二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *・.D-Gray-man.・* ( No.2 )
日時: 2010/10/07 17:34
名前: 向日葵 ◆5tAuYEuj7w (ID: 5bBsNqZt)

序曲 
ジェネラルルージュの鎮魂歌


「揺り籠がひとつあった

   揺り籠にひとつがあった

     ひとつはふたつになった

   揺り籠はひとつ、霧に紛れて
  
  星ひとつ
 
 墓場で揺れて消えゆくよ」



少女ハ歌ウ。

 地ニ落チタ堕天使ハ歌ウ。

  金髪ヲ揺ラシテ、天ニ向カッテ、悲シゲナ旋律デ。

.・*

「そして坊やは眠りについた

  息衝く灰の中の炎

   ひとつふたつと——

    浮かぶ膨らみ愛しい横顔

     大地に垂るる幾千の夢

    銀の瞳の揺らぐ夜に
   
   生まれおちた輝くおまえ

  幾億の歳月が いくつ 祈りを

 土へ還しても

     ワタシは祈り続ける
    
     どうか、この子に愛を

      繋いだ手にキスを——」

空ノ天使ハ歌ウ。
 
 雲ノ上カラソット、静カニ地上ヲ見下ロシテ。

  悲シミ嘆イタ後ノ、儚ク美シイ声デ。


.・*


「あー、ティッキー」
「んあ?」
池の岸辺で会話が聞こえる。
よく見てみると、ロード・キャメロットとティキ・ミックだった。
少し耳を傾ける事にする。
「『んあ?』じゃなくってえー。クリスが呼んでたよぉー?」
「んー。めんどくせーなー。分かった。」
「そーいえばぁー、ティッキーなんかに何の用事だろうねー? ボク、気になるなー。」
ツンツン頭の少女は唇に左手の人差し指を当てて、考え込む。
水面には桜の花びらが落ち、満月は池に映っている。
「『なんかに』ってオイ。」
そう言うとティキは食べ終えたばかりの鯉の骨をチャッチボールの様に池に投じた。
会話に静かに耳を傾けていたクリスティーナ・アマンダはすっくと立ち上がると、空を見上げる。

「ん? さっきなんか聞こえなかった?」
「? さーあ。」

——そんな夢だった。——