二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【Dgray-man】-鍵の少女-  ( No.139 )
日時: 2011/01/07 18:24
名前: 花影 ◆wNp4n0Oqx2 (ID: EHM01iHp)

「あっちだ…」
少女ではない方が口を開いた。
視線でさしているのは──都市の中心部。
「あそこに地下通路があるの」
少女は静かに呟く。
「そうなんですか。では、行きましょうか」
にっこりと微笑み、アレンは少女たちの言う方向に歩き出す。
一方。レイナはアレンたちとは5mほど離れて歩いていた。
足音も立てずに。その存在を気づかれないように。
そして一つ。大きく溜息をつくとアレンの元へ走っていく。
「どうしたんです?レイナ」
不思議そうに、彼はレイナを覗き込んで──
「ほわあ?!」
足を引っ掛けて転びそうになっている。
「もう…!アレンたらドジだね」
レイナはアレンを見て笑い始めた。
つられてアレンも笑う。
幸せなひと時だった。
それでも、アレンの頭の片隅には神田のことがあった。


ズシャシャシャシャと音が響いた。
「チッ」
神田は小さく舌打ちをする。相手はLv2。
とてつもなくとは行かないまでも、十分厄介な相手だ。
「界蟲…」
水平に刀を構える。
「一幻!!!」
刀から蟲が飛び出した。蟲はAKUMAを貫く。
誰しもがやった!と思っただろう。
しかし、神田は着地と同時に刀を後ろへ薙いだ。
「なぜ…?」
AKUMAが言葉を漏らす。
「殺気が丸分かりなんだよ」
「そうだったのか…」
最後の言葉をつむいで、AKUMAは砂になった。
「さて…」
神田はトンッと飛び上がり屋根に乗る。
瞬間。家が崩れた。
マテールの家々は、長い年月のうちに脆くなっていたのだ。
ギギギギギと、金属を擦り合わせるような音が響く。
「ここは…」
神田の目の前には、ドデカイ空間があった。
「街の地下に…」
呟いて、自分が落ちてきた穴を見上げる。
上るのは確実に無理な高さだ。
「行くか」
吐き捨てるように呟いて、神田は当てもなく歩き出した。
しばらく歩くと、轟音が響いた。驚き足を止める。
「うわぁぁぁああああああああ?!!」
「あ、ユウ」
「・・・・・・・」
神田の一歩前にアレンたちが落ちてきた。
その中には『人形』もいる。
「丁度いい。お前のイノセンス貰う」
人形たちに刀を突きつけて神田言う神田に、アレンは絶句する。
「だめだよ?その前にやることがあるでしょう?」
聞き覚えのない声が響いた。
反射的に後ろへ振り向く。
「へ〜?君が…?」
黒髪のショートに漆黒の瞳。長身痩躯の女が立っていた。