」

ぶっ!
俺は口に含んでいたお茶を噴出した。

「お、お前ボンゴレの機密に居たんじゃなかったのか?」

すると凄く辛そうな顔をした。

「・・・逃げてきた」
「ハァ?」
「・・・」

俯き、再び黙ってしまう。
すると保健室の扉が開いた。

「シャマル。俺に何か用?」
「あぁ、コイツを坊主の家に泊めてやれ。行く場所がねぇんだ」

そういって俺が空を指差すと、坊主は慌て出した。

「別に、面倒ならいいよ。何処かで野宿とか一人で出来るし」
「え?あ、いや、いいよ。俺の家にしばらくいなよ」

だけど一向にアイツの顔は晴れなかった。
誰とも心を開かないといった感じだった。

「とにかく、放課後迎えに来るからね」

坊主はそういって、保健室の扉を閉めた。

「・・・」

空の頬に涙が伝った。
雫は綺麗にベッドのシーツに落ちる。

「お、オイ。どうした?」
「・・・」

俺はハァッと思い溜息を吐くと、空の黒ずんだ色の瞳を見た。
本来なら淡いオレンジ色の瞳が、黒ずむ。
ボロボロの体を見ていると、大体何故逃げてきたのかが判る。


(総本部の連中も大人気がねぇな・・・)


坊主と酷似した容姿を持ち、死ぬ気の炎と超直感を持つコイツは、ボンゴレの秘法とも呼ばれる存在だというのに。


「・・・誘拐124件、人質39件、・・・」


ぶつぶつとそんな事を言い出した空。

「オイ?」
「今まで起きた、俺の犯罪」

そういって涙を拭い、俺を見た。

「俺のは苦心の演技、どうだった?」
「・・・ハァ!?」

演技、!?
ちょっと待て。
どういう事だ!?

「だから、今までのは演技だって」
「・・・いやいやいやいや」

そういってフッと笑う空に俺は突っ込むしかなかった。

「・・・お前、ソレ嘘だろ」
「ハ?」
「演技だって言うのも、嘘なんだろ?俺は一応医者なんだ。ソレ位判るぜ」

するとまた、黒ずんだオレンジの瞳に戻り、俯いてしまう。

「・・・総本部の連中、何時か燃やす」
「(コイツ物騒な事言うなァ。マジでやりそうで怖いわ)」




(とんでもない奴を拾っちまった)

Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.4 )
日時: 2010/08/23 11:48
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「ッて言うわけなんだ、二人とも、一緒でいい?」
「勿論だぜ」
「十代目が言うなら・・・」

獄寺君は相変わらずそう言った。
俺に苦笑しながら目の前の保健室の扉を開ける。
ベッドの上には、先程会った少年が座っていた。
頭に包帯を巻きつけている所だった。

「お、来たかボンゴレ坊主」
「・・・」

ギュッと、少年がシャマルの袖にしがみついた。
だが、

「(オイ、お前演技はやめろ!)」
「(何だよー。別にいいだろー?)」

そんな事を話していたりする。

「あ、大丈夫?」
「・・・」

コクリと少年はうなづいた。

「というかツナと酷似してるなー」
「そういえば・・・」

少年を見る俺達。
少年は何も言わず、上目遣いで俺達を見ていた。

「(か、可愛い・・・)」
「(この小悪魔め・・・)」
「(にやり)」
「そういえば、名前は?」
「境界空だ。ホラ、空」

そういって空という俺と酷似した少年はシャマルと離れて、俺達に近づいていった。
俺と同じくらいの背で、同じ表情、同じ顔なのに。

「(凄く、悲しそうだ)じゃあ行こう」
「うん」

ニッコリ笑った笑顔に、シャマルは溜息を吐いたとか。