二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】曇空にも月は輝く キャラ人気投票中! ( No.125 )
日時: 2011/01/05 10:14
名前: 瑠々 (ID: TV9sr51/)

第二十六訓「ずっと、ずっと」

「っ・・・」

あたしは重たい瞼を開けた。

「・・何で、あたし———・・・」

目だけで辺りを見回す。あたしの周りには沢山の天人や攘夷志士の
亡骸が横たわっていた。

朦朧とする意識の中、あたしは今までの事を思い出した。

(・・そうだ。あたし晋助をかばって・・・。そうだッ!晋助!!)

あたしはガバッと起き上がった。でも、体中に激痛が走り、再び倒れこんでしまった。
あたしは刺された部分を見た。黒い羽織が赤く染まっている。

すると、あたしの瞳にある物が目に止まった。
それは赤く染まった手拭い。

その手拭いの端には『晋助』と書いてあった。
これは、出陣する前にあたしがふざけて晋助の手拭いに名前を書いたんだっけ。あの時、すっごい怒られたな・・・。

そう思い出すと涙が溢れてくる。

あの時はこんな事になるとは思わなかったのに。

(・・晋助に・・・、会いたい・・・)

あたしはそう思うと刺された部分を押さえながら立ち上がった。

鬼兵隊が隠れ家として使っていた武家屋敷へ。
あたしは震える足で晋助の元に向かった。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「・・・着いた」

あれから何時間たったのだろうか。あたしはやっとの思い出武家屋敷に
辿り着いた。辺りを見回す。
すると、小さな丘の上にある志士達の墓に晋助の姿があった。
あたしはゆっくりと晋助の元へ歩き出した。

            ☆

あたしはやっと丘の上に辿り着いた。
晋助はあたしに気付いてない。声を掛けようとしたその時だった。

「・・日向、オメーのやる事は昔から分からねぇ。でも・・・」

間が開く。今が声を掛けるチャンス!何だけど、なかなか声が掛けられない。すると、再び晋助の口が開く。

「・・・ずっと、お前を護りたかった・・・ッ」

その言葉に涙が溢れる。

「・・お前が居なくなった今、俺の護るものが無くなった。だが、これからはアイツを護ろうと思う。
        ウエ
だから、お前は空で見守っていてくれよ・・・」

その言葉で何も出来なくなった。

晋助は、新しく護るものを見つけた。
その決意をあたしが壊して如何する?
ならあたしは、死んだ事にするしか術は無い。


「・・・・晋助、さよなら・・・」


ずっと一緒に居たかった。
でも今はそんな事叶わない。
でもあたしは、遠く離れていても晋助、アンタを見守り続けるよ。













もう二度と会えなくても。


















  ずっと、ずっと。