二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】曇空にも月は輝く キャラ人気投票中! ( No.114 )
日時: 2011/01/05 10:13
名前: 瑠々 (ID: TV9sr51/)

第二十五訓「暗闇」

——あれは、攘夷戦争が終わりに近づいていた時の事。あたしは鬼兵隊に所属していた。晋助とは、その時知り合ったんだ。————

ドシャァァァッ!!

あたしが刀を振り下ろすと目の前の天人が倒れた。
あたしの服には血が付いていて気持ち悪い。
でも、そんな事気にせずに、次々と天人を切り裂く。


 アオオニ
「藍鬼の仔」。

それが、あたしのあだ名だった。
でもそんなあだ名、欲しくなかった。
だって、あたしも、この戦場から一歩外に出れば普通の女の子。
そんなあだ名があっても意味が無い。

すると、あたしの背後から天人が大きな釜を振り上げていた。あたしが気付いた時には、もう遅かった。

『死』

あたしの脳裏にその言葉が過ぎる。
あたしは刀を下ろして眼を閉じた。

死ぬのって苦しいのかな?
それとも辛いのかな?

死ぬ寸前なのに、そんな事を考えていた。

血吹雪が舞う。
でも、痛くなかった。
フッと眼を開けると、天人が血吹雪を上げながら倒れた。額に血が付く。

「日向、大丈夫か?」

天人の後ろには晋助が居た。晋助が持つ刀には、血が付いている。

(助けて・・くれた?)

その時、あたしはハッとした。晋助の前後に天人が襲いかかって来た。
晋助がとっさに前方の天人を切る。でも、
後方の天人には気付いていない。

死 ン ジャ ウ ッ!!

そう思ったのと、あたしが晋助の後方に立ちはだかったのが同時だった。
晋助は簡単に死なない。そんな事は分かってる。でも、このままじゃ晋助が死んでしまう気がした。

「日向ッ!!?」

晋助がそう言ったのと同時にあたしの腹に大きな刀が突き刺さる。

血吹雪が上がる。
気が遠くなる。

あたしはその時、「死」と言う言葉の意味が分かったんだ。

「日向ァァァァッ!!!」

晋助の叫び声を聞いた後、あたしは暗闇に落ちていった。